オステリア・ナカムラで今年を〆る!

2016年も残り2日と6時間ほど。今年最後の本格的な外食をオステリア・ナカムラでしようといそいそ。同じような気持ちの人がたくさんいるのか、お店はニギヤカ。ほぼ満席。
カウンターの一番端のいつもの席をもらってお腹をならす。だって目の前で次々料理が作られていく。おいしい匂いに目に麗しい姿形。料理を愛おしげに仕上げるシェフの仕草に姿。目の前を通り過ぎていく料理のすべてを、味見したくなるような一等席です。
あれを食べたい、これも食べたいとメニューを見ながら迷いに迷って今日のメニューをキッパリ決める。ワインを抜いて料理を待ちます。さて一品目。

カリフラワーをピュレにして、ポッテリとした冷たいスープに仕上げたモノ。
上にタップリ。
丁寧にひいたブイヨンのジュレをのっけて一緒に味わう。

ヒヤッと冷たく、なのに舌にのっかる食感はやさしくおだやか。
ブイヨンのジュレはたちまちとろけて、カリフラワーのふっくらとした泡のような食感だけがずっととどまる。
とどまりながら、ユックリ消えて旨味と香りだけを残してなくなっていく。
確かにお腹が空いているんだ…、と改め気づかせてくれるようなよきスターターにウットリします。
焼けたばかりの熱々のパンをお供にワインをゴクリ。今日も昨日も一昨日も、おいしいワインを飲めるシアワセ。来年も仕事を一生懸命がんばらなくちゃネ…、ってしみじみ思う。

明日からしばらくこの店も正月休み。売り切れ食材がいくつかあって、ココで最近大抵たのむ牛モツ煮込みが残念ながらすでに売り切れ。代わりにトリッパ。最近ご無沙汰のオキニイリ。
トリッパの内臓肉に独特の匂いを極力残したままで、トマトの風味とオリーブオイルの香りで匂いをおいしくさせる。よく煮込まれて口に入れた途端にプルンとゆったり揺れる。噛むとクニュっと歯茎を撫でつつクチャっと潰れる。潰れてとろけてしばらくねっとり、口の隅々撫で回す。
白いんげんのホツホツ砕ける食感が、ネットリとしたトリッパならではの噛みごたえや歯ごたえを引き立てずっと食べていたくなるオゴチソウ。チーズをタップリほどこして、お皿に残ったソースもきれいに食べていく。

パスタを2つ。
一つはバターとチーズのフェトチーネ。
クニュクニュ、歯ごたえたのしいパスタにバターの風味とチーズの旨みが見事にからむ。
しかもそこにタップリ、トリュフを削って散らす。
トリュフ独特のすえたような匂いが不思議においしくて、パスタにからんで口に入るとザクザク歯切れる感じもゴージャス。

それにしてもこの店でトリュフを食べるのはおそらくはじめて。
今まで出会うことのなかった食材でした。
クリスマスから新年に向けての特別な時期。その特別を素材に変えるとトリュフやフォアグラ、キャビアのようなモノになるに違いなく、中でもココのどっしりとしたクリーム系のパスタやソースにトリュフはピッタリ。
堪能します。

もう一種類は魚介類のラグーのパスタ。
イカをメインにトマトと一緒にジックリ煮込んでミートソースのように仕上げる。料理を仕上げているあいだじゅう、ずっと魚のおいしい匂いが厨房の方から漂っていた。
パスタは角張った食感たくましいリングイニ。ソースをからめてパクリと食べると、口いっぱいに海の幸の香りがしてくる。ホツホツ、潰れたイカが奥歯を叩いて潰れる。その食感も肉感的で、あと一皿、ふた皿くらいは簡単にお腹に収めることができるに違いない…、って思ったりした。オキニイリ。

メインをカジキマグロのカツレツにする。考えてみれば昼も揚げ物。揚げ物以外の料理もあれこれあるのだけれど、ココで一番のオキニイリがカジキのカツレツ。今年の〆のイタリア料理でございますゆえ、食べたいものを食べることにする。
とは言え、とんかつ屋さんのカツとイタリア料理のカツレツは似て非なるモノ。細かなパン粉をギッシリつけてオリーブオイルでさっくり揚げる。パン粉衣で包まれてまるで蒸されたように仕上がるカジキ。魚の香りがほのかに漂い、軽い酸味を帯びた肉がフワリとほぐれてく。
ルッコラ、トマトが風味をそえて、レモンをタップリ搾って食べるとスッキリお腹に収まっていく。魚なのにその食感はどこか鳥の胸肉のようでもあって味わい深さにウットリします。

甘いものでお腹を蓋をすることにする。
ワインでお腹の芯まで温まってって、それで冷たいものを気持ちが所望する。

洋梨のシャーベットがなんとメニューにあって、まずはそれ。
和梨は苦手。ザラザラしていて水っぽく、けれど洋梨のネットリとした食感と独特の果肉の香りがどうしようもなく好きでそれのシャーベットがあるのであれば食べないわけにはいかないワケです。
さっぱりとした酸味。
口の中でたちまち洋梨のジュースになっていく儚さもまたおいしくて、あっという間にお腹に収まる。

もう一種類、いちごのパフェ。バニラアイスクリームにホイップクリーム。砕いたメレンゲが口の中でひとつにまじり、シュワシュワ、メレンゲがとろけていくのがとてもたのしい。メレンゲがとろけながら口の温度が一瞬あがる。それをイチゴやアイスクリームがヒヤッとさせて、消えていく。
エスプレッソをゴクリと飲んで、今日のよき夜をニッコリ寿ぐ。来年もいい一年でありますように…、と挨拶をして家路につきます。ゴキゲンに。

 

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