サンゴウアン
羽田の朝にサンゴウアン。
東京駅の朝はずいぶん平凡な朝になっちゃった。
駅の周りに飲食店がたっぷりあるから、駅の中には期待しないで…、ってことなのかしらって思うことにした。
一方、羽田はどんどん朝にたのしい場所になる。
朝早くから、出汁のおいしい日本の朝食を出すお店があり、立ち食いの寿司屋が開いてて、おいしいコーヒーにケーキが待ってる。
しかもおいしい蕎麦まで喰えたりするワケです。
新しくできたバスターミナル、バスタからバスに乗る。
これまた新しくできたトンネルだらけの高速道路を使って15分から20分。あっという間に飛行場についてしまう時間をずっと、今朝は何にしようか思案しながらワクワクできる。なんだかとても贅沢な朝。
そんな朝から盛り沢山な羽田レストランの、中でも一番好きなお店が蕎麦のサンゴウアン。
白金にある蕎麦の名店の蕎麦を朝から食べられる。
しかも飛行場の出発ゲートの真ん前で…、というなんとステキなシチュエーション。
作られるのは蕎麦と天ぷら。
とてもシンプル。
その組み合わせで生まれる料理だけという、絞り込まれたメニューがなんともすがすがしい。
キリッと凛々しい店作りも能舞台のようにみえ、けれど屋台のようでもあって、ウットリします。
厨房は本格的で、そこで行われる作業も手抜きをせぬ正直さ。
天ぷら蕎麦をたのみます。
たのむと蕎麦をつかんで手振り。茹で釜の中にパラパラ、振り落とす。そのかたわらで天ぷらが、しゅわしゅわ泡が沸き立つ音と一緒に揚がっていって最後にそれが、一つ丼の中で出会って出来上がり。
蕎麦の上に浮かぶ天ぷら。三つ葉と柚子が散らかっている。
まずは柚子皮を箸でつまんで取り上げて、蕎麦を持ち上げ天ぷらの上にそっとかぶせて休ます。
そしてずるりと。
程よく覚めた麺の表面に、天ぷら衣の油がからんで蕎麦の風味がどっしりしてくる。オゴチソウ。
時間が経つと麺がぬるりととろけるようにやわらかくなっていくのがまたおいしくて、ハリをなくした代わりに汁との一体感を手に入れるのです。
また、うまい。
鰹節がベースになった江戸前出汁で、最後にスキッと酸味が残る。
大人の味とでもいいますか。そういえば大人仕様の東京昭和喫茶店のコーヒーの味も最後が酸味。酸味が旨みをひきしめる。それで飽きずに味わえる…ってことでしょうか。オモシロイ。
蕎麦は上等。
汁も上等ではあるけれど、なにより上等と感じるものがエビの天ぷら。
高級感を出そうとする店や調理人は、大きなエビを使いたがる。普通に大きだけでは気がすまず、指でしごいて伸ばして伸ばしてしかもそれにたっぷり衣をまとわせ揚げる。
着膨れ天ぷらを熱々の蕎麦にのっけると、湯気で衣が崩れて崩落。小さく縮んだエビが恥ずかしげに顔を出す…、ようなコトがいろんなところで起こる。
けれどココ。
ほどよきサイズのエビを3尾。ポッテリ衣をまとわせ揚げる。どこをどう、どんなふうに食べてもエビの食感、味がしっかりして料理というのは見た目じゃないんだ。口の中に入ってはじめて実力発揮するんだなぁ…、ってウットリします。
汁をゴクゴク、飲み始めるとどんどんおいしく感じて結局、丼の中はキレイに空っぽ。サイドについたネギは結局つかわずすます。
そして柚子。最初は二切れと思って皮をどかしてネギの脇におき、安心をしてズルズル食べてたらもう一切れが隠れてて、蕎麦と一緒に口の中へと飛び込んできた。それでパチッと目が覚めたから、良しとしましょう。さぁ、空へ。
関連ランキング:そば(蕎麦) | 羽田空港第1ビル駅、羽田空港国内線ターミナル駅、羽田空港第2ビル駅
こんにちは
今日、さだまさしの歌をyoutubeで聞いていて、ふとサカキさんのブログを思い出しました。
今38の自分ですが、ここ数年になって、さだまさしや中島みゆき、ハマショーや山下達郎の歌をよく聞くようになりました。
外食の世界に入って20年。経営者となって15年になりますが、自分は本当に外食の世界でこれから先何をしたらいいのだろうかと考えることが有ります。
ビートたけしですら、いまだに自分はお笑いがやりたかったのかどうかわからないという話を聞いたときは少し救われたような気もしましたが、だからと言って自分の道が定まるわけでもありません。
これからも悩みながらこの世界で、自分が何を残したいのか、マーケティングに頼りすぎず、かといって独りよがりにならず進んでいきたいと思います。
7,8年前から世話になっているブログが有ります。もしよかったら、ご覧下さい。最近はこのブログ主の親父さんも余りブログはやられていないんですが、自分に大きな足跡を残してくれたところです。
手前・板前・男前
http://sakanaitamae.seesaa.net/
です。すいません、何回も間違って投稿してしまいまして
ゆうじさん
ボクも、本当に自分にしかできないことって一体何なんだろう。
自分というモノを一番上手に使うってどういうことなんだろう…、と最近ちょっと試行錯誤。
自分で自分を使うというのが一番難しい。会社を経営していると、人を使うことばかり考えちゃいますけれど、それだけではうまくいかないコトがあるように思います。