お遍路さんとスターバックス、祖谷のそば

徳島駅前のスターバックス。
女性のかわいいお遍路さんが出発前にコーヒーのんで腹ごしらえ。なんだか時代を感じる今朝。

地方に来て、スターバックスにやってくると、あぁ、東京だなぁ…、って思う。
店の規模とかレイアウト。
照度に家具の種類は微妙に異なっていて、同じように見えはするけど店の景色自体は違う。
けれどお店のムードであったり空気感。
どこも同じで、それが東京的だと感じる。

お客様同士がひとつ空間を共有している一体感。
今、スターバックスにいるんだという軽い緊張と、その緊張をあえて選んだ者同士の連帯感とでもいいますか。小さなスペースにギッシリ座らされても、大きなテーブルを見知らぬ人とシェアすることを強いられても、連帯感ゆえ不快に思わぬ不思議な空気。
にもかかわらず、互いに対しては無関心。WEではなくて「ME’s」って感じかなぁ…、「わたしたち」じゃなく「わたし・たち」。
東京だなぁ…、ってしみじみ思う。
お店の人は温かい。教育もされ意識がたかく、互いの経験を分け合いながら、お客様思いであろうと一生懸命ふるまう。でもカウンターの中と外が混じり合うことは決してなくてつまり「いわゆるプロ」的働き。それも東京。オモシロイ。

徳島駅のホームに蕎麦屋があります。
「麺家レモン」という可愛らしい名前で店は小さい。厨房と壁に向かって設えられたカウンター席8席ほどで、立ち食いそば屋に椅子がついてるよう感覚。
お店の入り口脇に置かれた券売機で、先払いしてお店に入る。
しばらくお待ちくださいネ…、って言われてちょっと待ってできるとお店の人が運んでくれる。
吉野川の下流、流域には大きな平野が広がっている。けれどその平野以外はほぼ山間部。しかも急流が削った起伏激しく、痩せた土壌が多い地域で育つ穀物と言えば蕎麦が代表格。だから自然と蕎麦食文化が根付いたのでしょう。
祖谷そばという太くて黒く、つなぎを使わず作った若干短い蕎麦が名物で、ここのお店の諸力もそれ。それにする。

昆布がメインの甘み豊かな透き通った汁。塩で味がほとんど整い味わい濃厚。そこに灰色がかった色黒の蕎麦がゆったり沈む。
刻んだ油揚げにかまぼこにネギ。具材はシンプル。さて食べましょうと箸をつっこみ持ち上げようにも、なかなか箸に引っかからない。ひとつの理由は蕎麦の粘りが強くて逃げる。そして麺がボソッと崩れやすくてつかもうとするとブチッと切れる。
だからレンゲですくって食べることになる。汁も一緒にやってくる。最初はボソッとしているのだけど噛むとトロンととろけてなめらか。素朴な味わい、食感にニッコリお腹もあったまる。

 

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コメント

  1. 食欲

    サカキさん、お蕎麦が続いておりますね。でも朝早くでも夜遅くでも、飽きることなく食べられるのがお蕎麦やおうどんですよね。ましてやちょっとタイプの違うお蕎麦となれば、そりゃ食べないと。
    でもサカキさんがコロッケのせてない!!祖谷にはトッピングとしてありませんでしたかね?ちなみに地元姫路では見たことないんですよねー、コロッケそば。

    • サカキシンイチロウ

      食欲さん
      たしかにうどん王国にあっても蕎麦でした。コロッケってトッピングにボクが出会ったのも東京の立ち食い蕎麦のお店がはじめて。蕎麦に対する潔癖ぶりは、もしかしたら東京以外の街の方が強いのかもしれません。

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