丸五のひれかつ

mgo秋葉原の丸五でランチ。秋葉原の電気街の外れにある店。ココに至るまでの目が痛くなるような現職看板に耐えつつここまでやってくると、昭和の風情がまだ残る。

それにしてもお店の周りのビルがキレイさっぱりなくなっていた。
再開発か何かでしょうか。
実はこの界隈。新宿にある伊勢丹の創業の地があるエリア。今ではそんな気配も風情もなくって小さな石碑が立つだけ。街の歴史はオモシロイ。

お店の中に入るとほとんど満席で、お店の端の小さなテーブルが一つ残っているだけでした。
カウンター越しに厨房の中の気配を身近に感じるテーブル。
2階に向かう階段までもがすべてキレイに見通せる、一等席が残っていたのがなんだかとてもウレシクて、ニッコリしました。アリガタイ。

油を使う調理です。
にも関わらずお店の隅々がピカピカきれいで、空気も決して重くない。換気が良いからというコトだけではすまぬ気配り、掃除もしっかり行き届いているのでしょう。
荷物を持ってお店に入ると、プラスティックの台をそっと持ってくる。荷物のための下駄ですネ。ひとりでぼんやりしていると新聞や雑誌を持ってきてくれることもあって気配りもしっかりしてる。形通りのサービスじゃなく、お客様への気遣いがあるのがウレシイ。

mgo geta特ヒレかつをセットでもらう。
とんかつ専門店には、ロースかつ派とヒレかつ派があって、ロースかつがおいしいお店は比較的高い温度でバリッと揚げる。だから色黒。
ヒレかつがおいしいお店は、低温の油の中でじっくり時間をかけて揚げる。だから色白。
この店は、色白系とんかつの店。
中でも特ヒレかつは絶品で、大抵ココではコレにする。

シュワシュワ、油が沸騰する音がして、ときおりそこにカラコロ、水がはじける音が混じって仕上がっていく。
いつきても同じ人が厨房の真ん中に立ち差配をし、揚がったカツに大きな包丁をサクリと入れて切り分ける。そのタイミングに合わせてご飯や汁が用意されてく。
ちなみにココのうれしいところが、料理ができる間にと、梅干し、ラッキョウがテーブルの上に置かれているとこ。お茶を飲みつつのんびり待ちます。

mgo tokuhiremgo danmenやってきたコレ。
もうウットリです。
色白のパン粉衣につつまれて、その断面からは湯気がユラユラ、ゆれ上がる。
肉はツヤツヤ。しっとり汗をかいていて、芯の部分は明るいロゼ色。
何もかけずにそのまま一切れ、カプリと食べる。

スパッと歯切れる。けれどまったり。歯にからみつくなめらかなヒレ。
パン粉衣がついているから、これがカツだとわかるけど、肉だけ食べれば茹でるか蒸すかした豚のヒレ。
サッパリしていて、にもかかわらず肉の旨みは濃密で。
パン粉の衣が肉を包んで、それがオーブンのような効果を生み出すのでしょう。旨みが外に逃げずにどんどん凝縮されて仕上がっていく。
円柱形のヒレ肉が、しっとりふっくら。どこもが同じような状態になっていくのは、ヒレかつならでは。脂をもたないヒレ肉のコト。肉だけ食べると繊細な味で、脂がほしくなってくる。
パン粉衣が含んだ油が脂の代わりを果たして肉にコクと風味をつけてくれ、カサカサ、揚がったパン粉の食感がよきアクセントになっていく。ソースをかけると、甘みに酸味、スパイシーな風味がヒレをおいしくさせる。

mgo siru肉にパン粉、ソースにmgo sara芥子。
すべてのものが自分のやるべき仕事をしている。
互いを引き立て、互いを邪魔せず、メインのヒレかつが一番居心地いいように自然体にてガンバっている。そういう様がボクは好き。

普通のカツには千切りキャベツ。
特モノたのむと、千切りキャベツの他にレタスの葉っぱやトマトがついてやってくる。
それらそれぞれが見事な目利きでおいしい状態。
ニンジンをすりおろして作った自家製ドレッシングをタップリかけると、いくらだって食べられる。
キャベツはお替わりできますから…、と、それがなんだかウレシイサービス。

ご飯は固めに炊けてます。パン粉衣の油と一緒になっておいしいご飯の状態。出汁がしっかりきいた赤だし。中にはなめこがタップリ入って、軽い酸味が口をすっきりしてくれる。切った昆布で風味をつけたナッパの浅漬も手作りで、シャキシャキおいしい。これで2500円のちょっと手前の値段というのがありがたく、また来なくちゃって思って帰る。

それにしても外国からのお客様の多いコト。しかも中国系に白人4人のグループ客。みんなガイドブックやスマフォを片手に、ココだ、ココだってニコニコしながらやってくる。そしてみんなニコニコしながら帰ってく。おいしいモノに国境はなしってことなのでしょう…、オキニイリ。

 

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