働く人とふれあう日

働く人とふれあう日

今日は北関東をぐるりと回る。
ken itiお手伝いをしている会社のこれから10年、20年を考えてみよう…、とそのプロジェクトをスタートしました。

新しい世代に今の経営をつなぐためのさまざまなこと。
それを一緒に考えましょうと。
ただ、それを考える前に現場を見てみたい。
そこで働く人の気持ちを感じてみたいと、それでお店を何軒か。
ピックアップしてもらって、一日かけて見てあることにしたのです。

まず開店前のお店を一軒。開店準備がはじまったばかりの店を訪れる。

ラーメン店といえば油が無縁ではない業態で、けれど準備がはじまった段階でもうピカピカキレイでビックリします。
店を磨く!を1日の仕事の仕上げにしている証拠。
ステンレスがピカピカ光ってるばかりか床もキレイで嫌な匂いもしない。
油を使う厨房設備の前に立ってるガラスの仕切りが、透き通ってて向こうがキレイに見えるところに惚れ惚れします。

ken iti shasin

まずは写真です。
今年入ったばかりの社員さん。笑顔かわいいアルバイトさんの写真をパシャリ。
最初はさすがにみんな緊張しています。いろいろ世間話をしながら、何度も何度もポーズをとって、そのうち自然な姿勢や笑顔がやってくる。
話を聞き出すよきタイミング。気持ちが通いあう証拠。

会社に入ったきっかけや、働いていて楽しかったこととかあれこれインタビュー。
好きじゃないと続かぬ仕事が接客業で、ならば何が好きならいいの?
答えはさまざま。
飲食店なら食べることとか、人とつながることだとか。何より働く仲間が好きっていうのが一番の安心なのかも…、って思ったりする。移動する。

 

続いて、この会社で修業を7年したのちに独立。今年できたばかりのお店。

ken senri

「千里」という小さいながらも気合の入ったラーメン店。
開店レセプションにもお招きいただき、その時きてからはじめて再訪。
お店の中はおいしそうなラーメンや餃子の香りで満たされていて、ただの建物がラーメン屋さんにすっかり育っているんだなぁ…、ってなんだかウレシクなってくる。

ボクサーを目指してたご主人。いろんな職を経験し、ある日であったラーメンに開眼をして、ラーメンの作り方を教えてくださいと、会社のドアを叩いたことがきっかけ。
入社し、現場で働いて、ラーメン店で働くことは身についた。
けれどラーメンが作れるだけでは独立できない。
決められたことを続ける忍耐。人と正しく関わることを勉強しなくちゃいけないよ…、とさとされ結局7年間。

ken sen

こんなに時間をかけていいのか、と最初はイライラしたという。
それが良かったんだと、と今の気持ちをしんみり話す。
開店当初はそれでも思ったような営業ができなくて、悔しい思いをしていたときに、会計用の伝票の裏に「ここのラーメンが好きだから、ずっとこのままがんばって」と鉛筆書きでもらった一言。
今でも伝票捨てずにレジの一番奥に潜ませて、辛いことがあったらそれを読み返すんです…、と。
飲食店はお客様とお店の人の共同作業で出来上がる。

ラーメン店のオーナーをやってきて、辛いことってありましたか…、って。
その質問の答えがステキ。
すべて自分の責任で、自分の思い通りにできる、オーナーという仕事をしていて辛いなんて思ったことはありません。そういうものかもしれません。

それから近所のもう一軒。醬醬亭というお店を訪ねる。

ken janjan

先日の集中豪雨で床下浸水しちゃったお店。
その惨状は想像できないほどにすっかり今ではキレイを取り戻している。

厨房、ホールとどこもピカピカ。
やはり飲食店はキレイであるというのが一番、いいコトなんだろうと思います。

調理やサービスは経験だったり適性だったりを必要とする。
一生懸命がんばってもなかなか上手にならないことがあるけれど、掃除だけはやる気があれば誰にだって出来ること。
だからお店のキレイはそのままお店のやる気の洗われなんだと思う。

ken jan tenchoそれにしても仕込みがほぼほぼ終わったお店の香りは格別。ラーメンスープの匂いが渦巻き、お腹がすいてどうしようもない(笑)。

ここでは店長の話を聞きます。
一度はお店の主人を経験した人で、そのお店ではなかなか自分の実力発揮ができなかった。
この店で、店長として仕切りなおして今では繁盛店を手に入れている。
日本料理の調理人の出身で、だから料理を作ることが好きで好きでしょうがない。今でも新商品や季節商品を考えるのがたのしくってしょうがない。
今の飲食店は人に苦労をする場所で、けれど店長である自分がたのしく仕事をしてれば、それは必ず人に伝わる。そう思ったら、苦労もたのしく報われる…、って。

ken jan karamenどんなときにいい商品を思いつくんですか…、と聞いたら厨房の中で料理を作っているときに、何かがストンと降りてくるんだって。
なるほど、いいアイディアってそういうものかもしれないです。

ランチを兼ねて試食をします。
醬醬亭という名前の通り、濃厚醤油ダレをつかったラーメンが自慢の一品。
黒いスープが一見辛そうにみえるけれども、コクはあるけど醤油辛くはないのが不思議。スープが染み込んだチャーシューがしっとりふっくら、なかなかうまい。
なによりご飯が進むスープで、白いご飯と鳥唐揚げがセットになったランチをたのんだ。
スープをごくごく飲み込んで、ふっくら肉はやわらかで衣がパリッと揚がった唐揚げ。パクリと食べて口を油で濡らしたところにスープをゴクリ。
とんこつ系でも背脂系でもないおいしさを、ひさしぶりに堪能しましたオキニイリ。

それから再び移動して、二宮という町に来る。二宮尊徳がしばらく暮らした陣屋があるのにちなんだ地名…、なんだそうな。

ken ichiban

そこで長年営業している、壱番亭という店をたずねる。
フランチャイズでやってらっしゃるお店で、こうして加盟店として開業するに至った経緯をあれこれ聞いた。
飲食業ははじめてで、最初はやはり大変だった。
けれど人と人とがつながりあって、一生懸命頑張れば、おなじみさんができて彼らに助けてもらえるいい商売。
なによりずっとこれで稼げて、みんなシアワセになれましたもの…、と。

加盟店事業というのは人のシアワセに責任とらなきゃいけない仕事。
だから大変ではあるけれど、成功した時の喜びひとしお。
話を聞いててなんだか胸がじんわりしました。
これからしばらくこういう話を聞いていくのがボクの仕事になりそうです。

コメント

  1. バンビ

    サカキさん、こんにちは。
    壱番亭に千里と聞いて出てきました。
    近くに住んでます!なんだか嬉しい。
    壱番亭のラーメンが時々無性に食べたくなります。

    • wpmaster

      バンビさん。
      そうなんですね。ボクはこれからますますこの界隈の出没機会が増えるような気がしています。
      壱番亭の味噌ラーメン。
      おいしいですよね。体にやさしい味噌そのものがおいしいから、スープも全部飲んじゃいそうで、行くたびちょっとビクビクします(笑)。

  2. ひろ

    いつもお世話になっているご近所のお店、ちょっと遠いけど大好きで通っているお店、これから馴染みになりたいお店・・・
    飲食店に元気をもらっていると感じている身としては
    この記事はとても好きな内容でした。
    これからもこのような記事を、時々でいいので拝見できたらうれしいです。

    新ブログでは初めての書き込みかもしれません。
    毎日楽しく拝見させて頂いております。
    これからもよろしくお願いします。

    • wpmaster

      ひろさん。
      ありがとうございます。
      このブログではカテゴリを分けたので、こういう仕事関係、飲食店の裏側よりの内容の記事も書いていこうと思っています。
      コメント、ありがとうございます。
      これからもよろしくお願いいたします。

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