一生懸命なのにちょっと切ない…。

博多を出発、南に向かう。昨日の雨と打って変わって晴天の朝。
ホテルの外で食事をしようと、駅前商業施設の地下。食堂街の早起き和食店「天乃」を訪ねる。
人気の割烹料理屋の定食屋バージョン。
先日、夜やってきて確かに料理がおいしく感心。
ただ仕事が丁寧すぎて提供時間が遅くなるのが、こういう場所のこういう業態では大変だなぁ…、と思って帰った。
メインの魚を4種類から選べる朝定食が朝のメニューで、来たらこれがほぼ満席。
しかもインバウンドの人たちが多くてちょっとした観光地のようになってるんでしょう…、お店の人は二人で結構、難儀していた。

提供時間がかかります。
簡単にできそうに見える料理の内容。しかも朝です…、たのめばササッと出てきそうに思えてけれど15分ほどかかりましたか。観光客はココに来るのが目的だから時間がかかっても待ってくれます。けれど地元の人は待てない。今朝は2人が途中で離脱。あとを待ってたインバウンドの人が埋める…、という状況。

仕組みを作りすぎると料理の質が損なわれる。
けれど仕組みを作らないとお客様に迷惑かける。
一見さんを相手にするのか、おなじみさんを作りたいのか…、それもハッキリさせないと結局みんなが我慢しなくちゃいけなくなっちゃう。

割烹料理店品質の料理をおなじみさんにやさしい値段で売りながら、一見さんに重宝される。
商売の方針を変えなきゃいけないかもしれないなぁ…、って思ったりした。むつかしい。ちなみに料理がとっちらかっておりました。盛り付けおざなり。ご飯なんて茶碗にベタベタ貼り付いて、しかも茶碗が黒色だから目立つことったらありゃしない。ご飯の粒をとってキレイをパシャリと写す。

料理はおいしい。鯖の塩焼きをたのんだのだけど、太った鯖の脂が焼かれて沸騰し、皮を持ち上げブクブク、あばたのように表面仕上がる見事。皮はサクサク。香りもよくて、口の中が一瞬ひんやり、脂で温度が下がって感じる。
忙しくってなのでしょうか…、ご飯の蒸気が抜けきれてなく最初はちょっとベタベタしたような感じがするのがもったいなくて、汁はさすがに出汁、味噌、具材とどれも適切。
卵焼きも手作りで甘くてふっくら。こんがり焦げたところがなんとも香ばしい。
メニューの写真は卵焼きじゃなく冷奴が置かれてしました。厨房の中を一人でやるにはそれがせいぜいだったのでしょう。けれど誰かが「冷奴なんて買った豆腐をおいただけ。料理なんかじゃないじゃないか」なんてことをいったのでしょう。玉子を焼いて添えるようにした。そこからいろんなバランスが崩れたのかもしれないなぁ…、と、思ったりした。お勉強。

 

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ちょっと気持ちがしょっぱくなって、新幹線の改札近くの因幡うどんでも覗いてみようか…、と、テクリと歩く。
地下食堂街の一角にあり、お店のやる気が漂ってこない暗い雰囲気。昔もやる気バリバリって感じじゃなかった。けれどおばさんたちがワーキャー、どこか朗らかでところが今ではぼんやりしてる。
大きな会社のひとつになる…、ってこういうコトが起きるのかもネと思ってがっかり。
隣の「石藏」ってお店に鞍替え。
昔ちょっとお手伝いをさせていただいてたことがある、のどかな会社。今もおばさんたちがニコニコしながら働いている。朝から飲めるセットがあったりするのもたのしく、「鯛胡麻茶漬け」がメインの朝の定食たのむ。

鯛の胡麻和え、がめ煮にご飯、出汁に漬物とお膳の上はニギヤカで、なにより薬味がタップリというのがサービス精神旺盛でよい。
まずは鯛とご飯を食べる。ブリブリじゃなくてねっとりとした鯛の切り身は多分、凍っていたのでしょう。ちょっと残念。ただ魚の繊維が崩れたところに胡麻ダレがしっかり染み込み、これはこれでありなのかもなぁ…、と前向き解釈。
出汁をかけてサラサラ食べる。がめには甘くて地方の味わい。鯛の切り身は5枚ほど。だからあっという間になくなっちゃって、さすがに二度目の朝ご飯。おひつに入ったおかわりご飯には手がつかず。
鯛をなくした茶碗の中に胡麻ダレ注いで出汁注ぎ、そしてサラサラ。お腹がぽってりあったまる。

 

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