6回目のナポリタン

半年目の月命日の今日。チョンボとタコラの引っ越しをした。
今までよりも広い敷地に芝生っぽい遊び場作って、そこがチョンボとタコラの定位置。花瓶にバラ。彼が好きだったピンクオレンジのバラを買い、彼がたまにかけてた乱視用のメガネを飾る。お線香を寝かして焚ける線香箱を置いてお酒とお供え物。お線香は母の実家で、護摩焚きしてもらったものを焚きます。煙と香りが気持ちをなだめる。
東京駅の大丸さんに鎌倉紅谷の常設店舗ができましたよ…、って教えていただき昨日並んで缶入り10個を買ってきた。お出かけ用のデニムポーチも一緒に買って、ブリキの缶や小さなポーチが大好きだったタナカくんをよろこばす。

月命日はナポリタンを焼く。
16分茹でなきゃいけない太い麺。
それを18分茹でてサラダ油をまとわせ冷蔵庫で寝かして使う。
歯ごたえがよくなり、アルデンテとは違った噛みごたえがでるのがおいしい。
具材は玉ねぎ、ピーマン、ベーコンとシンプルに。
麺も一緒によぉく炒めたところにケチャップをプチュっとしぼり、再びよぉく炒めて焼いたスキレットにのせ軽く焦がして仕上げてく。
ハンバーグを添わせてチーズを溶かしてとろり。こんがり焼いたベーコン一枚。ナポリタンの上には目玉焼きをのっけて完成。バチバチ、スキレットの上で音を立てておいしい匂いを撒き散らす。今日も本当によく出来た。

サラダを作る。イチジクを切り、ちぎったフリルレタスの上に散らして仕上げる。オリーブオイルと塩で味を整えて、カニカマとセロリをマヨネーズであえたサラダを一緒に添える。シズラーに行くと必ず食べてたカニサラダ。あれは本当においしかったなぁ…、でも今日のこれもなかなか上出来。
サザエを蒸した。醤油を少々注ぐだけ。三つ葉を飾ればよかったけれど買い忘れちゃって色気なし(笑)。尻尾までスルンと抜けておいしい上に心地よし。
タラの真子を出汁と醤油でササッと煮る。最後に溶いた卵を流して煮てる間に散らかった魚卵をまとめて食べやすくする。真子を炊いたんが好きだった。体に悪いのはわかっていてもおいしいんだからしょうがない。

ケーキは色々あるけれど、今日みたいな日にはやっぱりトップスのチョコレートケーキ。
なめらかなチョコ。
ざっくりとしたスポンジ生地にナッツの歯ざわり。
スプーンですくって食べるのが好き。
今日はネーブルオレンジとイチジクを飾ってちょっと豪華にしてみた。テレビをみながらゆっくり食べる。

この半年。いろんなことを考えました。
ボクと彼との関係はたったの25年間。彼とお母さんとの関係は、離れ離れの時間が長くはあったけど56年。25年の付き合いのボクがこんなに寂しいんだから、お母さんはどれほど寂しく哀しい思いをされてるんだろう…、って思うと胸が潰れそうになる。
彼が逝く2日前にお母さんから電話をもらって「息子のことをよろしくお願いしますね」って言われた。なのにその2日後の電話で彼の死を伝えるなんて、なんて残酷なことになってしまったんだろうって申し訳ない気持ちでいっぱい。哀しみを癒やす糧になればいいなと、タナカくんの写真や思い出のものをあれこれ探して定期的に送って差し上げるのだけど、そのたび頂くお礼の電話で、結局、ふたりとも泣いてしまう。時間という薬は遅効性。まだまだ時間がかかりましょう。
パートナーを制度的にどうこうと、多様な人間関係を認める運動が盛んだけれど、制度整備で解決できない人間同士の理解、つながりを得ることの方がずっと大切なんだと、この6ヶ月間でしみじみ思った。
家族が遺族に変わる日がくる。ご遺族に説明ができ、理解されるためにどういうことをしなくちゃいけないのかということを、生きてるときに話し合っとけばよかったなぁ…、と思うもすでに時遅し。さみしい夜をまたひとつ。

コメント

  1. チキタン

    サカキ
    今日の締めくくりは素晴らしいメニューでしたね
    そして普段考えもしない事
    考えておけば良かった事
    色々あるんですね
    くるみっ子の缶が可愛いです
    私もくるみっ子ファン
    今日はお疲れ様でした

    • サカキシンイチロウ

      チキタンさん
      ありがとうございます。

  2. あおあお

    サカキさん
    私も一緒にお祈りをします。
    今日の日が穏やかに締めくくられますように。
    トップスのケーキ、見るだけで味が思い浮かんでしまいます。いつか食べる時、お二人のことそっと思い出すと思います。

    • サカキシンイチロウ

      あおあおさん
      ありがとうございます。昨日はお風呂に入って早めに寝ました。なんだか横にいてくれてるようで、ぐっすりというわけにはいきませんでしたが今朝はお腹が空いて目が覚めました。

  3. あーた

    タナカさんの月命日、半年経ったんですねぇ。
    母が亡くなった時、「母のいない初めての七夕」「母のいない初めてのクリスマス」等々、1年間は初めてだらけで頭が追いついてってなかったです。
    2年目になると、初めてじゃない分ほんのちょっとだけ息がしやすくなった気がして、3年、4年…とほんとに時間薬はゆっくりですけど、効き目はあると思います。

    クルミッ子の社長のTwitterフォローしているのですが、缶入りとポーチ、大人気だそうです。
    タナカさんだったら、何を入れたでしょうか。
    きっと喜んでらっしゃいますね。

    • サカキシンイチロウ

      あーたさん
      タナカくんのいないハロウィンやクリスマス、そして年末年始がどんなものなのか。あまり深刻に考え始めるとかなしくてしかたなくなるので、のんびり今日をたのしみ、過ごすことでなんとかしようと思っています。
      さみしいですね。
      思い出すとさみしいのだけれど、思い出すことでしか弔うことができないと思って、いろんなことを日々、思い出すことにしています。

  4. ボルテイモアのおかず

    この半年、本当にお辛かったご様子に胸が痛みます。
    コロナ禍でお仕事や、近しい方々やお母様にもお会いするのもままならず、そのなかでブログを毎日更新なさり、サカキさんは本当にお偉いなあ、と(私が言うのも失礼ですが)。
    美味しー!タナカプレートやピンクオレンジの薔薇、タナカ様もお喜びだと思います—。
    (こちらの記事を読む前にワオーキングの道すがら、紅葉し始めた木々や様々な色の菊と、赤やピンク色の薔薇も咲いていました。丁度、サカキさんに送れたらなあ、と思っていました)。
    どうぞくれぐれも、お体御自愛下さいますよう—。

    • サカキシンイチロウ

      ボルテイモアのおかずさん
      その色とりどりの薔薇。気持ちの中で頂戴しました。ありがとうございます。
      今年一杯は仕事のことをあまり考えず、果たして自分はどうやって生きていくべきなのかを考えてみようと思っています。
      来年から新しいボクを彼の思い出と一緒にはじめることができればいいなぁ…、って。

  5. 鈴木ミカ

    私、こちらのお写真をたまたま拝見して驚いてしまいました。私は四谷三丁目に住んでおり、去年四月頃、この方を丸正近くでお見かけしました。お体に肥満だけではなく深刻な浮腫がありました。一見して命にかかわる重大なご病気だと思いました。お顔のお色もとても悪くて近くにご家族がいらしたら大学病院での受診を強くお勧めするところでした。発達障害にも見えたのはご病気故だったかもしれません。勇気を出してお声をおかけしていたらよかったです。ご冥福をお祈りいたします。

    • サカキシンイチロウ

      鈴木ミカさん
      4月頃であれば、まさに体が重篤な状態にあり、すぐにでも病院にいかねばならぬ状況にありました。
      慶応病院にかかりつけのお医者様がいらっしゃって、すぐにでもと思ったのですが、コロナの影響でその予定が次々キャンセルされて、精神的にも追い詰められた状況にあったところであろうと思います。
      病院に行きたくてもいけない状態がどれほど辛かっただろう…、と今思い出しても気持ちが揺れる一ヶ月でした。

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