よくなりました!四谷の嘉賓

さて、今日の夜。
ニュースでは日本全国、激しい雨が降っているというのに東京の街にはポツポツ程度の雨しか振らずちょっと歩いて四谷までくる。
「嘉賓」に来ます。昔からずっとここでやっている店。メニューも人もほとんど変わらず。
広東料理の名店で、だからどんなに世間ではやろうと担々麺とか麻婆豆腐のような得意じゃない料理は売らない。そういうたのしい頑固がステキ。
ひさしぶりに来てみればほぼ満席というにぎやかさ。「にぎやかだね」ってお店の人にいったら「金曜日ですから予約もたくさん頂いたんです」…、と。なるほど今日は金曜日。すっかり曜日の感覚がなくなっちゃってた。大きく息をすいこんで肩の力を抜きディナーのスタート。

メニューはほどよく揃っているけど、注文するのは10種類ほど。オキニイリがすっかり決まってしまっているのです。
いつもたのむのは「中エビの炒め揚げ」。卵色してふっくらとした衣をまとわせ揚げて炒める。炒めるときに塩やネギの風味をまとわせ余分な油を揮発させつつ仕上げてく。サクッと歯切れてフワッととろけ、中ではエビがブルンとはじける。
そのまま食べてもおいしいのだけど、お酢に胡椒をたっぷりまぜて軽く浸して食べると油が甘く感じてなおおいしい。
それからお粥。中国の粥はぽってりもったり、壊れたお米が粘るような食感の店が多いけれどもここのはサラサラ。スープの中にお米が混じったような出来栄え。だからサラサラ、お腹をやさしくあっためる。ネギの油に鶏ガラスープの旨味どっしり。薄切りにしたアワビがたっぷり入ってて、料理の合間に食べると口がリセットされる。

もしかしたら調理人がかわったのかなぁ…、味がクッキリしています。
塩味がメインの料理が多くって、味噌や醤油をあまり使わず仕上げているから「塩梅」ひとつで料理が変わる。
今まで以上にきっぱりとした鮮やかな味。塩が過ぎる直前まで使われていて、素材の味わい、旨味をしっかり引き出している。
厨房の中から調理長らしき人がときおり顔をのぞかす。
客席の様子を確かめ、厨房の中に帰って仕事を続けるのだけど、いままでそういうことはなかった。お客様の表情みたり、客席の空気、気配を感じながら料理を作ろうとする人の作る料理はおいしく感じる。
いいことだなぁ…、ってしみじみ思う。

そしてここの名物料理。牡蠣の和えそば。
極細の麺。縮れずストンとストレート。蒸した麺にネギの油とオイスターソースをかけまわしつつ和えて仕上げる。具材はほぼなく、麺の食感、風味に味を楽しむ料理。ザクザク歯切れ、口の中で散らかる感じがたのしいうえに牡蠣油の味わい、風味が口いっぱいに広がっていく。
はじめて食べたときには「麺だけかよ」ってビックリしたけど、食べはじめると麺以外のものがあっても邪魔になるだけって思ってビックリし直した。このそばとおかゆの組み合わせは無敵でござる。今日も堪能いたします。

スープやソースをグイグイ肉に揉み込んでそれを玉子と一緒に炒めたオムレツみたいな料理もおいしい。油をゴクゴク飲み込むようにふっくら仕上がる玉子が旨い。プルプルとした弾力のある肉にはオイスターソースの味が染み込んでいる。ビールがすすむおごちそう。
野菜は何が?って聞いたら今日の豆苗は旨いという。たのんでみれば細くて太さが揃ってて、しかもシャキシャキ、元気な食感。中からザクザク粗微塵にしたニンニクが飛び出してくる。明日はお休み、容赦なく食う(笑)。
豆鼓で炒めた野菜とつぶ貝。クニュクニュとした貝の食感、味も旨いが一緒に炒めた玉ねぎ、パプリカ、ピーマンが甘くシャキッと歯ざわりよいのにウットリします。忙しいのに料理が出てくるスピード感もなかなかでした。昔からある馴染みの店が、老いずしおれずずっと繁盛してくれること。なんてシアワセ、ありがたし。

 

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コメント

  1. めるば

    ご実家は大丈夫でしょうか?

    • サカキシンイチロウ

      めるばさん
      高松の市街地の住まいなので無事ということでホッとしております。またまたボクの妹が里帰りをしていたこともあり、さみしくはない…、というコトでした。
      3日続けての大雨。
      食べるものは大丈夫?と聞きましたら、備蓄がばっちりあるからという心強い返事。ご心配、ありがとうございます。

  2. めるば

    ご無事のようで良かったです。食糧も大事ですが破傷風などの感染にはくれぐれもご注意を。

    • サカキシンイチロウ

      めるばさん
      伝えておきます。かさねがさねありがとうございます。

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