上野藪そば、イナセに食べる立喰の寿司

上野で小腹をすかせて蕎麦。
ひさしぶりに上野の藪そばに来たくて、寄った。
かんだやぶそばからの暖簾分け。とは言え、すでに100年超える歴史の店で、こじんまりとした店の風情がいかにも街場の蕎麦屋という感じ。
気軽にそばをたのしめる。

夏の陽気の今日であります。
だから冷たい蕎麦にする。
ココの冷たい蕎麦で有名なのが「のりかけ」で、焼いて崩した海苔をたっぷりのっけて食べる、いわゆるざる。それともう一つ、今の季節の人気の蕎麦が辛味大根そばでそれを合体してみる。

辛味大根そばをのりかけで…、ってお願いをしてこの一品。
深めの鉢の中に蕎麦。
上に海苔をパラリとかけて、そば猪口の中にはおろした辛味大根たっぷり。削ったばかりの鰹節に海苔がパラリ。蕎麦ダレが得利に入ってやってくる。
全部を鉢の中にいれ、ツユをかけまわして食べてもよし。猪口にタレを加えながらせいろのように食べるのもよし。ただ辛味大根はそれそのものに辛味も旨味もあるからまずは、蕎麦に辛味大根だけをのっけてツルリ。

ビリビリ辛い大根が、蕎麦の甘みをひきだして口の中をみずみずしくする。
そしてタレを大根にまぜ、蕎麦にのせてまたツルリ。江戸の蕎麦に独特の辛味がつよくてコクのあるタレ。それがほどよく大根で味がととのいそばの味わいをたのしめる。
香り豊かな海苔も上等。蕎麦湯を注いで薄めたタレの風味豊かで出汁の旨みがどっしりしたこと。お腹が軽く満たされる。
お勘定して手渡されたのがお釣りの五円。これがピカピカきれいに光る。レジの中の小銭を見せてもらったらどれもがキレイに光ってて、そういう小銭ばかりを集める。しかもレジに収める前に軽く磨いておくんです…、と。光るご縁を頂戴しました。オキニイリ。

 

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それからウロウロ、上野の街の業界視察。
その〆にと寿司をつまみます。
上野駅の商業施設の中にある立喰寿司のお店「粋魚」。
粋な魚と書いてイナセと呼ばせる店で、誰かを連れてくるとオモシロイねと必ず感心してくれる店。

10人ほどが立てるカウンター。
中に職人さんが必ず2人。忙しいときには3人入って握ってくれる。
カウンターの下に小さな札が置かれてて、札には寿司のネタが書かれて赤、白、黒と印がついてる。色によって値段が異なり、それをチリンとカウンターの上の小皿に落として注文。
チリンチリンと音がするたび、職人さんがそれを確認…、握ってくれる。

オモシロイのに、誰も真似せずこのシステムの店はココだけ。真似ができない障壁があるんでしょうネ…、人手がかかる上、技術たしかな職人さんしか働けぬ。ココはテイクアウトの商品が大量に売れる場所だから高い人件費を払いきれる…、だから続いているのでしょう。

試食程度にいくつかつまもう…、と、まずは貝類。つぶ貝、ホッキに赤貝、トリ貝。高級ネタは札一枚で一貫というのがこういうときにはウレシイところ。ゴリゴリとしたつぶ貝が特別おいしくウットリします。
焼いた穴子にコハダをパクリ。コハダの酢〆の具合がよくって思わず、これもお替わりしたくなる。茹でたエビに甘ダレつけたシャコを食べ、結局、9貫食べちゃった(笑)。
寿司ってお腹が空いてなくてもお腹を空かせる魅力をもっている。特に立って食べるお寿司ってスイスイお腹の中に飛び込む魔法の料理。危ないなぁ…、って思ったりもする。オモシロイ。

 

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