7色7種の小籠包。ひいきしたくなるよきお店

今から6年ほども前のコト。
家の近所で台北の人気レストラン「點水樓」が出店準備をスタートしたってニュースを小耳にはさんだのです。
7色の見目麗しいレインボー小籠包が有名。
東京に来てまで商売をするにあたって、かけるべき金をしっかりかけ時間をかけて本物のレストランを作りたいという考えからでしょう…、土地を買い更地に戻してそこにビルを新築。気合の入ったプロジェクトにワクワクしながらその場所を探しみたら家のなんと向かい側。
それから2年と半年ほどかかりましたか…、時間をかけて建物を建て人を雇って教育をしてめでたくお店が開業したときには我がことのようにうれしくてホッとしたもの。1年ほどたったところで新宿三丁目に本店ができそこも立派な自社物件。本店開業を記念して四谷の一号店では土曜日点心の食べ放題をやっている!生きていたら喜んだのに…、なんだかくやしい。

東方美人のお茶をポットでもらってのんびり、優雅なお昼。
名物の7色小籠包がまずやってくる。生地を彩る色は野菜由来の自然な色素。手前に豚肉の餡を包んだいわゆる普通の小籠包。そこから時計回りを食べていくと、味が整いあたかも中国料理のコース料理を食べてるような気持ちになれる。
豚肉餡の横にはアスパラガスとブロッコリとエビで味を整えたもの。カニ味噌、トリュフに小松菜、山椒、麻辣と続いてく。
味が異なるだけなくそれぞれ餡の食感が異なるところもオモシロク、たとえばブロッコリはポソポソとした歯ごたえが薄い生地のなめらかなことを引き立てる。カニの強い旨味と香り。それに負けないトリュフの風味。小松菜を口に含んだ途端に緑の香りで口がリセットされて、そこから舌がしびれていったりつねられたり。お腹がどんどん空いてくる。

パリサク系の料理を食べたい。
大根餅なんかどうかなぁとちょっと思った。
ここの大根餅は餅の表面にたっぷり貼り付け揚げ焼きにしたもので表面パリサク。中はトロトロの食感が独特でおいしかった。
ただお店の人に聞いてみると、食感がたのしい料理といえば「ナズナのパイ」がおすすめですよ。
もし召し上がったことがなければぜひ…、というので新しい思い出のためにたのんで食べた。
ネギや小松菜、しいたけのみじん切りと一緒に炒めたナズナをパイ生地で挟んでごまをたっぷり。オーブンで焼くとごまがバリバリ香ばしい。とろけ感と壊れ感のコントラストがたのしくて、食べてたちまちオキニイリ。

大きな豆の豆苗をハーブシードと一緒に炒めたものを、牛肉麺のお供にとって今日の〆。八角や五香粉の香りがテーブルの上に漂って、俄然、台湾色が強くなる。
醤油のコクと牛肉スープがどっしりとした味わいの牛肉麺は大好物。ちょっと漢方薬っぽい香りもありますか…、だからスープを飲むと体が元気になってく気がする。麺は太打ち。よじってねじって腰を出したうどんのような切り麺でムチムチしていて腰がある。よく煮込まれた牛すじ肉も噛むとホロリととろけるおいしさ。
牛肉麺に豆苗をたっぷり浸してシャキシャキ食べる。緑の香りにみずみずしさに、ザクザク歯切れてお腹の中が潤う感じがオゴチソウ。

 

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コメント

  1. EIKO ISHIKAWA

    ナズナ…七草のナズナですか!
    七草粥以外で料理されているの、初めてお見掛けしました。
    「新しい思い出」を作ってくださった店員さんとサカキさんのステキなやり取り、いつもながら見習いたい。そして、ナズナのパイなんていかにも中華的で食べてみたい!!

    • サカキシンイチロウ

      EIKO ISHIKAWAさん
      ナズナって野草を食べてるって気持ちがするんですよ…、苦くて荒々しいほどに緑の味わい。
      このパイに限らずナズナを使った煮込みや焼き物なども揃ってて、夏に疲れたお腹にいいんですよともおっしゃっていた。さすが医食同源と感心させれました。

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