キッチングランでメンチ生姜に溺れるお昼

ランチタイムを神保町で。ひさしぶりにグランに来ます。

gran水道橋から白山通りをテクテク歩き、神保町のちょっと手前にあるお店。
路地を挟んだ隣には、気軽な値段のおいしい天丼で有名な「いもや」があって、けれどそこは人手不足で休業中。
いつ開くんだろう…、とここに来る度思うのだけど、まだまだ再開の気配がなくて暖簾が出てない状態が、ちょっと寂しい。
今の日本の外食産業の置かれた難儀が見えるよう。

カウンターだけの小さなお店。
L字型に設えられたカウンターの中には厨房。一番奥にガラスの壁で囲まれた揚げ場、焼き場が作られて、手前にご飯や味噌汁がある。
いつもニコニコ、元気なおばさまたちがサービス。
奥では寡黙な若いご主人が料理を作るという雰囲気が、やさしくちょっと家庭的。

神保町といえば学生が集まる街。だから男振りがいいラーメン屋さんのような雰囲気の洋食屋さんが多いエリアで。そんな街の中にあっての異色のムード。ボクは好き。

gran miseちなみにこの店の脇から奥に入る路地。
グランの隣に、半ちゃんラーメンの元祖の店として有名な「さぶちゃん」っていうお店があって、そこは終日、ずっと行列。
そのまた隣に「近江や」という和食のお店が並んでる。

どこのお店もカウンターだけの小さな店。
ご主人が一人で料理を作っているというのがどこか似通った雰囲気のある店なんですね。
共通しているのは、お店の大きさ、しつらえ、あるいは営業スタイルだけじゃない。

実は、3店。同じ血筋の方々で運営している。
さぶちゃんと近江やのご主人はご兄弟。三兄弟の次男、三男という関係性。かつてこのキッチングランも三兄弟のご長男がやってらっしゃっていて、けれど今ではご親戚が継いで元気にやっている。
それがなんだかステキであります。
お店の中に家庭的な雰囲気が漂っているのはそういう理由もあるのかも。

gran conbi家族が仲良くひとつ場所でお店をしてる。
どこもがしっかり繁盛してて、ずっと仲良く長続きする。しかもお店を継ぐ人に恵まれている…、ってなんてシアワセなんだろうって、ニッコリします。

そのシアワセのおすそ分けをもらいましょうと、やってくるお客様で開店とほぼ同時のお店がもうほぼ満席。
残った席をもらって座る。
L字のカウンターの角の席で、お店の人の手元までもが見通せる一等席で再びニッコリ。
ここで一番人気の「メンチカツと生姜焼きの盛り合わせ」を選んでたのむ。
たのむとカウンターの上にカラーチップが置かれるのです。緑色がボクのたのんだメンチ生姜の盛り合わせ。脇に白いチップが置かれているのは、半ライスという目印で、案外、半ライスの人が多いのにちょっとびっくり。
見れば確かにアラフィフ世代が目立ってました…、ボクもそう。

ココのメンチカツはパン粉衣がおいしいカツ。メンチの中身は粗みじんの玉ねぎがたっぷり混ざったほっくりタイプ。

gran moriawasegran sideそこに細かなパン粉がぎっしりついて、肉の旨味を吸い込み仕上がる。
デミソースがかかってやってくるのだけれど、ソースがかからぬ端の部分のサクサク感や、揚がったパン粉のおいしさにうっとりします。
オキニイリ。

生姜焼きはケチャップ混じりのタレが甘くて、お弁当の中に入ってくれてたらステキだろうなぁ…、って思う味。分厚く、プルプルしているところもご飯のおかずにいい感じ。

出汁がしっかりきいた味噌汁。どっしりとした脂や油がおいしい料理のお供になっても負けぬおいしさ。
ご飯もパラリとおいしくて、千切りキャベツにケチャップあえのスパゲティーもどれもほどよく味わい深い。お腹もたのしく満たされて、また来なくちゃって思う昼。

 

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