ペロンと舌出す、ロックンロールなベーコントースト

銀座数寄屋橋のシティベーカリー。
四谷三丁目から地下鉄にのり銀座で降りて改札抜けて、ズンズン歩くとお店が見える。
ドアツードアで20分もかからぬ場所のオキニイリ。
朝食時間になにか変わったものでもないかと、カフェではなくてベーカリーでパンを眺めた。ここの名物のプリッツェルクロワッサンとマシュマロのサンドイッチだとか、チーズをからめて焼いたのだとか体に悪そうなゴチソウがゴロゴロ並んでいる中に、ひときわ異彩を放つ一品。
シナモンベーコンチーズトーストっていうのがあって、いかんいかんと思いながらもまず一個。ツナと玉子のサンドイッチももらってレジで「カフェで食べます」とひとこと告げる。お飲み物は?と聞かれてそれじゃぁ、コーンポタージュとストレートアイスティーを貰おうかとお願いをした。

買ったパンを乗せたトレーを手にしてベーカリーショップから6歩歩いた先にカフェの入り口。レジで番号札を見せると用意されてたアイスティーの器をトレーに乗せてもらって「コーンスープはお持ちしますネ」…、と。なかなかスマート。洗練された仕組みに感心。
これから「物販・セルフサービス・先払い」は人手不足の飲食業で利益を無理なく出すための課題だから、こういう仕組み、試みは勉強になる。
さて、シナモンベーコンチーズトースト!バニラ味のディップ液に浸した食パンの間にチーズとベーコン挟み、焼き上げシナモンをたっぷりふって仕上げた一品。パンの間からはみ出すベーコンが、ベロンと舌を突き出したようであたかもローリング・ストーンズの名盤、Rock Offの表紙のごとし。

味はまさしくロックンロール。
パンはムチュンと歯切れ、とろけたチーズがネットリ絡む。
表面は焼けてカサカサ乾いているのに噛むとしっとり、なめらかなのです。
その食感にベーコンの塩味、脂の風味が混じってなんとおいしい。
たっぷりの粉糖の甘さと、唾液を混じってジュワッと揮発する感覚。
シナモンの香りが味にフリルをつける。
「塩辛いのに甘い」「乾いているのにしっとりしている」と言った相反する味や食感が同時の口の中で行ったり来たりするのが、たまらなく好き。オキニイリ。そうこうするうちコーンポタージュがやってきて、ひりひりするほど甘くて熱いぽってりとしたスープでお腹をあっためる。

サンドイッチはいつも通りです。ざっくりとした胚芽パン。雑穀やナッツが混じって騒々しくて甘み控えめ。自然な味わい。
たまごサラダはぽってりなめらか。ツナのサラダには刻んだきゅうりとセロリが混じりディルの香りが魚臭さをなだめてくれる。自分でツナサラダを作るときにもこのつくり方。オキニイリ。
噛むとボロボロ崩れて壊れるこういうパンって、日本じゃあんまり見なくなったな…、って思ってなおさらオキニイリ。
トレーの上にはシナモンパウダー。指で拭ってなめながらアイスティーを飲んで朝のひとときたのしむ。仕事する。

 

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