マクドナルドの朝、ドトールの朝、外食産業の朝

ひさしぶりにマクドナルドで朝をとる。

オフィス街ではなく、住宅エリアと商業地区の境目にあるちょっと町外れ感の漂う地域にあるお店。
サラリーマンなんかがまず訪れない場所にあり、普段着姿の人が多い店でもある。
季節も夏で、サンダル履きやショートパンツが目立つ。
シニアな人がかなり多くて、店の空気はのびやか。
ほのぼのしてる。
そのほのぼのが、ハワイのマクドナルドのようなムードで明るい感じ。

そう言えば、カハラにあったマクドナルドの午前中はお客様の平均年齢オーバー70。
まるでデイケアセンターみたいな様相をいつも呈してた。

たしかにファストフードの静かな時間帯はご老人には快適な場所。しかもカウンターの中に立ってるスタッフが、ほぼ外国人というのがますますハワイなムードをかきたてる。

ソーセージマフィンをメインにハッシュブラウン、アイスティーで一揃えとする。
かつてのマクドナルドのソーセージマフィンは、ファストフードの朝食メニューの名作中の名作だった。
同じ名前で出てはいるけど、今のマフィンはフッカリ、まるで腰がない。
昔、マクドナルドのマフィンを食べると、まず歯ごたえがよく顎に思い切り力をいれて噛み切ると、一瞬、口の唾液を全部吸い取る。
舌がビックリしたとこで、中のソーセージグリルがジュワリと脂を吐き出し口を満たしてとろけて消える。
あのおいしさは思い出の中にあるのみ。口溶けのよいマフィンと一緒にソーセージだけは脂っこくでだから口の中がベトベトしてしまう。
コストダウンをしなきゃいけない。だからでしょうね。小さくなった。小さくなってしまったのはマフィンだけじゃなくハッシュブラウンも同じコト。ところでこのアイスティー…、香料、色付きの氷水っていったいいくらでできているんだろうって思ってフーッとため息ついた。

あまりの脂っこさにマフィンはやっぱり半分残した。最近、マクドナルドに行くと「飲食業というものを外食産業という金儲けの道具にしてしまった」コトに対する戒めを受けてるみたいな気持ちになる。
片棒担いだ立場でもあり、だからたまに来てみて味わう。
お腹も気持ちも満たされず、それでドトールコーヒーにくる。ココも外食産業ではあるけれど、どこか飲食業の時代をほのかに引きずっているのどかでぼんやりしたとこがあり、だからホっとできる場所。ツナチェダーチーズのホットサンドをたのんで二度目の朝をたのしみ食べる。

ふっかりとしたソフトバゲット。
中にぽってり、マヨネーズ和えにしたツナのオイル漬けとチェダーチーズ。
焼かれてトロリと口どけが良い。
ソーセージエッグマフィンを材料の仕入れも含めて全部自分で作ろうとすると、おそらく無理でしかもあんな値段じゃ作れない。
けれどこれならこの値段で全部自分で作れそうで、そもそも昔の喫茶店の料理ってみんなそんなモノだった。
けれどワザワザお金を出して、お店で食べる。
「食べモノ以上の価値」があるから、飲食店はずっと必要とされてるワケで、そうでなければコンビニだとかデパ地下だとかにすっかり役目を奪われている。街を歩くといろんな発見できて楽しい。
ちなみに今日の発見は、ワザワザ「熱いのでお気をつけください」と注意喚起のラベルを貼らなきゃいけないようになってしまった窮屈と、目の前にいた外人さんが来てたサーフィンボードを抱えたしろくまさんのTシャツが可愛かったということでした。朝のコト。

コメント

  1. mmm

    確かにかわいいTシャツ、サカキさんにも似合いそうですね。

    • サカキシンイチロウ

      mmmさん
      思わず、どこで買ったんですか?って聞いちゃいそうになりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。