龍天門でワゴンも回る飲茶のオーダーバイキング

ウエスティンホテルの龍天門。
とても上等な中国料理を提供するので人気の店が、平日限定で飲茶のオーダーバイキングをやっているという。
ランチタイムが終わった1時半からスタートというので仕事のスケジュールをそれに合わせて組み立ててやってきました。いそいそと。
それにしても駅から遠い。
動く歩道を何度も乗り継ぎ、ガーデンプレイスの中に入ってからもまだまだ歩いて、一番奥のホテルの二階。おそらく山手線の新宿、代々木のひと駅よりも長いであろうほどを歩いてやっと到着。リュクスなムードに背筋が伸びます。飲茶のオーダーバイキングはいくつかの分野に分かれてて、注文して厨房から運ばれるもの。ワゴンで運ばれてくるもの、野菜の料理や麺飯類にデザート。盛りだくさん。

メニューの中から何種類かの点心をたのむ。プーアール茶をお供にもらって食事のスタート。
最初にまずは前菜がくる。千切りにした白菜の酢漬けに蕪の甘酢漬け。大根をカリカリのまま醤油に浸して飴色にしたモノと三点。大根の醤油漬けの硬さとそれを裏切るやさしい味わいにウットリしながら、続いてスープ。
鶏ガラスープに玉子を流して仕上げたモノで、スープがとても鶏らしい味。上等な水炊きの汁を飲んでるみたいな濃厚さ。ああ、本格的だと思って料理を待つのだけれどなかなか料理が運ばれてこない。30分たっても料理がこないので、こりゃたまらんとワゴンを呼びます。

かつての東京は飲茶ワゴンがテーブルの間を優雅に踊る中国料理のお店がいくつもある町だった。
新橋の翠園酒家であったり、新宿の東京大飯店であったりそれはそれはニギニギしくて、店に入った途端によだれがじんわり滲み出すようでお腹もなった。
かなり前にそのどちらとも閉店し、点心がおいしい店はたくさんそのあとできたけど、あの高揚感を味わうことができなくなった。
ワゴンの上にはせいろが山積み。蒸気がそれをおおって香りと一緒にやってくる。もうその段階で、あぁ、おいしいってウットリします。お店の人がせいろをひとつひとつ取り出して中の説明をしてくれるのも丁寧で、やっぱり飲茶はこのスタイルよねぇ…、ってしみじみ思う。

そのうち注文していた料理も次々到着。
テーブルの上がにぎやかになる。
ワゴンの中で温まっていた、白身魚の黒胡椒蒸し。
脂の乗った魚がトロンとなめらかに仕上がっていて舌に置いた途端にとろける。
同じくワゴンからとった焼売は大葉を刻んで加えてて香りが独特。
エビと豚肉がブルンとはぜる。
厨房から運ばれてきた焼売は豚肉をメインにホタテのすり身で旨味が整うオゴチソウ。
一概に焼売と言ってもいろんなスタイルがあるのが中国料理文化のスゴイとこ。
海老蒸し餃子はちょっとエビの風味が若干弱いもブリンと食感がなんともおいしい。プニプニとした生地で包まれたニラ饅頭を焼いて仕上げて香ばしくする。
そうそう、湯葉巻きがワゴンの上にありました。湯葉で鶏と魚のすり身を巻いて一旦揚げる。それをオイスターソースと一緒に蒸し上げたもの。湯葉がプルンと食感独特。大根餅に骨付きの豚バラ肉のトーチ蒸し。小籠包にエビあんを包んで揚げたパリパリ春巻き。どれもそこそこおいしいのだけど、どこかひと味足りないのです。なぜなんだろう…、と一生懸命思って食べて、そうかと理由を推察す。

化学調味料を使わず真面目に料理を作っているんでしょう。
ただ、香港の広東料理の名店、福臨門酒家のシェフが「化学調味料を使わず点心を真面目に作ったら今の料金の5倍はいただかないと採算がとれない」と言い切ったように、どうしても味が足りなくなってしまう。
その足りない味を砂糖を使って甘くして、なんとか辻褄合わせているに違いない。
どれもが甘い。もったいない。
うつくしい手わざを感じる料理もあった。ホタテの焼売は、ホタテの柱を底におき上にホタテのすり身をのせて最後にメレンゲ。ムースのように仕上げたところに揚げたネギとクコの実あしらう。ふっくらとした食感にホタテの旨味にウットリしました。
レタスの湯通し、青菜の塩炒めはシンプルだからこそにおいしく、それでもやっぱり甘かった(笑)。

1時半に食事がはじまり、1時間半後の3時ちょうどにオーダーストップ。オーダーストップでございますが…、とお店の人が告げたときにもまだ提供が終わっていない料理がいくつものこされていて、結局、5商品ほど食べ損なった。
オーダーバイキングにおいて料理の提供が遅れるというのは致命的なコト。もしかしてたくさん食べさせると損するからわざと遅く作ってるの?って聞いたほど。そんなことはございませんというも、そういうふうに言われたことを厨房になんか伝えることができないんでしょう。料理長風の人がホールにでてきて様子を見てたけど、一体なにしに出てきたんだろう…、って不思議に思った。
〆にチャーハン、香港風の焼きそばたのんで〆にマンゴープリンとタピオカ。あぁ、香港に行きたいなぁって旅心だけがかきたてられます。
もどかしくってもどかしくって、ちょっと残念、なやましい。

 

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コメント

  1. めるば

    数十年昔、銀座に陶陶居(字がこれで正しいか謎)って飲茶があって、それこそ店内をワゴンがぐるぐるしてましたっけ。あぁいうワゴンスタイルの飲茶、ホントになくなりましたねぇ…

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      めるばさん
      陶陶居!なつかしいです。飲茶にお粥、気の利いた香港料理。しかもワゴンがぐるぐるまわってやってくる。しかも銀座の一等地にあって、これこそ国際都市東京の魅力と思ったものです。
      東京はゆっくり、そして確実に魅力をなくしはじめているのかもしれません。

  2. to22by

    誠に稚拙な質問で申し訳ありません。オーダーバイキングとは、バイキングがビュッフェのことと、以前書かれていたので、ある意味、食べ放題ということだと思います。そうしますと、オーダーバイキングとは好きなものを食べたいだけオーダーできる食事ということでよろしいのでしょうか。お尋ねするのがちょっと恥ずかしいですが、日本を離れてかなり長くなってしまったものですから。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      to22byさん
      オーダーバイキングとはとても不思議な表現ですよね。
      ご指摘の通り食べ放題の一種です。
      通常のバフェのように料理の完成品があらかじめ並んでいるのでなくメニューから好きなものを好きなように注文してできたてを厨房から運んでもらって食べるというスタイル。
      ならば「食べ放題」と言ってしまえばいいものを、それではあまりにあけすけなので格好をつけてオーバーバイキングとか、オーバービュッフェとかというようになった。日本人の発明のひとつと思ってください。

  3. Diana

    サカキさん、
    早速行かれたのですね。
    こんなに早くお話しを聞かせていただけるとは思いもせず、堪能させていただきました。

    残念なところもあるようですが、久々にテーブルの間を泳ぐワゴンを見に行ってまいります。
    ロスやランニングコストを考慮しての、オーダーバイキングなんでしょうが、かえって『みみっちさ』を感じてしまうのは私だけでしょうか?
    また、メディアで『元をとるオーダーバイキングの食べ方』なるものを紹介する恥ずかしさも同様です。

    胃袋も心も満たされる美味しい料理に適正な価格を支払うほうが気持ちよくないですか?
    そして、お店の方に『美味しかった』の一言。

    平日午後、ピーク時を外した13時30分から15時までの90分なら、食べ放題でないワゴン式飲茶にしたほうがお客さんを呼べそうな気がします。
    私なら友人と午後半休とって、行っちゃいます!
    話しは尽きないだろうから、その後、別のお店で飲茶をネタにスイーツを(笑)

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Dianaさん
      食べ放題じゃない飲茶のワゴン。大賛成です。
      ワゴンの中のせいろを手にするたび、伝票にチェックしてもらう。あと何個ぐらい食べられるね…、とかって言いながら、ワクワクしながら次のワゴンを待つような、たのしい飲茶。
      あってもいいなぁ…、って思います。
      だって、お腹いっぱいになることが飲茶のたのしみではなく、お茶を飲みながらただただのんびりと時間をたのしむこと。それが飲茶の醍醐味ですものね。
      さぁ、他においしい飲茶のお店はないかしら…、とまた虎視眈々です。

  4. Diana

    サカキさん、
    『虎視眈々』に思いの深さを感じます(笑)。
    また、成果をお待ちしております。

    ブッフェのポリシー(というほどか?)が『好きなものを好きなだけ』であったはずが、『時間を含め対費用効果の探求』になってしまっては、醍醐味どころではありません。

    端末でオーダーするより飲茶ワゴンロボットがテーブルを回るほうが、可愛くて、楽しいことでしょう。
    どなたか、そんな店、作ってくれないでしょうか。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      Dianaさん
      コストパフォーマンスという言葉が独り歩きしてしまっている昨今。本当のパフォーマンスは値段で左右されるものではないと思うのですけれど…。
      かつてロンドンにあった回転寿司に飲み物を運ぶロボットが健気に働いていたことを思い出しました。ペッパーくんも体をくねくねさせてるだけじゃ用無しになっちゃうよなぁ…。

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