カールスジュニアのミールボックス

半年くらい前だったか…、「ボクはカールスジュニアを看取る覚悟で定期的にくることにした」というようなコトをブログに書いた。
看取るとはいささか物騒な物言いで、少々反省したりしたけどそれからやっぱり一向に増えもしないし、はやりもしない。ひさしぶりに来た秋葉原の一号店は今日もガラガラ。寂しい限り。
ただ、手をこまねいているわけでもなくて、いろいろ一生懸命努力をしている。季節季節で新商品を導入したり、コラボ企画なんかをしたりもしているけれど、それでも人が集まらないというのは多分、根本的なところに問題があるのでしょうネ。その根本的な部分といえば、ひとつはロケーション…、でもそれはもうしょうがなく、もっと重要なのが価格に対して価値を見出してもらえないということ。

今更価格改定をするわけにもいかず、それで今回セット商品を打ち込んだ。
「ミール」と言う名で3種類。どれも主力商品に育てないダブルバーガーをメインにフレンチフライ、もう一種類のサイド料理にクッキーがつく。この「クッキーがつく」という部分がどうにもこうにも居心地悪く、注文一つでフルコース的に食べられる…、みたいなノリで決まったのでしょう。
でもアメリカ的にはそうでも、カールスジュニアを求める層には無駄に感じる。ぶっちゃけ、機内食的発想に商品企画者のセンスの悪さを思い知る。
箱に入ってやってくる…、というのだけれど、やってきた箱を見てぶったまげます。深い箱。おそらく折りたたんだり折り返したりしなくちゃいけない何かを忘れてしまったのでしょう…、中に入った商品をみるのに覗き込まなきゃいけない。笑っちゃう。

中身を一旦とりだして、箱の壁面を折りたたみあるべき姿にして戻す。
やっぱりこうして提供するべきものなんでしょう…。
中身がみれてホッとする。
それにしてもホットドッグの形の独特なコト。上がぺちゃんこ。ソーセージがロールブレッドにめりこんでいる。グリドルであっためたのかけれど焦げ目が付いてるわけじゃないのが不思議。ケチャップぷちゅりでパクっと食べる。
ハンバーガーはやっぱり旨い。アンガスビーフを使ったプレミアバーガーばかりを推しているけれど、普通のハンバーガーでこれだけおいしいのだから、それを全面に出せば価格競争力もつくだろうにと思ったりする。わからない。
おかわり自由のドクターペパーをグビグビしつつ、フレンチフライをむしゃむしゃパクリ。クッキーだけはお土産にする。

それにしても本当にさみしい景色。これからどう展開をしてくんだろう…、って心配になる。お店のムードはかなりアダルト。今までのファストフードチェーンとはムードを変えた、ブルックリンスタイルとでもいいますか…、流行りのインテリア。
ただこのスタイルのファストフードのお店はどこも苦戦続きのように思える。
カールスジュニアにタコベル、ゴリラコーヒーと店の写真を並べてみるとどこがどこだか区別つかないほどに似ている。そうだ…、ファストキッチンの一部を乗っ取り店を増やしている最中のウェンディーズも同じスタイル。今、絶好調と言われてるマクドナルドも利益を出すため切り捨てた店舗の多くがブルックリン風なインテリアにした店だった。ファストフードにはファストフードとしてふさわしい店の作り方があるんだろうなぁ…、って思ったりする。むつかしい。

 

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コメント

  1. Eiko

    閉店したマクドナルドのブルックリン風…ハッとしました。確かにそうでした!

    飲食業態を複数持っている企業のPRをやっていると、時々何が正解か、ブランドによって本当に違くて、混乱します。
    年代によって感じる違い、土地によって感じる違いもあるでしょうしねぇ…

    • サカキシンイチロウ

      Eikoさん
      ブルックリンスタイルで成功しているお店もあります。カフェや食品物販のお店に多いように感じます。
      業態、場所によって何が正解かはむつかしいですね。ただカールスジュニアに関しては、カリフォルニア生まれなのになぜ、カリフォルニアスタイルでなかったのか…。
      なんで、まだ評価もはっきりしない流行りにのってしまったんだろう…、って不思議に思ってしまいます。

  2. M

    えーと、僭越ながら、女性目線からの、行かない理由です…。

    カールスって、向こうではお色気CM路線で売ってますよね。

    サカキさんがフーターズについて仰るようなカリフォルニアの明るいお色気ならまだ良いんですけど。
    (パリスヒルトンやら金髪のモデルがボンネットでのけぞりながらバーガーを食べるなんて、もはやバカバカしすぎてギャグです…)

    日本で秋葉原に1号店と聞いたとたんに「女性客は切り捨てたんだな」と思いました。

    カリフォルニアの湿度の低さや明るさと対照的な、メイド喫茶方面の街とお色気肉屋の組合せが、極端にいえばノーパ〇しゃぶしゃぶのような湿度と匂いを彷彿とさせまして…。女性が一番敬遠する気配です。

    別に、完全に男性客のみターゲットのバーガー屋として上陸させ、日本で採算のとれる見込みならそれはそれで全然良いんですけど。

    コンセプト・ターゲット・立地・インテリアetc.色々なものが噛み合ってない気がします。

    • サカキシンイチロウ

      Mさん
      もともとマクドナルドとの差別化のため、大人市場をターゲットにしたのがカールスジュニアでしたものね。お店によってはアルコールも出していたりした。
      そのカールスジュニアが日本にくる…、というニュースがでたとき場所はどこだろう?ってすごく気になりました。
      六本木ならアダルト路線。
      渋谷や原宿なら女性も巻き込んで新しくおいしいものに敏感な人がターゲット。
      …、と思っていたら秋葉原(笑)。
      こりゃ、大盛りラーメンとハンバーガーを一緒くたに考えちゃったんだなぁ…、ってもうその瞬間に「駄目」を感じました。
      そしてその選択は想像以上に厳しい結果になったようで、もうすっかりニュースになることすらなくなっちゃいましたよね。
      ロケーションって大切です。
      どんなに我慢しても、コンセプトが発揮できる場所を選ばないとありとあらゆる努力を無駄にしてしまう。飲食店の出店に関する本を書くとしたら、最高の反面教師として紹介できそうに思います。

  3. きょうちゃん

    カールスジュニアだ!!
    再上陸してたんですね。
    雰囲気全然変わってる。

    すんごい昔、大阪城公園の近くにありました。
    ライブ前とかに、明るい西海岸ムードが楽しかったなあ〜。お客さんは女の子が多かったです。
    ハンバーガーも美味しくて好きだったんですけどね。

    お店、出来立てはどこも美味しく楽しい。
    維持するのが一番難しいことなんでしょうか。
    或いは、日本ではやっぱり無難が受けるのかしら。
    モスも、メニューは変わったものあるけど
    醸し出すものが無難になって来た気がします。

    • サカキシンイチロウ

      きょうちゃんさん
      大阪にありましたよね…、ファミレスチェーンのフレンドリーが契約して一生懸命がんばった。
      とてもアメリカ的にがんばったんだけど、時期がちょっと早かったのかもしません。会社をかえて再契約。外食とは無縁の会社で、それでかいろいろと飲食店としては「?」マーク満載なことをやり続けてしまってる。
      もったいないなぁ…、と思います。
      変化球を繰り出すにしても、オーソドックスがしっかり定着してからでないとキワモノになってしまう。長続きするには基本をしっかり…、なんじゃないかと思います。

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