一関では団子が空を飛ぶのでござる!

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気仙沼から一関。車の中で外食産業の話だとか、若い人たちとのコミュニケーションの話なんかをしながら1時間半ほどをたのしく移動する。
ちょっと変わった団子屋があるんです…、とそれで「厳美渓」という場所にくる。
栗駒山から流れてくる川が侵食した渓谷で、不思議な景色。
何しろ岩しかないのです。激しい川の流れと圧倒的な水量故に、岩が削れてこういう景色ができたのでしょう。しかも岩の周りには木々が豊かに茂っているという不思議な景色の岩場の上に東屋ひとつ。ココで団子が食べられるんです…、というのだけれど、団子屋的なる気配が一切周りにはなし。

gen kagogen kakkogen reachあずま屋から一本縄が一直線に対岸の方にはられてる。
その一報は高いところにある茶屋の軒下にまで伸びていて、こちら側の縄には籠。

「かっこうだんご一人前400円」と書かれた紙が入ってる。
なるほど、そういうシステムか…、って、400円を籠の中に放り込む。
お金を入れたよ…、って合図のために、縄が括りつけられている板を木槌でコンコン叩く。これがびっくりするほど響くのです。谷間に響く乾いた音。

それを合図に茶屋から紐をたぐりよせお金が入った籠は茶屋へと向かっていって、茶屋の中へと運ばれる。何かを籠の中に入れてる気配がして、しばらくすると今度は籠がスゴいスピードで飛んでくる。

gen dangoこちらは下で、あちらは上。
団子の重みですべるようにして籠が届いて、中を見ると団子が入った箱にお茶。
向こう側からこちらが何人いるのか観察しているのでしょう。
カップが6つ。熱々のお茶がはいってくるのがステキ。オモテナシ。
「郭公屋」というのがお店の名前です。

さて、飛んできた箱の中身はたしかに団子。

筒状にまとめた団子の生地をスパっと切り分けて、串に刺したモノにあんこに胡麻、甘辛のタレ。
団子はやわらか、なめらかで、ほのかに甘くて温かい。
なによりこういう趣向がたのしい。
景色もよくて、しかも今日のこの青空に湿度の低いカラッと乾いた空気が団子を一層おいしくしてくれる。
6人で団子3本というのはいささか少なく感じて、おかわりしないの?って聞いたら、いやいや。本命の店は他にあるんです…、って言われて移動。ワクワクしながら橋、わたる。

 

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橋をわたったところに一軒。「滝見だんご」という店があり、確かに場所は滝を遠くに眺めるところ。小さな茶屋という風情。

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お店に入ると目の前に厨房があり、そこでおばちゃんたちが団子をニコニコ作っています。
さっきみたのと同じ形。その正体の筒状団子を、首からぶら下げた絹糸を巻きつけスパッと切り分ける。串にさしたらたっぷりあんこやタレをまぶして作っていくさまがとてもやさしい。
ずんだやあんこ、胡麻など全部で5種類用意されていて、ボクは中からくるみと磯辺を選んでたべる。塩の風味がおいしいくるみ。海苔の香りが団子の甘みを引き立てさすがにこれはおいしい。口の中で団子がとろける感じもなめらか。おばちゃんたちとおしゃべりしながらひと休憩…、っていうのもたのしい。よきおやつ。

 

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