よかよか?よかよか

yutakucho東京駅の近くで軽く打ち合わせ。終わってちょうど昼食時で、有楽町までブラブラ歩く。
どこにしようか、ちょっと思案したのです。
東京駅の丸の内側を出て、郵便局のビルの地下をブラブラまっすぐ南に向かう。2本の超高層ビルが地下でひとつにつながっていて、フードコートやらレストランが次々姿をあらわしていく。
さすがにランチタイムのまっただ中で、どこも満席。
待ちの行列ができていて、しょうがないから歩いて有楽町まで行ってみようと。
東京フォーラムの公開空地にはフードトラックが4つ出ていて、けれど一時期に比べて随分、さみしくなった。
冬という季節も影響しているのかもしれないけれど、フードトラックの内容もどこかぱっとしなくてそこはスキップ。
空地を突き抜けビックカメラの地下には、シュウマイがおいしいお店が一軒あって、けれどそこにもスゴい行列。そろそろどこかの行列についておかないと、昼ご飯を食いっぱぐれてしまうかも…、と思うもちょっとまた散歩。
ガード下にある立ち食い寿司のお店も一杯。
ならばと結局、交通会館の地下に来る。

熟し加減がいい店がたくさん揃った食堂街。
甘味屋さんの焼きそばが案外おいしく、まずそれが第一候補。もし空いてれば、おじぃちゃんが一生懸命作る醤油ラーメンもおいしいし、あるいは不思議な仕上がりの皿うどんもいいじゃないかと思って地下をノシノシ歩く。
歩きながら、こんな張り紙を発見しました。

yokayokayoka「麺柔」はじめました!
冷やし中華でもかき氷でもなく、柔らかい麺を始めましたという張り紙が、博多うどんの「よかよか」の券売機の脇に貼られて、ボクをしたたかさそうのです。

やわらかいのが特徴と言われる博多のうどんのお店。
けれど本腰入れてやわらかくしようとすれば、もともとやわらかく茹でられたうどんを仕入れてくるか、あるいは30分とか40分とか茹で続けなくちゃいけない。
だからそういううどんのニーズの少ない東京では、なかなか根付かぬ料理のひとつ。
ここも若干、やわらかさでははてなマークのつく店で、そこがとうとう、やわらかうどんを売ることにした。それは食べなきゃいかんでしょう…、と、食券買った。
今日のランチは肉にちくわの天ぷらがトッピングとしてついて、お供にかしわ飯。漬物がつき700円というのでそれを買ってたのんだ。
カウンターで柔麺でとお願いすると、やわらか麺にしてくれる。「お時間少々、頂戴します」と言われるところに、ちょっと期待をして待った。

yoka udonyoka side20分とか30分とか待たなくちゃいけなかったらどうしよう。
そうだとしても、博多のうどんを食べさせてくれるのならば、それも良しと覚悟を決めてぼんやりしてたら、ものの3分で出来上がり。

ちょっと膨れたうどんです。
柔らかくはある。
けれどヌルンとしたなめらかさがあるかというと、決してそんなこともなくお湯を余分に含んだうどん。
だからでしょうね。出汁が薄くて、「出汁をお湯で薄めた出汁」を飲んでるみたい。
うどんにからむようなこともなく、あぁ、残念。博多うどんは麺がやわらかいうどんじゃなくて、出汁がおいしいうどんであるはず。その本質を見事にはずして、残念至極で涙が出てくる。
かしわ飯はそこそこおいしい。けれどカウンターの壁に張り紙。そこには「博多のうどん屋では、かしわを炊き込んだご飯をおむすびにしたものをかしわ飯と呼ぶ」と、おそらく地元の雑誌か何かの切り抜きでしょう。それが堂々はられてて、ならば握れよ、と思ったりする。関門海峡はなかなか超えるに越えられぬ、罪な存在。そう思う。

 

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cc移動までの時間が少々あったので、交通会館の近所のビルの地下一階。
クリスピークリームドーナツにくる。
南新宿に一号店ができたときには、熱狂をもってもてはやされたものであります。
1時間待ちなんて当たり前。
恋が成就するデートスポットなんて言われたことすらあるほどで、それってディズニーランドじゃないの?って勢いだった。
行列の果てにやっと手にした大きなボックスをうれしそうにぶら下げ歩く人が続出。みんなニコニコしてました。

今となっては、あの熱狂はなんだったんだろう…、って不思議に思ってしまうほど。
今では、いつ来ても絶対座れるほどよきカフェ。
ドーナツだっておいしいしネ…、って感じのゆるさが、むしろ好感持てる場所。今日はご婦人方のグループが、ワーキャーたのしげにおしゃべりしててなのに誰もドーナツなんか食べてないのね。
枯れ木も山の賑わいっていうと叱られそうだけど、そんな感じの営業状態。それでよしなら、それでよし。

cc donutsハートの形のドーナツを買う。
フォンダンショコラが中に入ったチョコレート生地のドーナツで、ストロベリーのクリーム、ゼリーを散らしたの。
多分、バレンタインデー仕様なんだろうと思うのだけど「黒いハート」ってなんだかかなりどす黒い(笑)。
温めましょうかと言われて、温める。
だから中のチョコがトロトロ。
割ると中からドロリととろけて、流れだす。
そのモッタリとした粘り気のある姿をみながら、「あなた随分、血がドロドロね。食生活を節制しなくちゃ、循環器系がボロボロになっちゃいますよ」と、人間ドッグにいつも言われるコトをつぶやき、笑って食べる。
今日は解体ショーではなくて、オペでござんす。黒いオペ(笑)。
チョコはビターで酸味が強く、生地の甘さをほどよくなだめる。ストロベリーの酸味と香りが印象華やか。見た目の黒さを裏切る明るさ。悪くないなとまた笑う。

 

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コメント

  1. i1470

    「博多うどんはなぜ関門海峡を越えなかったのか」面白く拝見しました。
    私は、うどんだけでなく麺全般、食べる時にコシを求めていて、柔らかいイコールのびた麺というイメージしかなかったので、目から鱗でした。
    「…越えないのか」でなく「越えなかったのか」というタイトルも読むと納得なのですが、東京で食べられないことと相まって、博多に博多うどんを食べるために行く、というモチベーションが高まっています。

    • サカキシンイチロウ

      i1470さん
      ありがとうございます。
      いろんなものがわざわざやってきてくれる便利な世の中で、こちらから行かないとたのめないモノがある。
      なんと痛快でステキなコトだろうと思いますよね。
      来月は博多でうどん三昧と企んでおります。

  2. はるのにがみ

    サカキさんのおっしゃるとおり、おむすびにしてこそ、博多のうどん屋の「かしわめし」ですね。

    福岡市でも、うどん屋さん激戦区といわれるところに住んでおり、その日の気分で、お店を選んで、日常的にうどんを食べています。
    これって、小確幸のひとつなんですね。
    サカキさんの本を読んで、それに気が付きました。

    • サカキシンイチロウ

      はるのにがみさん。
      その日の気分でお店を選べる。
      何度食べてもあきないおいしさ。
      それが「福岡でうどんが好きになる」正当な理由じゃないかと思います。
      まさに、そんな理想的な環境。
      うらやましくてしょうがありません。

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