980円で食べられる上等な朝ご飯
朝、早く目覚めてせっかくだからおいしい和朝食を食べに行こうとテクテク歩く。
代々木の「おひつ膳田んぼ」の朝ごはん。
開店時間の8時から10時までの2時間限定の朝のメニューで980円といううれしい値段。
広末涼子の彼氏がやってるお店で3000円の鮭定食を提供してる。最近、長野でオープンしたお店が話題になっているけど、青山のHotel’sってお店でもう2年近くもやってるメニュー。
コロナ待った只中で夜の外食需要が縮んだときに、ディナーがだめなら「朝ディナー」。
昔から日本人が慣れ親しんだ朝ごはんを徹底的にこだわりおいしくしました…、ってな感じではじめたメニュー。架空のホテルのメインダイニングなんてコンセプトといい賢いなぁ…、って思いました。
このシェフのどこにこんな柔軟でみずみずしい発想があるんだろう…、って思っていたけど、なるほど博報堂の賢い人たちがよってたかって作った「スタア」だったんだなぁって、不倫騒動よりもそっちの方が気になった。昭和プリンやオムライスをシグニチャーメニューにした大人ファミレスみたいなお店も作っているけど、それも彼と博報堂の「新しい外食ビジネス」の伏線だったんだなぁ…、って思う。
小山薫堂&電通。
鳥羽周作&博報堂。
なまぐさい(笑)。
博報堂の賢い人はおそらくここのこの朝食にインスパイアされて鮭定食っていうコンテンツを作り出したんでしょうネ。食堂でしかないこの店の定食でしかないこの商品を、星野リゾート的なふわふわしたサービスと北欧デザインの空間に置いたらどうなるんだろう…、って実験。3000円というほどよき期待感と裏切られても許せる賢い値段をつけて売る。
見事なマーケティングの産物だなぁ…、って感心します。確かにおいしく、気取ったホテルの朝食なんか目じゃない価値を感じたけれど、2度と行こうとは思わない。だって鮭定食なんて料理は食堂で食べるのが一番おいしく感じる料理と思うから。
朝の定食に南高梅をつけました。
大きくぽってりした梅干しで、それでも〆て1160円というありがたさ。
お櫃にたっぷりピカピカご飯。
お米の粒の一つひとつを舌が感じるこわめの炊き上がり。
余分な水気をお櫃が吸い取り、ご飯はパラっとほどけてちらかる。
自然な甘みと旨みにウットリ。
お櫃もしゃもじも水に浸してしっとりさせる。ご飯の粒がつかぬようにという配慮。
鮭は分厚くだから立ちます。皮目はバリッと焼き上がり身はふっくら。脂がのって噛むとジュワッと旨みが滲む。
お味噌汁がまたうまい。味噌は薄めで出汁の旨みを味わう趣向。大きななめこがトゥルンと舌を撫でまわし、噛むとザクっと歯切れてとろける。
厚焼き卵に刻み海苔、タクワン、奈良漬でひと揃え。
お櫃ご飯が一回だけおかわりできる。ボクの隣の女性がまず大盛りのお櫃ご飯をたのんでペロリとたいらげ、大盛りご飯を追加していた。朝の食欲は健康的な証拠でござろう。ニッコリします。
それにしてもずっと満席。次々お客さまがやってくる上、インバウンドの人が多くてびっくりします。台湾、韓国の人が中心かなぁ…、ご飯文化の人に刺さる店なんでしょう。気づけばお店の外には行列。
ご飯の上に鮭のハラスをほぐしてパラリ。鮭の皮に梅干しの種、海苔を散らしてお茶かけて、サラサラ食べてお薬飲んだ。
朝から日差しの強い日曜。テクリテクリと今日も散歩をいたしましょう。
昔付き合っていた男性のママに、
「女は食い力やで。どんなことがあっても、食べなあいかん。」と言われたことを思い出しました。
その頃の私は仕事に追い詰められて行き詰まってました。
酷い顔してたんでしょう。ろくに食事をしてなかったんだと思います。
見かねたんでしょう。
ある夜、半ば強引に彼の自宅に連れていかれ、お好み焼きをご馳走になりました。
初対面の私を、近所の知り合いのように受け入れてくれました。
その後、彼とは別れましたが、大変な時にお母様のあの言葉を思いだしては、食事の大切さを痛感しています。
れいちゃんさん
「女は食い力やで。どんなことがあっても、食べなあいかん。」
座右の銘にしたいくらいにいい言葉ですね。
しかもお好み焼きというのがまたステキ。食べる力は生きる力なんだと思いました。
ステキなエピソード、ありがとうございます。
鳥羽周作は博報堂が「売れそうなコンテンツ見〜っけ」って言って神輿の上に乗せてみたものの、あんなことになっちゃったから博報堂が「やべ、担ぐ人間違えたわ」って言って梯子外したのかな?って思って見てます。
小山薫堂といえば大阪万博にも顔を出すようですね(ホント、どこにでも出て来るなー
https://www.orange-p.co.jp/project/514/
めるばさん
おじさんうけのいい人っているんですよね。
女性うけがよくてもお金を出す人はおじさんだから、おじさんのハートをキャッチするのが上手じゃないと大きな案件が回ってこない。
博報堂は困ってるでしょうね…、こんなはずはなかったって。お神輿にのせやすい人を一生懸命探しているんじゃないかと思います。
祖母が新潟の人だったので、家にはいつも塩ジャケと筋子がありました。今はほとんど見かけない、一尾の塩ジャケをおろして、筋子も長いのが何本かあるのを切って醤油とお酒でつけていました。大人になって、外食で焼鮭がすごく薄くて、どうしちゃったのと思うことが度々ありますが、今思うと、子供の頃は贅沢だったんだなと思います。新潟基準ではそれが普通のようですが。時々デパートの催事で新潟の焼き漬けのお店の方とそんな思い出を話したりすると、東京の切り身は薄いという話で盛り上がります。久しぶりに新潟で分厚いシャケと生エビをお腹いっぱい食べたいです。
ぴーちゃんさん
四国から関東に引っ越してきてびっくりしたのが鮭とマグロの文化でした。
四国にいた頃、鮭ってほとんど食べたことがなかったんです。
魚といえばブリか鯛。
今では日本全国で朝ご飯と言えば鮭と決まっているようですが、地方性が徐々に薄まってきているんだろうなぁ…、なんて思います。
分厚い鮭!
絶対においしいに違いありません。
確かに西はブリがおめでたい席などでも使われるお魚ですね。鯛も漁場が近いのでしょう。テレビとコンビニのおかげで(!?)、地方でも他の地方のものを取り入れやすくなっているのでしょうね。恵方巻なんて、今では全国的に売られてるのではないでしょうか。
ぴーちゃんさん
地方で人気の料理なんて報道されながらも、地方では一向に盛り上がっていない料理があったりして、情報時代というものはなかなかになやましいものですネ。