オステリアナカムラを心おきなく堪能する夜

ひさしぶりに「オステリアナカムラ」にやってくる。
オキニイリのイタリア料理の専門店。六本木の国立新美術館の近くのこじんまりとしたレストラン。
昔は六本木交差点の近くにあって、今の場所に越してきたのが10年以上前。当時は夜になると真っ暗になる町外れ。ミッドタウンやバーニーズができた今でも都心らしからぬ静かなムード。
「ナカムラさんちのごちそう」をゆったりとした気持ちでたのしむのにぴったりな場所ってニッコリします。
ゴールデンウィーク中は忙しかったの…、ってマダムがいいます。明けて昨日と今日は静かでちょっとホッとしてるのよねって。今夜はボクらを含めて二組だけ。ほぼ厨房を独り占めって感じのなんともシアワセな夜。
ホワイトアスパラガスを茹でてもらって茹でた玉子のソースをかけた一品をまず。

半熟のゆで卵を切り器の中でお酢と油と塩と合わせてかき混ぜる。生の玉子で作ればマヨネーズになっていくに違いなく、ほのかに熱く酸味と旨味のバランス絶妙。アスパラガスの甘み、渋みを引き立ておいしくなるのは当然。パンにのっけて食べてもゴチソウ。今度真似て作ってみよう…。
生のイワシの骨だけ抜いて、ワタをもどしてマリネする。それにぎっしりパン粉をまとわせこんがり揚げたイワシのフライ。ソースいらずで味わいしっかり整うことにびっくりします。カラッと揚がった衣がザクザク、前歯で壊れる騒々しさがまたオモシロイ。
新鮮な牛モツをコトコト煮込んだ料理はサクサク、むっちり、ネットリと食感多彩で味わい濃厚。ワインがすすむオゴチソウ。

パスタをふたつ。
まずペペロンチーノアリオリオ。
たっぷりのレモンを絞って酸味をつけた初夏バージョン。
レモンの香りがまず鼻くすぐって、口に含むと赤唐辛子が舌をつねってビリビリ辛い。
ただ辛味も酸味と一緒になると、不思議なことに甘みを舌が感じるのです。レモンの軽い渋みもほどよきアクセント。

それからニョッキ。ゴルゴンゾーラチーズのソースで仕上げたもので、むっちりとしたじゃがいもニョッキにネットリ、チーズソースがからむ。ソースの色が緑がかって見えるようにかなりカビの強いチーズで、ピリピリしびれる。香りも濃厚。カビの痺れが旨味をひきしめ、残ったソースをパンで拭ってお皿はピカピカ。メインディッシュがやってくる。

豚肉のカツレツのピッツァイオーラ。厚めの肉をかなり強めのこんがり揚げて、トマトソースと一緒に煮込む。カツレツだけを一度引き上げお皿に移し、煮込んだソースをカツレツの上に塗りつけるようにみっちりのせて出来上がり。
トマトの自然な甘みと酸味がパン粉衣に染み込んで、舌触りの第一印象はしっとりやさしい。ぶた肉の白身はザクッと歯切れてジューシー。脂を抱いた背中近くはクチャっと潰れて脂がジュワリ。カツレツ好きで今までいろんなカツレツを食べてきたけど5本の指に入る逸品。サイドに添えたじゃがいもとブロッコリのマッシュ仕上げとの相性も良い。
〆にイチゴのデザートもらう。カリカリに焼いたメレンゲを土台にしアイスクリームにホイップ、イチゴを積み重ねみずみずしくてなめらかで、乾いたメレンゲさえもがトロンと口の中でとろけるおいしさ。満足しました…、また来よう。

 

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