14回目の月命日

サンドイッチを作ってはじめる祝日の朝。
そして毎月23日はタナカくんの月命日でもあり、彼が好きだったチーズエッグのサンドイッチを作ることにした。
昨日銀座にいったついでに買ったシティベーカリーの8枚切りのマルチグレインブレッド。
片面だけを軽く焼き休ませさます。
卵サラダにブルーチーズをちぎって加えて練り直しパンにタップリ塗ったて挟んで、耳を落として4つ切りにする。お皿にもって胡椒を散らして出来上がり。
卵と青カビ系のチーズの組み合わせがタナカくんは大好きだった。この組み合わせはサラダであれサンドイッチであれ、ワインがおいしく飲めちゃうんだよ…、困っちゃうってうれしそうに食べていた。
リンゴ一個をお水と氷と一緒にジャジャっと撹拌。他に何も加えずリンゴの甘みと酸味で味が整う。健康を飲んでるって感じがおいしい。オキニイリ。

先月の23日は心不全で病院の中。
自分の生き死にと戦っていたからタナカくんのことを考える余裕はなかった。
タナカくんのお母さんと月に一度の連絡をとりあう日でもあったのだけどメールで入院の報告をするに終わった。
病院を出ていろいろ思うところがあって彼が残した本や雑誌…、そのほとんどが画集かマンガだったりしたけど、それらをおおかた処分した。
ボクが持ってるよりも燃やして煙にしたらあの世で読んでもらえるに違いない…、って思ってそれで思い切る。
それらに紛れてスケッチブックやノートがたくさん見つかった。ひとつひとつがなつかしく、そのほとんどが果たせぬ夢の名残なんだと思うとしみじみ切なくなった。今日は偲んで歌舞伎町の怪しい路地で笑ってる、彼そっくりの看板を見に来た。看板はキレイに拭かれ周りの壁も白く塗ってもらって笑顔がひときわ明るく見える。マラカス振ってお酒でほっぺた赤くする、何度見てもタナカくんにそっくりだわいってクスッと笑う。オキニイリ。

夜にエビを5尾、蒸す。
活きてた元気なエビたちです。
深鍋にお湯を沸かして紹興酒をトクトク注ぎ、エビを収めた網をかざして蓋をする。
途端にガサガサ暴れる音が盛大にして成仏召されよと手をあわす。
しばらくしたら静かになって、10を数えて蓋をとる。
色鮮やかに仕上がって殻剥き食べるとムチュンと弾力力強く、香り温で甘くて旨い。足はサクサク、頭の中の味噌もチューチュー吸って味わう。おゴチソウ。
ひさしぶりにお弁当を作って今日のメインにしました。おむすび一個、だし巻き卵にきんぴらレンコン。ちくわキュウリにハンバーグ、カリフローレの塩茹でをぎっしり詰めてレンコンのすり流し汁をお供に添える。

先日、欲張りすぎてピュレみたいになっちゃったのを反省し、今日はほどよくポッテリとしたレンコンポタージュのように仕上げる。すり流し汁ってお椀の温度がずっと下がらず、お腹の中まで熱さが続く。今の季節にはありがたい。
おむすびの具材の代わりに挽いたばかりの黒胡椒。不思議なほどに洋食味になるのがたのしい。海苔もパリッといい感じ。
〆にピエール・エルメの「エレナ」を食べる。
ピスタチオクリームとリコッタチーズ。マスカルポーネのクリームを層に重ねたふっくらとしたなめらか食感。砕いたピスタチオをサブレ状にして上に散らし、ピスタチオ味のチョコで周りを取り囲む。ミルクと一緒にあっという間にお腹に収まる。好きだったよね…、って思い出す。

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