トップスのチョコケーキはスプーンで食べなきゃネ!

銀座でお昼。ひさしぶりにトップスのカレーを食べてみようか…、と思ってトップス。
銀座松屋の通りをはさんだ隣のビル。
日本料理のざくろと同じフロアにあって、ゆったりとして落ち着きのあるお店のムードはカレーショップではなくレストラン。
昔はいろんな場所にありました。
西武百貨店の中であったり、新宿のルミネにあったりとお洒落商業ビルのお洒落に負けないお洒落なお店。
東京ってすごい街なんだと驚かされた店でもあった。だってカレーをこの上もなきゴチソウ料理としてふるまう店があるなんて、田舎出身の男の子には思いもつかぬおどろくべきコト。蝶ネクタイをした黒服があたかもフランス料理を提供するがごときうやうやしさでサービスするのもびっくりだった。

生まれてはじめてビシソワーズなる食べ物を食べたのも、ルミネにあったトップスだった。
冷たくてなめらか。
喉を駆け下りるときにザラッとした繊維を感じ、けれど舌にはそのザラザラ感が残らない。
後口すっきりとしたスープがじゃがいもから出来ているなんて感動的ですらあった。
今日もそんなビシソワーズ。
昔は氷を敷き詰めた小さなボウルの上にガラスのカップを置いて、ずっと冷たくたのしめた。そんな提供方法もあるんだというコトをはじめて味わったのもこのお店。
トマトサラダをお供にもらう。ざくろグループと言えばこのトマトサラダ。スプーンですくってドレッシングとトマトがひとつにまとまってくのを味わいながら、昔はタコとセロリのサラダをよく食べたよなぁ…、って思った。前回きたときにはあって食べたはずなんだけどコロナでメニューを絞り込んでいるのかなぁ…、今日はなかった。ちと残念。

メインは辛口ビーフカレーをもらう。
昔カレーをたのむと薬味が入ったステンレスの器を5、6個積み上げテーブルの上でそれを並べる。
玉ねぎのピクルスやチャツネ、福神漬けやらっきょう。
ゴチソウだったなぁ…。
薬味自体がゴチソウである以上にそのテキパキとして、けれど騒々しくなく優雅に器を配する姿。
背筋が伸びて優雅なのに凛々しいさまが、これからカレーをいただく覚悟を作ってくれた。
今もサービスはいいんだけれど、あの特別な感じがどこかに失せてしまったように感じてしまう。

もっともトップスから失せたというより日本全体から消えようとしているって思うとなんだか切なくなっちゃう。
らっきょうは別注文のトッピング扱いになっちゃいました。ローストココナツもトッピングにして贅沢をする。大きなお皿にほんのちょっとだけご飯をのせて上にはフライドオニオンとレーズン、ココナッツ。

蓋付きの器にたっぷりおかわり用のご飯が入れられ、そこにもフライドオニオン、レーズン、ココナツ。この贅沢はかわらない。
TBS会館があった頃、そこのトップスの優雅で贅沢で親密なムードはもう二度と戻らないのかなぁ…。アカサカサカスって立派なビルに建て変わり、そこにカウンター中心のカレーショップのようになって戻ったけれど、料理としてのカレーは同じでも優雅なサービスがなくなっちゃって、中途半端に値段の高いただのカレー屋になってあえなく終わってしまった。
飲食店とは料理を提供する場所ではなくて、料理でお客様をもてなす場所なんだ…、としみじみ思う。
ランチタイムのデザートはハーフサイズのチョコレートケーキ。これはやっぱりスプーンですくって食べるもの。スライスじゃなくかたまりじゃなくちゃ魅力半減だよね…、と言って、タナカくんの同意を求める。昼ご飯。

 

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