カフェのバフェ

昼の贅沢。とびきりのバフェ。西新宿のハイアットリージェンシーホテルの「カフェ」でバフェをたのしむ。カフェと言ってもれっきとしたレストランで、大きな窓から西口中央公園を見通せる、屋内にいてテラスのようなロケーションがカフェな感じでそれでカフェ。

cafecafe silversオープンキッチンがお店の真ん中に設えられてて、できうる限り出来立ての料理をどうぞ、というバフェ。料理の種類は多くはないけど、おいしい料理を楽しめる。

テーブルの上にはズラリと、ナイフフォークにスプーンが並ぶ。分厚く大きな布のナプキンと食卓の景色も贅沢。
お店のそこここでスパークリングワインを開けて乾杯をする人たちがいて、そんな気持ちになるのも当然って思ったりする。

テーブルにつくと、まずは飲み物を注文します。
バフェで飲み物がセルフサービスじゃないのはちょっと珍しい。
ただ、飲み物をキレイにしかも安全にサーブするのはプロでも緊張する作業。それをお客様に任せてしまうのはしのびなく、しかも飲み物のグラスやカップがお代わりをねだってないか、テーブルの上の状態を観察できる目印にもなる。
汚れたお皿を下げる時に、そっとグラスの様子をみつめ、そろそろお代わりをお持ちしますか?と一声かけるキッカケにもなる。
作業ただの作業にさせない。作業をサービスにさせるためのこだわりなんだ…、と思うとステキ。
トニックウォーターレモンをたっぷり搾ってもらった冷たい飲み物たのんで、早速料理を取りにバフェキッチンへ。

cafe curvingcafe usugiriバフェサービスのスタートとほぼ同時のタイミングで、それで前菜やサラダが並んだところはスゴイ行列でした。
それでお行儀悪くはあるけれど、ローストビーフをまずたのむ。

ここのメインはローストビーフ。
ランチの営業がはじまったばかりだから、さすがにカービングコーナーはまだ静か。
薄切りにしてもらって一枚。クシュっと丸めてお皿の上に置いてもらって、サイドに牛肉の端材を使って炊いたピラフとカレーを垂らす。

ローストビーフって不思議な料理。熱を通した一本の塊牛肉。端のベリーウェルに仕上がったところは別として、どこを食べても同じ食感、味がするはず。…、なのだけれど、その切り方でまるで違った料理になる。

cafe rbcafe atsugiri薄切りにすると、ねっとり、舌から歯茎、前歯、奥歯に口蓋と口の隅々をなで回しながらからみついて消えていく、肉感的な料理になる。
エロいのですネ。
あまりにエロくて、惚けた顔をしているんじゃないかしらと、顔を赤らめ周りを見回し、顔を思わず伏せてしまいそうになる。
そんなおいしさ。

それをほど良き厚さに切ると、前歯を巻き込み千切れるものかと抵抗をする歯切れ感をたのしめる。
肉を噛み切るという行為に伴う「征服欲」が満たされる感覚。
ジュワッとほとばしり出る肉汁の旨味に軽い酸味。
そこにホースラディッシュが混じってスカンと口から鼻へと突き抜ける、明るい風味の爽快感。
口の中に繰り広げられる様々な味わい、食感、風味を感じ、溺れる余裕に満ちたおいしい体験。

例えばそれを1センチ以上の厚切りにしてもらったりすると、もう何が何だかわからなくなる。
普通に切ると征服欲を味わえた。それが一転、肉に征服されてしまうような感じに陥る。
口の中が肉で満たされ味わうどころの騒ぎではなく、なのにこの上もなきシアワセに満たされる。味でなく感触。ステーキで味わうことのできない口という器官がその内容物である肉と一体になるたのしさにしばし溺れて、この世に戻る。

当然、ローストビーフばかり食べていたわけではありませんで、前菜のコーナーが落ち着いた頃合いで野菜やオードブル。

cafe apetizercafe ppロメインレタスにモルタデッラを寄り添合わせ、ドレッシングは使わず塩とオリーブオイルを注いで食べる。
小さなモツァレラ、トマトにスモークサーモンとお腹を賑わすにほどよい量を盛り付ける。
握り寿司があり、ネタは何かというとこれが合鴨ロースト。バルサミコを詰めたソースをかけて照りだし、風味をズッシリ整える。おいしゅうござった。

ちなみにバフェカウンターを、完成品としての料理が並んでいる場所と思って選ぶと、みんなが食べてるものしか食べることができない。
バフェに並んでいるのは最終仕上げを待つ食材。
そう思えば想像力を働かせつつ、縦横無尽に組み合わせ自分の料理をつくり上げることができるワケです。
からすみで風味をつけたタリオリーニにグリルしたタケノコあわせてギオットーネの料理のように仕上げたパスタ。ミネストローネにサラダ用にとシェイブされてたパルミジャーノをたっぷり乗っけて、フォルマッジョピザと一緒に食べる。チーズの旨みにウットリします。

cafe musselcafe sakana小さな鉄板がキッチンの片隅にあり、そこで大抵魚が焼かれる。
今日はムール貝でした。
オリーブオイルをほんの少々垂らしただけで、時間をかけてじっくり焼く。自分の中の水分を蒸発させつつ、再び自分の体に蓄えドッシリとした旨みの塊になっていく。
焼いた貝は本当においしい。
しかもむっちり。噛めば噛むほどに旨みが口に広がっていく。

それから魚。タイのソテ。
赤と黄色のパプリカをキレイにちらしてお皿に飾る。バターでもったりさせたソースをちらして仕上げてみると、これがキレイに見えるのですね。前菜料理は別として、メインの料理はひとつのお皿にひとつの料理。すると料理がおいしく見える。バフェの料理をレストランの料理のように味わうためには、そういう工夫も必要かなぁ…、って思ったりする。

cafe soup珍しいコトにパスタコーナーにスープヌードルの用意があった。
汁麺があると不思議とお腹が安心するのが日本人を含めてアジアの人たちの性でしょうか…、人気があった。
しかも食べてみればコレがおいしい。スッキリとした塩味スープの最後の仕上げにパラリと海老の卵の粉末散らす。
スープがおいしくておいしくてしょうがなくって、麺を食べて残ったスープを、なんとか料理にしようと思ってご飯をボウルに少しだけ。
鯛をソテを上に乗っけてフォークの背中を使って崩す。崩したそれをご飯と一緒にスープに投入。上にパラリとパクチー乗っけて、スープご飯にして食べる。

いやはやこれがおいしくて、たべはじめると止まらない。
もともとおいしいスープの中に、焦げた魚の風味であるとかバターソースの旨みがまじり、しかも麺と違ってスプーンですくって食べていくから、口の中がおいしいスープで満たされる。油をまとったご飯の粒が舌の上でカラコロ転がる様もおいしい。オゴチソウ。

cafe finiさて、デザートの盛り合わせ。
おいしいモノをたくさん食べた時には不思議と、甘いもので食事を終えたくなるものです。
お腹がほとんど一杯なのに…。
別腹っていうのは、女性のお腹にあるだけじゃなく、56際のおじさんのお腹の中にもあるものなのネ。
食べ始めると、ググッとお腹が動き始める、オモシロイ。

アイスクリームをバニラと抹茶。
ネットリとしたなめらかに、お腹の中がキリッと冷える。
ザックリとした生地がザクザク崩れて、ぽってりとしたカスタードクリームと混じってとろけて消える、シュークリーム。
チョコレートソースがあればおいしいプロフィットロールになるんだろうに…、と思いながらもカプリと食べる。
ブランマンジェにイチゴのソース。
胡麻のムースの上にのっかったイチゴがまるで赤唐辛子のように見えるのにちょっと笑って、じっくり時間をかけて味わう。アールグレイをポットでもらい、お腹をやさしくあっためてポットが空になるまでユックリおしゃべりします。アリガタシ。

 

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