鼎泰豊の感心と残念

ひさしぶりに鼎泰豊。
かつて世界の10大レストランに選ばれたことがある、小籠包がおいしいというので人気のお店。新宿の高島屋の店にやってきました。
いつも行列ができてる店で、あまりに待つようだったらやめようかな…、と思って入り口にたってる人に待ち時間を聞こうと思った。
そしたら待ちの番号札を手渡している。しかもそれと一緒にメニューと注文伝票を手渡して、食べるものを先に選んでおけという。待っても自分の番が来ればすぐに料理を食べられる。お店の人にしてみても、注文をとる手間を省略できるから、忙しい店にはいい仕組みかも…、と思って試す。
とても気持ちのいいスタッフが、「ありがとうございます、おそらく15分から20分でご案内できると思います」とキッパリという。

順番がくるとマイクで呼び出し。
入り口にいた彼が約束したとおり20分ほどでボクの番号が呼ばれます。
経験がしっかり蓄積されて、知恵になっているのでしょう。
ちょっと感心。
案内されたテーブルにはすでにジャスミン茶の入ったポットと小籠包用の針生姜。
ポットを触ると熱々で、案内をするタイミングでおいたのでしょう。
店の雰囲気は日本上陸当初に比べてずいぶん気軽な食堂風です。ざわざわしていて台湾の鼎泰豊のようなムード。テーブルクロスもなくなったし、でもこれでいいんだろうなぁ…、おいしいことで人気なんだから他の付加価値はなるべくそいで料理だけで勝負する。その割り切りがむしろ料理のおいしさや特別感を際だたせるように思えたりする。

チョット待って牛肉麺がまずやってくる。たのんだのはこの牛肉麺と小籠包のセットでした。小籠包がやってくるのにはかなりの時間を要して、牛肉麺を半分以上も食べてからというおっとり刀。
なんでだろう…、って思います。
ここにいる人たちほとんどが小籠包を食べに来ます。しかも事前に注文までとっていて、その注文が何分後に実行されるのか…、ということもわかる。ならばその時間にあわせて小籠包が蒸し揚がるように仕組みを作ればいいのに、そうはならない。素通しガラスの向こう側にある点心厨房ではのんびり小籠包がくるまれ、のんびり蒸し上げのんびり提供しているのです。

受付からご案内までのプロセスはしっかり科学されたのに、料理を作り提供する手順を科学しないというのがもったいない。
もしかしたら小籠包を最後に食べて、そのおいしさをもってお店を出てほしいと思ってワザワザこうしているのかもと思って食べるも、肝心の小籠包はそんなにおいしいわけじゃない。不味くはないけどこんな程度の小籠包を作るお店は他にもたくさんある…、程度。
かつては本当においしかった。でもお店が増え、商売がビジネスに拡大していく過程で犠牲になったさまざまなことが今の小籠包を生み出した。
20年ほど前だったかなぁ…、台北の小さな本店の営業前に紛れ込みできたばかりの小籠包を食べさせてもらったときのあの感動。それに比べればまるで別物。今の料理は10大レストランの料理ではなく、10大レストランだったお店の料理という他ないんだろうなぁ…、って思って帰る。なやましい。

 

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コメント

  1. 漁まのファン

    パチパチ!
    その通りだと思い、感激しました。
    ちぐはぐなサービスがあって、こうしてサカキさんの思われるようなことって多々あります。
    やはり改良に改良を重ねるようなオペレーションになっていくのが、超人気店の資格だとも思います。
    すばらしいポストです。
    ありがとうございました。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      漁まのファンさん
      ありがとうございます。お店もそうでしょうし、人としても絶えず努力して良くなる工夫をしなくちゃいけないなぁ…、って思います。がんばらねばです。

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