ラクレットチーズをホットドッグにのせてみました…

新宿駅前のスタジオアルタ。おそらく日本でも有数の待ち合わせポイントの一つ。
そのビルの一階といえば、商売をするのにこれほどよい場所はそうそうないであろう一等地。
にも関わらず、何をやってもダメな場所がこの一階の小さなコーナー。
二年ほど前には台湾のタピオカミルクティーのチェーンがお店を出した。あっという間になくなった。
ちょっと前まではクロワッサン鯛焼きのお店があったけど、一向に流行る気配もなくなく、今日見てみたらホットドッグ屋のお店になってた。
ちなみにどの店も銀だこの運営会社がやっていて、おそらくこれって「場所」の問題じゃなく「彼ら」の問題なのかもしれない…、って思ったりする。

ちなみに今回のこの店。
調べてみると1月21日に開業したばかりのようで公式ウェブサイトもなければ食べログの頁すらない。
こういうところがセンスがないというか、真剣さにかけるというか…。

ラクレットチーズドッグというお店です。
ホットドッグの上にラクレットチーズを溶かして乗せる…、というのが売り。
最近、ちょこっと話題の塊チーズを電熱ヒーターで溶かしてナイフで削り取るようにして素材にかける。
パンに乗せればハイジな感じで、大抵は茹でたじゃがいもにかけて味わう。それをホットドッグに乗せるというのが、賢いというか新しいというか、まぁ、目のつけどころは悪くはない。
けれど、ファストフードオペレーションにはいささか不適。というのもラクレットチーズがなかなか溶けてくれないのです。お店の人が何度も何度もヒーターとチーズの様子を見て確認をしているのだけどしばらくうんともすんともしなかった。

乗せるチーズをダブル、シングルと選べるのだけどその量も果たしていつも同じ分量なんだろうか…、って思うとどんどん疑わしくなる。
こりゃ、ダメだなぁ…。
しかも食べるとなんとも切ない。
パンは甘くてふかふかで、チーズと相性がいいわけじゃない。
安いソーセージ。
その上、芯は冷えていました。

チーズをおいしくすることばかりに注力してて、ホットドッグとしてはおいしいワケじゃない。
だから本来、何ものせないホットドッグをプレーンドッグと称するところ、ココのプレーンドッグはチーズのかかったホットドッグ。
しかもチーズ自体の味も薄めで、結局、ケチャップかけて食べることになる。これなら普通の溶けるチーズで良かったなじゃない…、って思っちゃう。

差別化のつもりでしたことが結局まるで差別化にならぬつまり、独りよがりなコンセプト。
銀だこというチェーンの中には「最後にかならずひと手間かけて、商品を手渡しする」。ならばお客様は喜ぶはずだというプログラムがある。タピオカミルクティーのときもそういう理念に沿った商品だからいいと思って連れてきた。最近、コールド・ストーン・クリーマリーを買収したけど、あれも同じコンセプト。最後のひと手間で差別化しようとしているお店。
でもその一手間が「おいしい」というコトに直結すればいいのだろうけど、必ずそうなる試しはなくて、死屍累々の結果をうんだ。
多分、ココもダメなんでしょう。だって高い家賃が払えるほどに売れないことが目に見えてるもの。例えば彼らがラクレットチーズを生産し、その食べ方の提案とプロモーションを兼ねたショールームとしてココを運営すればなんとか先につながるけれど、ココでホットドッグを売ることが出口と思ってやってるならば、お先真っ暗。勿体無い。

コメント

  1. すうさん

    お店を作って、すぐに閉店してを繰り返していますね。お店の人も、丁寧な人とそうではない人とがいて・・色々な事が安定していなくて残念です。たい焼きが一番安心して食べることができるかな(^^♪

    • サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      ここで「プレミアム銀だこ」をやるのが一番じゃないかと、今日、思いました。人とはそれほど器用にできているわけじゃなく、何かの成功体験にとらわれて新しいことをでっち上げることほど愚かしいことはない…、と思います。

  2. Miatamore

    ハイジな感じの、溶けたチーズがパンにとろり、考えただけで素敵だなと思いますが、それをアルタの前の雑踏で食べる気はしませんね。その場所に合った食べ物ってある気がします。ラクレットなんて、家とか、アットホームなレストランでゆっくり味わうもの、コンセプトとしてはちょっと違いますが、スローフードの範疇だと思うのです。このお店からは流行りを作らなきゃ、という焦りが見え隠れしていて、残念ですね。

    • サカキシンイチロウ

      Mitamoreさん
      おっしゃる通りと感じました。
      どんなに工夫されておいしい料理も、それを食べるべき場所とシチュエーションが整わないと、ただの押しつけ。粋とは言えない厄介な料理になっちゃいますよね。
      ちなみにこのお店の周辺。乳製品独特の強烈な匂いが漂っていて、ギクッとしながら振り返る人続出でありました。

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