パークサイドダイナーでおいしく気合を入れる朝

雪が降りました。
雪がふるのが当たり前の地域にとっては雪とは呼べぬ程度の雪で、でも東京の街に住む人はおおさわぎ。
ニュース番組もお祭り騒ぎのようでござんした。
一夜明けて雪はおさまったものの寒くてブルブル。しかも今日はお客様の大切な年に一度のイベントで、気合を入れようと気合の入る勝負ご飯を食べにくる。
帝国ホテルのパークサイドダイナーにて朝。どんなに厳しい天気であっても、朝早くから絶対、営業してくれている。しかもどんな寒さもふっとぶようなとびきりの笑顔が待ってくれている…、と思うと朝の気持ちも明るくなろうというもの。すべらぬようにソロリソロリと前かがみになり、歩いて到着。「おはようございます、お寒ぅございました」と朝の挨拶もあったかい。

アメリカンブレックファストをもらいます。

何種類かのジュースの中からオレンジジュース。
卵料理はフライドエッグ。
ひっくり返して白身はよく焼き。黄身はほどよい程度に焼いて…、って注文つける。
すると即座に「オーバーミディアムということでよろしゅうございますか?」と笑顔で聞き返す。
言葉が通じるってなんてステキなことなんだろう。
ベーコンをカリカリなるまで焼いてもらってオールウィートのパンはよく焼き。焦げる直前まで火を通してネ…、って。
承知しましたと厨房の中にかけこんでいくサービススタッフの気持ちよいコト。必ずやボクが思っているものと同じ料理がやってくるに違いない。この安心感と信頼感がなによりうれしい…、オゴチソウ。

コーヒーを飲みつつ待って、お待たせしました。
あぁ、なんとシアワセなひと皿でしょう。
あるべきものがあるべき場所に、あるべき状態であるひと皿。
プクッと黄身が盛り上がり、白身の縁は焦げてフリルのように仕上がる目玉焼き。
脂をほとんど吐き出して自分で揚がって仕上がるベーコン。
噛むとガリガリ、口の中でたちまち壊れて脂の旨みと香りで口を満たしてくれる。

パンの焼き加減も見事です。
若干粗めの生地のパン。空気をタップリ含んで仕上がり、焼くと生地がたくわえた水分が抜けて軽く感じる。噛むとサクサク、前歯がくすぐったくなるような感覚。焼けた小麦の香りと甘み。
バターを置いてしばらく待って、とろけたところをナイフで伸ばす。ニコニコしながら食べてたら、「パンの焼き加減はいかがでしたか?」ってお店の人がやってきて聞く。完璧でした、ありがとう…、って笑顔で答えてサクサク食べる。

それにしても玉子の状態のすばらしきこと。
サクッと壊れる白身の縁に、プルンとすべるような焼けた白身の本体部分。黄身の上をナイフでススッと撫でると中からトロンと半熟状態の黄身。熱いお皿に触れるとサラサラだった黄身にトロンと粘りがでてくる。
白身と一緒に黄身をパクリと食べると甘い。ネットリ舌にからみつくのが肉感的。
白身を全部食べても黄身がお皿に残る。ベーコン一切れ。そうだ…、と胡椒をたっぷりほどこしパンでぬぐって食べてみる。これにチーズがくわわればカルボナーラになるんだなぁ…、って思いながらパクリパクリと。恥ずかしいほどお皿がキレイになっていく。
最後にベーコンをパクリとひとかけ。コーヒー飲んで気持ち整え、気合を入れてでかけます!

 

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コメント

  1. としお

    すばらしい朝食ですね。
    準米国の田舎に住んでいる当地では、注文どおりのものが完璧に出てくるのは考えられません。
    ところで、こういった場合でも日本ではチップは払わなくて良いのですか?

    • サカキシンイチロウ

      としおさん
      チップを払いたくなりますよね…、でも払わなくてもよい。払っても受け取ってもらえないのが日本という国の、スゴイところなのか、なやましいところなのか。
      我が国の首相は「同一労働同一賃金」という綺麗事を振りかざして日本の労働環境を変えようと必死になっていらっしゃるけど、同一労働が同一の結果にならぬ仕事が世の中にはたくさんあるのだ…、というコトをご理解いただきたいなぁと、この目玉焼きを食べながら思いました。

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