うな丼にそば。海苔ネギわさびで戯れる。

おいしいそばを食べたくなって「大庵」にくる。
そばに季節の日本料理、おいしいお酒。どれが主役でどれが脇役と言い切れぬほどにそれぞれが充実していて魅力的。互いが互いを引き立てあって、いろんな使い勝手ができる大人なお店。
先日来たときは緊急事態宣言の間にあって、その魅力をこころおきなくたのしんだのだけど、またお酒の販売を自粛した。
それにともない一品料理の提供もなくなっちゃって、ちょっとさみしい。しょうがない。営業時間短縮の代わりに開店時間が30分前倒し。目まぐるしく営業スタイルが変わるのだけど、そのつどウェブサイトで丁寧に告知してくれるのがありがたい。これも今の時代のおもてなし。
ひろびろとした居心地の良いカウンターの一席もらってのんびりたのしむ。
最近のここでのオキニイリの「うな丼と半そばのセット」をたのんだ。

うな丼に冷たいせいろ。そば用のタレが徳利にたっぷり入ってネギとわさびの薬味。漬物、肝吸いが付きひと揃え。
一品料理の提供があれば広島三國屋さんの海苔を追加する。炭箱に入って温められてずっとパリパリ。風味がよくてオキニイリ。前年ながら今日は用意がなくてならばと、そばのトッピングとしての海苔をたのんだ。
刻み海苔ではあるけれどこれも三國屋さんの海苔でたっぷり。香りもよくて俄然食欲が湧いてくる。海苔をぱらりとひとつまみ。そばの上にふんわりのっけてズルンとたぐる。甘露なり。

うな丼は小サイズでご飯控えめ。
小サイズだと鰻がひと切れ。
一尾の半分。
代わりにご飯にまんべんなくタレがかけられているのがなんともうれしい。
なにしろここのタレはボクの好みのオキニイリ。
焼けた鰻の脂と焦げたタレの香りと風味はご飯をおいしくさせるゴチソウ。

東京のそば屋のそばをネギと一緒にはあまり食べない。余してしまうネギを鰻の上によそおう。薬味として一緒に添えられていたわさびものっけてひつまぶし風のうな丼にして食べるのが最近のオキニイリ。今日はそこに刻み海苔もばっさりのっけて、ますますひつまぶし的にして食べる。

ネットリとした鰻の蒲焼き。ネギのシャキシャキした食感がみずみずしくて鰻の脂の持ち味を引き立ておいしい。海苔も香り豊かでパリッと壊れてゆっくりとろける食感もよい。
蕎麦の香りも力強い。スルスルとした喉越しを味わうのじゃなく、噛んで風味を確かめる。ボクの好きなタイプの凛々しい蕎麦タレはどっしりとした旨味とかえしの風味が際立つおいいさ。トプっと浸してたっぷりまとわせ心置きなく味わい食べる。
肝吸いがつく。しっかりとした出汁に口が喜ぶ吸い物。ほどよき量の料理があっという間にお腹に収まる。蕎麦湯をタレに注いでゴクリ。かえしの影に隠れてた鰹の出汁や昆布の旨みが蕎麦湯で目覚めてお腹を潤す。オゴチソウです…、オキニイリ。

 

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