レアで食べることができないステーキ用の牛肉って…

昼に新宿三丁目。ひさしぶりに伊勢丹の「レディースアンドジェントルマン」。
本館三階の売り場の隅っこ。で、ココがおもしろいロケーションで、本館とメンズ館をつなぐ連絡通路が直ぐ側で、つまり淑女側から紳士側へと向かう通路に面してる。
ロケーション的にもレディースアンドジェントルメン…、って感じがたのしい。
なやましいのが3階の売り場は本館、新館どちらもハイファッションの売り場。特にメンズ館からやってくるとおしゃれな服がたんとある。着たいなぁ…、と思いながらもあれを着るには体重を半分くらいにしなくちゃいけない。食欲とお洒落ゴコロがせめぎ合う地獄のような場所でござんす(笑)。
お店自体もおしゃれな空間。レストランというよりここに住めてしまえそうな雰囲気に気持ちのんびり。いい感じ。

体を気遣う料理を食べたくなりました。
ロケーションゆえのマジックでしょうか。サラダランチっていうのがあって、気の迷いでしょう…、それをたのんだ。
そしたらなんと、売り切れという。
売り切れったってお店が開店して一時間もたたぬ時間です。多分、材料が整っていなかったのでしょう…、連休直後でロジスティックが間に合わなかったのかもしれない。
そこで別の料理をたのみ、代わりにサイドサラダを選んでたのむ。
ほどよき量です。葉っぱ野菜に刻んだニンジン、それからパプリカ。醤油系のドレッシングの量は多くて野菜がすっかりドレッシングまみれになってる。トマトだけはおいしゅうござった。アールグレイのアイスティーをお供にもらってメインを待ちます。

目の前でパスタを食すマダムが二人。
スプーンの上でグルグルグルグル。
パスタの方には目もくれずおしゃべりしながらグルグルグルグルグルグルグル。
見ているこっちの目が回ってしまいそうなほどフォークに麺を巻きつけている。
マナーがどうとか、本場では…、って目くじら立てるのはお門違いと思うも、あんなにスプーンの上で弄んだら冷めてしまっておいしくなかろうに…、って心配しちゃう。
ワイングラスとパスタをグルグルするのはほどほどに(笑)。
メインはハンバーグにいたしました。熟成牛肉だけを使ったハンバーグ。チーズをトッピングにして作って貰う。グラム数にして80gほどでしょうか…、すんごく小さい。
そうか、ココに売ってるおしゃれな洋服を着ようと思えばこのくらいの量で我慢しなくちゃいけないんだな…、とオシャレが似合わぬおじさん、思ふ。

ちなみにメニューを説明する人が「ステーキでも食べられる肉だけを使って作っております」というから「じゃぁ、ミディアムレアでお願いできる?」って聞いてみる。そしたらあっさり「ハンバーグですからお受け出来かねます」と。日本中で繰り広げられる不思議なやり取り。

ステーキならばミディアムレアで食べられるのに、その肉を挽いてハンバーグの形にした途端にそれはダメという。
ステーキでも食べられたはずの肉が生食に耐えられないほど古くなってしまっているから?
それとも生で食べてはいけない部位が混入してしまっているのか?
もしかしたらひき肉にした道具が不潔でよく焼かないと衛生基準を保証できないからなのか。
静岡の「さわやか」に行ってハンバーグをたのめばレアで出てくる。焼けた鉄板の乗せられて好みの加減で焼いて食べてね…、と言われる、けれどレアで食べても大丈夫なのはステーキで食べることができる肉だけ、衛生基準に従って調理しているからなのですネ。
もしかしたらこれもそのくらいの覚悟で作ったハンバーグだったかもしれず、にもかかわらずそれをよく焼かなくちゃいけないのは、伊勢丹という臆病な場所に店があるから?…、って思ってモヤモヤ。
ちなみに「味がしっかりついてますからそのままお召し上がりください」と言われたハンバーグのサイドになぜだかデミグラスソース。商品名が「熟成牛のトリュフ塩ハンバーグ」で、だからトリュフ塩もついてくる。
これ、変じゃない?
折角だからデミグラスソースを使ってみたら塩辛くって食えたもんじゃない。多分、これ、お皿の空白を埋めるための苦肉の策だね…、って思ってソースパンをまずどかす。代わりにパンをそこに置く。見た目の値打ちが半減しました。そういうことか…、ってニンマリしました。お勉強。

 

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コメント

  1. りんご

    伊丹十三大先生が、その素晴らしいエッセイの中で<スパゲッティという料理は、完成したが最後それを食すには電光石火の素早さが必要なのである>と記されておりました。
    それ以降、私の中でパスタはお寿司と並ぶ<置かれた、食べた、帰る!>料理の一つです。
    それにしたってサラダランチが売り切れ、ハンバーグが80g!
    申し訳ございませんが、お八つにも足りないようでございます。

    • サカキシンイチロウ

      りんごさん
      パスタを食べるにあたって、おしゃべりなどするのはもってのほか…、ですよね。
      オシャレを気取って無粋であることほど哀しいことはありません。
      今日はいつもの過食に対する戒めを含めて、この量で我慢しました。やれば出来る子…、と自分で自分をほめたくなっちゃいました(笑)。

  2. みやはら

    サカキさん、女性はずーーーーーーーっと、ちょっとで我慢のまま一生を終えると思う。少なくとも私はそうです。気にせず食べられたのは授乳中だけでした。女って哀しい。
    こんだけ気にしたって普通より太ってると思うなー。

    • サカキシンイチロウ

      みやはらさん
      我慢ということにおいて、男性は女性の足元にも及ばないんだ…、としみじみ思いました。
      痩せていないとオシャレができないっていうのが不思議でしょうがなく、いつか、ふっくらさんこそが着こなせるアパレルブランドを立ち上げてやるんだ…、と心に誓いながら今日も過食の日々であります。

  3. Miatamore

    パスタをグルグルグルグル...お腹がよじれました。すごく想像できます。おしゃべりするために食べるのは後回し、というのは日本の人特有なのかなと思います。それに比べてイタリア人は食べるのが早い。しかもしゃべり通しているのに、黙って黙々と食べている私より先に食べ終わるのです。前に一度、「飲み込む前に何回噛む?」と聞いたら、「3回、かな」と言われてぶっ飛びました。そりゃ早いよなと納得。

    • サカキシンイチロウ

      Miatamoreさん
      日本人って熱々や冷え冷えにこだわるくせに、食べる速度が遅い人が多いですよね。
      イタリア人並みに早食いのボクは自然、人が食べているところの観察者にまわってしまう。
      そう言えば、江戸っ子の美徳の一つに蕎麦の早食いがあったような…。

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