洋食かどやでエビフライ

洋食かどやでエビフライ

昼ご飯を何にしようか考えて、そうだ、父が好きだったものを食べに行こう。それで近所の「とんかつかどや」にやってくる。

kado omotekado mise父が東京にいたころに、住んでいた家の近くにあるお店。
カウンターに座敷があって、洋食店というよりも寿司屋だとか天ぷら屋さんに来たようなほっこりとした気持ちになれる。
兄弟三人が仲良く並んで鍋をふっていた家族でやってたお店で、かなり忙しいお店だった。近所に大きな病院がいくつもあって、そこへの出前が頻繁にあり小さいながらにぎわっていた。今は、そのご兄弟の中の一人でやっていらっしゃる。だからそれほどニギヤカでない自然体。残りお二人はもしや…、と思えば切ない。今でも昔のままの料理がたのしめる。それでよしといたしましょう。
たまにしかこないのだけど、いつも大抵いるお客様がいて、それ以外のお客様も近所の人やおなじみさん。
ずっと続いてくれればいいなぁ…、って思ってニッコリ。贔屓にしましょ。

kado ebiさて、今日の目的はエビフライ。
ここに来る度、父がたのんで食べていたのがこの料理。
ココだけじゃなく、どんな洋食店に行っても父がたのむのはエビフライ。思い出多い料理なんだと言っていた。
学生時代、田舎から地方にやってきた父のコト。
ナイフフォークの使い方に慣れていなくて恥をかく。
それで、仕送りのたびに洋食屋に出向いては、エビフライを食べてナイフ・フォーク使いに慣れた…、のだそうで、確かに父のエビフライを食べる時の手際の良さと、ナイフ使いのうつくしさは格別でした。なつかしい。

ちなみにココのエビフライ。細かなパン粉がびっしりエビを包み込む、がっしりタイプの仕上がりで、昔ながらの洋食屋さん的エビフライ。
ラードを含んだ揚げ油。だから衣自体が甘くておいしい。
エビも太くてムッチリしてて、それそのものが甘いから口の中がおいしい風味でいっぱいになる。ザクザク、口に散らかるパン粉をたのしみながら、もう何年もコレを食べてなかった父のかわりに堪能します。

kado pilaffそれからもう一つ。これも父の好物だったエビピラフ。
炊き込み系ではなくて炒めて仕上げる焼き飯タイプ。
フライパンで時間をかけて焼き上げる。
具材は細かく刻んだ玉ねぎ、ピーマン。玉ねぎはこんがり焦げて甘み十分になったモノ。
薄切りにした缶詰マッシュルームもタップリ入り、風味付けにとレーズン混じる。
なによりエビがたくさん混じる。
それも生の才巻海老をぶつ切りにしたのを使っているので、ご飯全体にエビの風味がまとわりついておいしくなってる。
プリプリはぜるエビの食感もおいしくて、口の中がニギヤカになるオゴチソウ。

タバスコを若干仕上げに混ぜてあり、だからピリッと大人味。
そういえば、エビフライが好きな以前に、エビそのものが好きだったんだな。
天ぷら屋さんにいっても天ぷらばかりをお替わりする。ボクと2人で天ぷら屋さんのエビを全部食べちゃったこともありました(笑)。
だからピラフもエビがタップリ入ったココのが大好きだった。エビフライをエビピラフの上にのっけて一緒に食べる。マヨネーズをポッテリ、たっぷりのっけて一緒に口に運ぶと、口いっぱいがエビの旨味で満たされる。

kado hamkado sideハンバーグも一緒にたのむ。
目玉焼きがのっかった、ふっくらとしたハンバーグ。
デミグラスソースがどっしりおいしく、これも好きな料理でした。
エビピラフにハンバーグを軽く潰してデミソースと一緒にのっけて食べると、ハヤシライスみたいになるんだ…、って料理の間をスプーンが行ったり来たり。

いくつもの料理を並べて、家族みんなで分け合い、混ぜあい食べるたのしい食卓を思い出しつつ、パクパク、ハフハフ。
サイドのスパゲティーのケチャップあえもネットリなめらか。味わい深く、千切りキャベツにトマト、表面をキレイに細工切りしたキュウリも見事でうつくしく、カレー風味ドレッシングもなつかしい味。
豚肉のコマがタップリ入った味噌汁。熱くて具材がタップリはいって、ハフハフしながらお腹をたのしくあっためる。キュウリに大根、茄子の糠漬けもいつもどおりで満足します。
また来なくちゃネ…、って思って帰る。おいしい供養をしたつもり。

 

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コメント

  1. もにくら

    お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

    おいしい供養というお言葉に、なぜだか涙が溢れました。
    たくさん思い出があるのは幸せな事ですよね。

    どうぞご自愛下さいませ。

  2. サカキシンイチロウ

    もにくらさん。
    おいしいモノが好きな人でした。
    おいしいモノを好きなひとたちと一緒に、ワイワイしながら食べるのが好きな人でもありました。
    だから今日は、いい供養ができたかなぁ…、って思います。

  3. ゆこ

    サカキさんの書かれるご両親のお話がとても好きです。
    お話に出てこられると「やった、お父様の話!お母様の話!」といつも嬉しくて楽しくて、素敵な方たちだなあとホンワカしていました。
    サカキさんの書かれるエピソードを通して、お父様お母様のファンになりました。
    思い出は尽きないことと思います。

    どうぞ、これからもお父様のことを思い出された時は、私のようなファンにもおすそ分けをお願いしますね。

    お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

  4. サカキシンイチロウ

    ゆこさん。
    まだまだ尽きぬほどの思い出話があるんです。
    いつかご紹介できる機会があればいいなぁ…、と思っております。
    それにしても、いろんな方々の中に父は居場所を作ってもらったと思うと、本当に感謝するばかりです。

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