たかしまコーヒー、立喰祖谷そば

takasimatakasima counter早朝フライトで徳島に着き、リムジンバスで駅まで到着。
待ち合わせには時間があって、これ幸いと「たかしまコーヒー店」にくる。
駅から歩いて3分ほどの、なのにすでに町外れ感が漂うエリア。
何気なく撮った外観。看板に「来る人にはおいしい味を、去る人にはしあわせを」とある。
あぁ、いいなぁ。
これって生きていく上でも大切なコト。去る人を哀しむのでなく、しあわせをと思う気持ちが人生を明るくしてくれるに違いない…って、しんみり思う。
お店に入るとカウンターには常連さんでらっしゃいましょう。おばさま並んで、新聞読みつつコーヒーを飲む。背筋をシャンと伸ばした姿も凛々しくて、なんだか不思議と勇ましい。

takasima sand徳島に来てちょっと時間があるとそわそわ、ここに来たくて気持ちがざわつく。
ここ数ヶ月、続けてこれるシアワセに感謝しながらいつもの場所に座って一息。
帰ってきたって感じに気持ちがホッとする。

ハムエッグトーストにブレンドコーヒー。
たのむとジュジュっと湿った音が、カウンターの中からしてくる。
グリドルで卵を焼いてる音が正体。
続いてカシャっと鉄板を何かでひっかく音がして、おそらくそれは黄身をつぶしてひっくり返す音なのでしょう。
ひときわバチバチ、賑やかな音がしたと思ったら、おいしい匂いがやって来る。
そしてそろそろ出来上がり。
食パン2枚。それもこんがり焼けていて、トースターじゃなく卵と一緒にグリドルの上で焼かれたパン。だから全体が淡い焼き色。しかも乾いていないのです。
バターと一緒に焼かれているから、お皿の上にひかれた紙がしっとり濡れてる。ツヤっぽい。
スパッと四つに切り分けられてて、その断面からケチャップがとろりとろけて垂れ下がる。その色っぽさにハッとする。

takasima coffeetakasima toast口に含むとふっくらなめらか。
さっくり歯切れて、パンがとろけるやさしい食感。
お行儀悪いと思いつつ、パンをペロンとめくって中を覗いてみます。

鉄板の上で潰れた卵は所々で黄色と白の割合異なる焼け具合。
パンの内側には薄くマヨネーズがほどこされてる。
卵の下にはロースハム。
それがなんと2枚重なり、ハムとハムの間にケチャップ。なるほどパンにケチャップを染み込ませぬようにしてるんでしょう。
多分、大きく焼いた玉子焼きの上に薄切りハムを乗せ、パンに挟む前に折りたたんで四角く形成したのでしょう。自分で今度作るとき試してみようか…、って思ったりする。
薄いハムなのに歯切れる時の前歯の感じが力強いのは、2枚重ねているからなんだと、合点をします。オモシロイ。

関西系の喫茶店に特徴的なシュッと上に背伸びしたようなマグカップ。
そこにたっぷり注がれたブレンドコーヒーの味わいやさしく、喉に引っかかることがないのにうっとりしながら、そろそろ時間とあいなった。

 

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lemon徳島駅にちょっと変わった立ち食いそば屋があるのです。
改札口の中の店。
「麺処れもん」という名前で、名前だけをみればラーメン店のような印象。
ところがこれが、蕎麦が名物のお店なのです。
しかも「祖谷そば」。
徳島の内陸地方の郷土料理で、つなぎを使わず作った太くて短い蕎麦。雑穀類しかとれぬ土地柄の、素朴な料理。
それが手軽に食べられるというので、かなり気になっていた。
気にはなっていたけどボクが徳島駅を使う時間にはやっていないという悩ましさ。今日はたまたま営業時間内に徳島駅前で打ち合わせ。
隙間を狙って入場券を買ってためしてみることにした。
東京のひっきりなしに電車が来るようなホームと違って、ぽつりぽつりと電車が入って出発していくのどかなホーム。ここで商売になるのかなぁ…、と思いながら食券を買う。
ホームに電車がいないタイミング。入場券で入られました?って、聞かれて、はいって答えたら、ありがたいことにそういうお客様が結構いらっしゃるんですよ…、って。アハハ、これは期待ができます。料理を待った。

lemon sobalemon menセルフサービス的店なんだけど、そばができるとお店の人が座っているところまで持ってくる。
忙しくはない店だからこそのうれしいもてなし。

丼の中のスープが透き通っている薄色なとこに、まずウットリです。しかも出汁の香りが強烈。思わず喉がなる香り。
麺は太くてしかも短め。
ちなみにココの蕎麦は十割じゃなくて二八そば。だから厳密に言えば、つなぎゼロの祖谷そばとは違いはするけどかなり素朴で持ち上げようとするとちぎれるほどに儚い。
蕎麦の香りは濃厚です。
しかも口に含むとヌルンとなめらか。噛むとトロリと粘って崩れる。
熱い汁の中でどんどん麺がやわらかになり、蕎麦の風味も強烈になる。まるでそばの形をした蕎麦がきみたいな味わい、食感。
なにより出汁がどっしりおいしい。昆布の甘みと雑節、あるいはイリコ系でしょうか…、軽い酸味を帯びた旨みが口に広がる。また食べなくちゃと思って駅の外に出ました。オキニイリ。

 

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