企業文化と生活文化

セガフレードザネッティで朝。
不思議なムードをもった店です。基本的にはスターバックス的なセルフサービスのコーヒー専門店で、海外からやってきた組。けれどやってきた海外というのがアメリカではなくヨーロッパ。しかもエスプレッソが生活に大昔から根ざしているイタリアからで、そこがスターバックスなんかとの大きな違い。
アメリカからやってくるチェーンストアで日本で成功できるチェーンはどこも「文化性」を売り物にする。システムだったり品質だったり、あるいは価格を必死に訴求しようとするチェーンはどこも日本に根付かない。だってそういう部分は日本の会社が得意にしているところでだから彼らが訴求しようとするのは「日本にはない文化性」。
でもアメリカという国は歴史短く、ほとんどすべての文化は借り物。どんなに独自性をうたっても元を辿れば必ずどこか別の場所にルーツが見つかる。

そこで彼らが持ち出すのが「企業文化」というモノで、スターバックスにおける「サードプレイス」なんて考え方は何をいまさらって本質なのに、そこに企業のイメージだとか戦略だとかをのっけると文化性を発揮する。それが行き過ぎてしまうと「哲学」っぽくなちゃって、ブルーボトルコーヒーが発散している胡散臭さは文化が哲学にまで煮詰まっちゃったからなんでしょう。
そう。
日本人は文化は好きだけど哲学はあんまり好きじゃない…、んだと思ったりする。

その点、セガフレードザネッティが発散している文化性は哲学じゃなく「生活」に根ざした読み解くことがむつかしいけど、感じることが簡単なモノ。
日本で商売をするって本当はこういうコト…、なんだと思うんだけどスターバックスなんかに比べて今のところあんまり成功してない。

朝の時間にこうしてくると、最近目立つのは海外から…、それもヨーロッパからのお客様たち。発信する場所、発信する方向、そして内容がどこかちぐはぐなのかなぁ…、って思ったりする。むつかしい。

朝のお腹にパニーニ奢る。
お供の飲み物はカプチーノ。注文をしてまずカプチーノを作ってもらい、それと番号札を持って着席。料理ができるのを待つ。
ファストフードだけれど待ってもらうというこのシステムで、こういうお店のメニューの幅は劇的に広がった。例えばこの店なんてパスタが売り物。しかも案外本格的な内容で、気軽にパスタを食べるだけならレストランよりいいかもしれない…、って思わされるほど。
調理にこだわったイタリア料理の店でパスタを食べた後、ボタン1つで仕上がるコンビニクオリティのコーヒーを飲んでおしゃべりするのがたのしいか、我慢できる品質のパスタを食べた後、専門店クオリティの一杯一杯きちんと作ったコーヒーを飲んでおしゃべりするのがいいのか…。
そんな選択肢があることすらも気づかぬ人がたくさん不機嫌な飲食店を経営している…、と思うとなんだかなやましい。

5分ほど待ちパニーニ到着。ハムとチーズのパニーニにした。
チェーンストアでパニーニを主力商品にしたのはおそらくここが最初で、ふっかりとしたパンがこんがり焼けた食感。オリーブオイルで風味がついてて、パリッと歯切れて口の中でとろける感じにびっくりしました。
今でこそいろんなお店でパニーニを食べることができるようになったけど、やっぱりココのこれはおいしい。
それにココのエスプレッソ。あるいはエスプレッソを使ったカプチーノやマキアートといった飲み物おいしいコトにはいつもウットリ。特にポッテリとしたなめらかさのあるカプチーノ。その喉越しにお腹をあっため落ち着かせる充実感に満ちた豊かな飲み心地は格別のモノ。朝のお腹がこれを飲んだだけでも十分満たされるようなおいしさに今日も満足。笑顔で仕事をいたしましょ。

 

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コメント

  1. すうさん

    こちら、確かに美味しいし、作っている人たちもプロな感じなのに、有楽町や六本木ヒルズの店舗がクローズしてしまって残念です。いずれも繁盛していたのですが。。。
    いろいろな事情があるのでしょうか??

    • サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      おいしいことだけでは生き残れない。外食産業って複雑で大変な産業なんだ…、って思わされますよね。有楽町の帝国ホテル向かい側のお店は、大好きな店だっただけにとても残念。なくなってしまったあとの場所が、ずっと放置されていたのが、また哀しさを漂わせる結果になっていましたね。

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