京の昼食、おひつご飯にご飯のお供

赤坂見附で体にやさしい昼ご飯。「やげんぼり」にくる。
赤坂の街の路地にある店。赤坂の町は南北に大きな通りが何本か。そこから櫛形に生えた東西の通りは小さな路地が多くて、南北通りを歩いていると見逃すような店がある。
そんなお店のひとつがここで、路地に置かれた小さな行燈。風にたなびく生成りの麻の暖簾に柳。ここだけ京の風情を感じる隠れ家的なロケーション。
お店に入るとまず靴を脱ぐ。座敷に上がるとLの字型に設えられたカウンター。一段下がったところに厨房。中で職人さんがキビキビ働く。そのカウンターを見下ろすように座敷の個室が囲んでる。どこに座っても厨房が眺められるおいしい空間。

ランチの売り物はおひつごはん。使い込まれた木のお櫃。角がとれてところどころがけばだつほどで、水を含ませしっとりしている。中にはご飯がおさめられてて、茶碗に三杯ほどでしょうか。
木の器に入れられることで湯気の蒸気が木に吸い取られ、ご飯は乾かず、にもかかわらずパラっと仕上がる。
ご飯のお供も多彩に揃う。漬物の盛り合わせにひじきの炊いたん。ちりめん山椒とどれもご飯がすすむゴチソウ。出汁のきいた赤だしの実は小さなサイコロに切った豆腐と刻んだお揚げ。しっかりとした味わいで汁もご飯のお供の役目をキチンと果たす。

出汁巻玉子が人気ではある。
厨房の中で職人さんがひとり、つきっきりで卵をずっと焼いてるほどで、見事な手際をみているだけでお腹がすいてく。
ただ今日の目当ては山芋とろろ。
出汁と一緒にあわせてといたとろろの中に、温泉卵の黄身にマグロの漬け、いくら。
青海苔をパラリとかけて彩り、風味を整え味わう。

ご飯にかけて食べるのもよし。そのまま汁のようにスルスルお腹におさめるもよし。やさしい栄養を取らなきゃいけない今日みたいな日にはゴチソウ。体のすみずみに滋養がみちる感じがうれしい。

小さい頃、サワラの焼いたのは独特のにおいがあってあんまり好きじゃなかったのだけど、大人になって歳を重ねてどんどん好きになったお魚。
面白いなぁ …、小さな頃に嫌いだったものが今ではおいしく感じる不思議。
炭の上でジリジリ時間をかけて焼き上げた魚の切り身。自分の脂で表面こんがり焦げてしあがり、身はふっくらとみずみずしい。
水分を炭に炙られ無くした代わりに旨味がギュギュッと凝縮されて、ご飯のおかずになんとも上等。ご飯がもりもり進むゴチソウ。お腹も満ちて元気が腹から湧いてきた。

 

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