キャッシュレスでソニー由来のあるでん亭

先日、西新宿の住友ビルの地下食堂街で発見した「あるでん亭」。
そう言えば長い間、食べてないな…、とやってきてみる。
「当店は完全キャッシュレス会計です」と入り口脇の看板にあるように店に入ると大きなディスプレイの券売機。
紙のメニューを拡大したような造りで案外見やすい。しかもお店の人がずっと横について説明してくれるから、おじさんたちにもやさしくていい。
厨房の周りを取り囲むようにカウンターが作られているのは他の支店と同じ造りで、料理を作っている気配を近くに感じることができてたのしい。お腹がなります。かつてソニーの外食子会社がやっちた店です。その当時からのパスタボイラーが独特で、手のひらをすぼめたような形のトレイが6個ぐるりと軸を囲んで丸い形を作ってる。開いた花のような造形。

トレイに一人前の乾麺を沈め茹で上がったらハンドルを持ち上げザザッとこぼしてザルにとる。この店でしか見ない機器で、部品ひとつひとつがオリジナル。さすが部品作りが上手なソニーのする仕事…、って思ったりした。
開業当初からずっと手動で動いてる。
けれどいつかこれがオートマティックで動く日が来るんじゃないかと、そんな未来を夢見てた。結局、ソニーは外食産業から手を引いて、そういう未来は来なかったけど、もしソニーが真剣に飲食店の厨房のことを考えてくれていたら外食産業は変わってたのかなぁ…、って思う。もったいない。

パスタを2種類。
それぞれミニサイズで作ってもらう。
一人前が70g。だから2つあわせても麺の分量は140g。
スパゲティー屋さんの大盛りサイズ程度だから、十分お腹に収まるサイズ!
一種類はアリタリア。
イタリアのアリタリア航空のクルーが作って…、って言って出来た人気商品。
しめじを具材に作ったクリームパスタにボロネーゼ。
鷹の爪の辛さを足して仕上げたもので、こってりおいしい。まずクリームパスタとして食べて、徐々にボロネーゼが混じっていくとミートソースのホツホツ感やソースの酸味がクリームに新たな輪郭、奥行きが出てコッテリなのにグイグイすすむ。粉チーズやカイエンペパーをたっぷり使って「より」コッテリを味わいたのしむ。

もう一種類はペペロンチーノにグリルベーコンを一枚追加してもらったの。
ここのペペロンチーノは本当においしい。たっぷりのニンニク、たっぷりの赤唐辛子。しかもそれらを苦味がでる寸前まで焼き切って、風味や味をオリーブオイルに移して使う。
茹でたての麺も旨いんですね。しっかりとした噛みごたえに小麦の香り。乳化したオリーブオイルがしっかり麺にしがみつき、フォークに見事にからみつく。グリルベーコンはよいおかず。ひんやりとした脂のうまみに焦げた香りがおゴチソウ。
アリタリアをまずは全部お腹におさめて、ゆっくりペペロンチーノを片付ける。あとに残ったのは焦げた赤唐辛子だけ。満たされました…、オキニイリ。

 

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