うどん県で蕎麦たべる朝
うどん県に来て蕎麦で朝。駅から移動の前に「味庄」。
朝早くからやっていて、売り切れじまい。お昼すぎには終わってることがほとんどの早起きの店。
出勤途中のおじさんたちが自転車にのり次々、食事にやってくる。
高松は自転車がとても多い街。県庁所在地にしてはコンパクトにまとまっていて、しかも平地がほとんどで自転車移動が苦にならないからなんでしょう…、チンチン電車も走ってて、自動車が我が物顔じゃない昔ながらの空気があるのがボクは好き。
お店の片面が右から左に全部厨房。左手にうどん切り場、麺打ち場。茹で場と続いて天ぷらを揚げる鍋がある。おじさん、ずっと麺を切っては茹でてザブザブ、水でしめてる。おいしい出汁の香りが店を満たしているのにニッコリします。
お店に入ったら麺を注文。
丼にいれてもらったら自分で出汁を注いで食べる。
カウンターの真ん中に出汁が蓄えられてるボイラーがおいてあり、蛇口をひねると湯気と一緒に丼の中に出汁がジャーッ。
鼻をくすぐり、メガネを曇らす。
いなり寿司をひと皿もらいちくわの天ぷらを一本、それから蕎麦の小。
〆て450円。
朝のお腹を満たすに十分。なのに500円でお釣りが来るのがうれしいようであり、申し訳ないようであり、しかもおいしいというのがなんともありがたい。ちなみにお稲荷さんはカウンターの一番端のガラスショーケースの中に入っておりました。昔の食堂はみんなそんな感じだったなってなつかしむ。
出汁は讃岐のうどん屋の典型的ないりこ出汁。強い旨味に軽い渋み、なにより荒々しいほどのいりこの香りが食欲さそう。塩がバリッときいております。ゴクリとやると体の隅々がめざめるような勢いある味。
蕎麦はもったり、細めのうどんのような麺線。蕎麦の風味は最小限で、けれどヌメヌメとした食感がうどんにはない肉感的で出汁をごくごく吸い込みふくらむ。ぼんやりしてると丼の中がすっかり膨れた蕎麦でいっぱいになる。
そこで追い出汁。汁を注いでごくごく、麺と一緒に飲み込み食べる。甘い揚げで酸味の強い酢飯を来るんだお稲荷さんはみずみずしくて潤う感じ。口に含んで出汁をゴクリ…、酸味が甘みに変わっていって出汁が膨らむ、オゴチソウ。あっという間に器は空っぽ、仕事の準備はつつがなく。
羽田で食された天ぷらそばの4割のお値段!!! ものの値打ちって、なんなんでしょう。私たちは土地代を食べてる?
to22byさん
物の値段がどんどん下がっていく中で、下がりきらないのは地代や家賃。不動産の世界だけはまだバブルの時代が終わっていないんですよね…、だから「家賃が払える人」だけが商売ができる場所がある。
なやましいコトです。
土地代に消えるお金より、そこで働く人の懐に入るお金を払いたいですよね。