エスカレーターでいけるパリから、三原堂の宇治金時

池袋にはエスカレーターに乗って行けるパリがある!
駅の西口に池袋演芸場が入るビルがあり、演芸場の入り口横にパリの入り口。
扉の前に立つと自動でパカンと開いて、すぐ目の前にエスカレーター。頭の上にはシャンデリア。エスカレーターにのって二階に向かえばそこはすっかり異世界。
「カフェド巴里」という喫茶店。
モールディングがほどこされた天井に壁。手入れの行き届いたシャンデリア。肉感的な彫像に魚が泳ぐ水槽、そしてモケット生地の猫脚の椅子と、これが果たしてパリ的かどうかはにわかに判断できず、もしもパリに池袋があるとするならこういう場所かもしれないなぁ…、と思って笑う。オキニイリ。
お店の人の働きぶりはとても丁寧、同時に的確。水槽の手入れって大変じゃないですか?って聞いたら「隔週土曜日が掃除の日になってるんですよ」って答える。感心です。

アイスコーヒーを注文したら真鍮製のマグに入ってやってくる。
マグはしっかり冷やされていて細かな霜がビッシリ張り付き、持ち上げた手から伝わる温度がおいしい。
ミルクを注ごうとピッチャーを傾けたら、とろりと重い。ミルクじゃなくてエバミルクが用意されてて氷の上にしばらく漂いゆっくり混ざる。どっしりとしたコクがビターなコーヒーをふっくらやさしい味にする。
パソコンを開く人はほとんどおらず、多くの人が新聞見たり本を読んだりしているところ。
池袋という街の性質か、あるいはたまたま今日がそういう日だったのかわからないけど空気がおだやか。悪くない。しかもアイスコーヒーが580円というほどよい値段。ありがたい。

 

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池袋から帰る前に甘いものを食べておこうと「三原堂」。
ロマンス通りの入り口を眺める場所にある店で、一階売店、二階が茶店。
自分であんこを生地にはさんで仕上げる手作り最中が好きで、大抵それを食べてる。
パリッと歯切れてざっくり壊れる乾いた生地がおいしい上に冷たい抹茶までついてくるのがお得な料理。
今日もそれに心惹かれはしたけれど、気持ちは夏です。
しかもここはかき氷の種類が豊富でどれもが1000円前後のお得な値段。宇治金時を選んでたのむ。
抹茶茶碗のようなボウルにこんもり抹茶をまとった氷。白玉3個にあんこがたっぷり。添えられているシャベルの形のスプーンがかわいい。氷の山をシャベルで崩して戯れる…、って感じがたのしい。これで950円!良心的な値段です。

氷は細かく、けれど若干ザラッとしていてみずみずしい。
抹茶を溶かしたシロップじゃなく、砂糖と混ぜた抹茶の粉をパラパラちらして仕上げた氷。だから一瞬、舌が乾いたように感じる。抹茶の粉が口の水分を奪ってしまうからなんでしょう…、しばらくすると乾きが収まり溶けた氷に抹茶が混じって、口が潤う。
苦味、渋みがくっきりしていて甘みが後からやってくる。
小豆が硬めに仕上がったあんこは甘くて、豆の風味が力強い。
氷の山をシャベルでどんどん掘ってくと底にもやっぱりあんこがあって、氷とあんこ、抹茶の粉をよくかき混ぜて食べるとトロンと抹茶の味のシャーベットになる。ボリュームたっぷり、なのにサラッと食べられる。オキニイリです、さぁ、帰ろ。

 

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コメント

  1. よおぜふ

    色のしっかりした宇治金時〜と思いましたら、パラパラタイプだったんですね。
    サカキさんの実況?で、ちゃんとお口がパサパサ〜しっとり、シャーベット状のものが、エア味わい出来ました。ほろ苦さと甘みがたまりませんね〜(食べたのかい!)。

    • サカキシンイチロウ

      よおぜふさん
      ひと口食べて飛び上がるやつです。
      よぉくみると抹茶の粉が氷の上にふいたようになっているからわかりそうなものなんだけど、かき氷と言えばみずみずしくてなめらか…、って思うこんでしまうからびっくりしちゃう。
      サプライズに満ちたゴチソウと思えばこれも粋な食べ物ですね。
      宇治金時といってもいろんな種類があるのがたのしい。日本の料理の多彩なことには感心させられます。

  2. よおぜふ

    本当にいろいろな発想があるものですね。
    神楽坂の抹茶餡のお菓子も色合いが濃厚そうなこと!
    一度味わってみたいものです。
    浅草の、いろいろな濃さの抹茶アイスを揃えているお店は行かれましたか?
    いつか食べ比べてみて、濃さMAXのものは必ずチャレンジしてみたいなぁと思ってます。

  3. サカキシンイチロウ

    よおぜふさん
    壽々喜園さんですよね。
    そちらには行ったことがないのですが、青山に「ななや」という静岡県の「丸七製茶」さんが経営する同じようなアイスクリーム屋さんがあって、そこには何度か行ったことがあります。
    一番濃いアイスクリームを食べると最初はスイーツと思えぬほどに苦くて、なのにどんどん甘みがまして口が爽やかになってくのにびっくりしたことがあります。

    • よおぜふ

      なるほどなるほど。
      やはりサカキさんご存知でしたね。
      フラボノイド?でしたっけ。
      爽やかさと苦味と、そしてやってくる甘み!
      浅草行きは少し後になりそうなので、ふるさと納税で(あったような?)お試ししてみたいなー。
      ちょっと、カカオの濃度の高すぎるチョコレートみたいですね。
      100%はダメでした(笑)

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