14年目の麺通団

先日食べた丸亀製麺のうどんがあまりにショックで、さみしくなった。
寂しすぎてうどんそのものが嫌いになってしまいそう…。それで、ひさしぶりに麺通団にいってやろうと新宿にくる。

新宿の西口を降りちょっと歩くと「小滝橋通り」という飲食店が集まる通りに突き当たる。
もともとオフィスが集まるエリアだったのだけど、行列ができるラーメン店の先駆けとして注目集めた「麺屋武蔵」が出来てから、徐々に飲食店が集まりはじめた。
そのうち、「この通り沿いで成功したらチェーン展開の緒になる…」と言われるようにまでなって、次々お店がやってきて不思議な賑わいを呈しはじめて今も噂は進行中…、って感じのエリア。そんな熱狂にうなされる前からずっとやってる老舗で、調べてみれば今年ですでに14年。

讃岐では当たり前のセルフサービスのスタイルを東京という町のど真ん中で提案。しかもほぼ24時間営業という営業形態もよかったのでしょう…、一時はここも行列レストランの1つと呼ばれた。今ではすっかり落ち着いて、けれどずっとペースを崩さずやっているのにホッとする。

トタンを印象的に使った外観。お店の中に入ると茹で釜。奥に製麺機が置かれてて、そこからずっと民家の軒のような意匠が奥へ、奥へと続いてく。
讃岐の製麺所系のうどん屋は、畑の真ん中にぽつんとあって民家と一体となった工房の軒下でうどんを食べさせてもらってるような感じのお店が多くて、そんなムードを醸し出す。
途中に天ぷらを揚げる厨房。天ぷらがセルフでとれて、天ぷら以外のトッピングが置かれたエリアにいざなわれ、一番最後にお勘定場と、つまり丸亀製麺とほとんど同じ。セルフうどんのスタイルを突きつめると結局、みんなこの形になっちゃうところがオモシロイ。
ただ、お金を払うとかけ出汁を自分で注げる蛇口があって自分で好きなだけ出汁を注げる…、という部分が丸亀製麺と違うとこ。

うどんを「麺の料理」と考えるか「出汁の料理」と考えるかで、サービスの方向性が変わって来るに違いなく、例えば麺の大盛りを無料にすることをサービスと考えるのか、出汁を好きなだけたのしめることをサービスと考えるかで、「つるとんたん」か「讃岐のうどん屋」を真似るかが決まってくる…、んだろうと思う。
「やっぱりうどんは出汁が命」と思うボクにとって出汁、使いたい放題はありがたい。
でもコストのことを考えるとやりたくないのがお店の本音。
丸亀製麺は本音に素直…、ということなのでありましょう(笑)。

肉うどんの小をもらう。
茹で置いた麺を釜の熱湯にくぐらせちゃっちゃと湯切りをし、丼に入れ上に肉をドサッとのせて、はい、どうぞ。
受け取った丼をお盆に乗せて奥に向かってそぞろ歩く。途中で天ぷら。
毎週月曜日は天ぷら全部50円というのに気持ちがあがり、げそ天、それから昆布天。どちらも大きく衣はバリバリ。早くうどんの汁に浸したくなる。おぼろ昆布を追加でとってうどんの上にはネギと生姜をドサッとのっけて一揃え。〆て660円でござんした。かけ汁たっぷり注いで、さぁ、食べる。

このかけ出汁がうまいです。いりこの香りがポワーンと漂い、あぁ、讃岐味…、ってウットリとする。ボクの中の讃岐の味はもうちょっとだけ塩が強くて苦味も際立つ感じで、それに比べると少々やさしくおとなしく、でも十分に讃岐味。
そう考えると、丸亀製麺は「讃岐釜揚げうどん」と謳っているけれど、讃岐「スタイル」釜揚げうどんであって、讃岐うどんじゃないんだろうな…、としみじみ思う。
うどんはなめらか。腰はあるけどかたくはなくて、スルンとお腹の中に収まりあっためる。食べてるうちに汁がどんどん減っていきます。うどんが汁を吸うのでしょうネ…、そこで追い出汁。熱々の出汁をかけた瞬間、生姜の香りがふわりとたって、気持ちがひときわあったかになる。オゴチソウ。

それにしても昆布の天ぷらのおいしいこと。出汁で煮込んでやわらかくなった分厚い昆布にバリバリ衣。
クニュって前歯でとろける感じを、硬い衣が引き立てうまい。
うどんをほとんど食べたところで再び追い出汁。
肉吸い風にしてゴクリ。甘辛煮付けの肉の風味、脂やコクが出汁にまじってうまくする。

朝の時間にはまだおでんが炊けていなかった。ちょっと残念。讃岐風の練り物メインのどっしり味の黒おでん。辛子味噌をたっぷりまとわせ食べると気持ちがやさしく満ちる。
知らない間にこの店、讃岐名物の骨付鳥をはじめてた。うどんが〆の飲み会もできるんだという…、うどん屋で夜の売り上げを作るのがむつかしい今。こういう工夫もいいんだろうなぁ。チェーン店じゃないからできることでもあって、悪くないなと思う朝。

 

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