シティベーカリーまで小さくなっちゃった…。

朝ご飯をシティベーカリー。
数寄屋橋の交差点にある東急プラザの地下二階。
丸の内で小さな打ち合わせが一つあり、丸ノ内線を銀座でおりる。家のある四谷三丁目から乗換なしの一本で、15分ほど。意外に近く、しかも改札を抜けてちょっと歩くともうビルの中。ズンズン歩くとこの店の前にでてしまっている…、というロケーション。ドアツードアで30分もかからぬご近所感覚でこれるところがありがたい。
デパ地下的なるフロアの入り口。他のお店は11時からの開店で、だからココだけロープで仕切られ隠れて営業している感があるのがたのしい。
アメリカ的なる朝食メニューが揃ってて、パンも焼き立て。だから朝から案外ニギヤカ。買い物前にココで待ち合わせしてそのまま朝食…、って感じの人が多くてニギヤカ以上に華やかでいい。

サンドイッチも豊富に揃う。
ブリトー的なるラップサンドに甘いデニッシュペストリー。ちょっと迷うもサンドイッチを選んでたのむ。
たまごサンドとツナサンドが一切れずつのミックスサンド。
コーンポタージュと一緒にたのむとまずサンドイッチだけ手渡され、番号札と一緒に着席。ビニールで包まれ断面を上に向けたうつくしきさま。
そっけないほどシンプルで、その飾り気なさがおいしさを生み出しているのがボクは好き。
…、なんだけど。
久しぶりに来て手にしてみればなんだか小さくなっちゃっている。
前回来たときはズッシリ重たく、手のひらに乗らないほどの大きさだった。それが二回りほど小さくなって手のひらの上にストンとのっかる。重たくもない。

最近、料理がどんどん小さくなっている。ファストフードの商品や、特に顕著なのはコンビニエンスストアの食品。原料費はどんどん高くなっている。人件費だって下がりはしないし、にもかかわらず値段をあげずに商売しようと思うと結局、料理を小さくしなくちゃいけなくなっちゃうのでしょう。飲食店って一体何をお客様に約束しているんだろうって不思議に思う。
お腹いっぱいや料理の品質、たのしさを売ってるわけで、値段を売ってるわけじゃないのにみんな値上げをしたがらない。食材の質を落とすとライバル店との競争に勝てなくなるし、そもそもほとんど質を落としきった商売をチェーンストアはやっているから、もう限界。なやましい。

とは言えこの店、クオリティはしっかりしてる。
甘さにたよらず正直なパン。口溶けよりも噛みごたえや風味、味わいを大切にして、若干口の中でもったり。しばらく居座り香りを発する。
玉子サラダはぽってり濃厚。ツナサラダの中に加えたキュウリはスライスしたのを一度茹で、パリパリ感を際立たせていて食感がいい。

ビジネスモデルとしてもこの店、案外好きなのです。「調理した料理をサービスする」という従来型のレストランとは違ったモデル。
「製造したものを売る」と同時に「最小限、調理したものをセルフサービスで提要する」という、食品物販とファストフードのいいとこどりで、なのにお店の雰囲気はレストランやカフェ的で、上等な感じがするから使い勝手がいいのです。
ニューヨーク出身という、ほんのちょっとだけ背伸びした贅沢感があるからもっと自分本意な値付けをすればいいのになぁ…。商売において「自分で値段をつけられる」コトが一番シアワセで大切なコト。周りを気にした値付けの商売は、いつかどこかで破綻する。

それにしてもコーンポタージュってなんてこんなにおいしんだろう。
注文してから手鍋にとって、しっかり温め熱々状態。ぽってりしていて濃厚で、香りまでもが甘くてトゥルンと喉の奥へとなだれ込む。お腹ポカポカしてきてうっとり。思わず笑顔になるオゴチソウ。
サンドイッチの耳の分を残してスプーンで沈めて食べる。
ポタージュスープをたっぷり吸い込み、トロンとなったパンがユックリとろける感じにまたうっとりの朝のコト。コーヒーもらって手を温めて、のんびり朝の時間を過ごす。オキニイリ。

 

関連ランキング:パン | 銀座駅有楽町駅日比谷駅

コメント

  1. タカハシケムヂ

    以前、母がスーパーのパート勤務をしていたんですが、
    「逆に、分量変えずに値段を上げるとお客さんが買ってくれなくなるのよね」
    と云ってました。
    悩ましい話です。

    • サカキシンイチロウ

      タカハシケムヂさん
      日本人はいつからか「内容ではなく値段を買う」国民になっちゃったのかもしれません。
      もう豊かな国ではないんだなぁ…、としみじみ思い知らされます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。