黒肉、生醤油、気のつくスタッフ、一滴八銭屋

ひさしぶりに「一滴八銭屋」。新宿西口のヨドバシカメラ本店のほど近く。飲食ビルの2階、3階を使って営業しているうどん屋さん。
ご主人がたしか愛媛県の四国中央市の出身で、同じ愛媛出身ということで親近感をもって来ていた。
讃岐うどんをベースに、工夫に満ちたたのしいうどんを味わえて、夜は居酒屋使いができるというのがうれしくたまに来ていたお店。ながらくご無沙汰しておりました。
ここのカレーうどんや黒肉うどんがタナカくんが好きだったよなぁ…、と思いだしてやってきてみた。カウンターに愛媛が誇る銘酒「梅錦」の瓶が並んでいるのにニッコリ。小さな里帰りをしたみたいな気持ちになれる。昼には好みのうどんを2種類、それぞれハーフサイズでたのめるサービスがあってそれで黒肉うどんと生醤油うどん。追加でちくわの天ぷらをたのんで今日のひと揃え。

黒肉うどんとはここの創作の商品名で、黒肉があるということは白肉もある。黒は牛肉、白は豚肉。黒は醤油出汁で白は白味噌スープという組み合わせで、西日本で肉と言えば牛肉、関東では豚というその両方の肉文化に合わせて料理を作ってみました…、って工夫がたのしい。
白肉うどんが独創的でイチオシだけど、やっぱりボクは黒肉うどん。
甘く煮込まれた牛肉の脂のコクや煮汁の旨味が鰹節の出汁をおいしくしてくれて、牛肉の脂が蓋して汁がずっと熱々なのもオゴチソウ。トッピングでとったちくわを指でちぎって浮かべて食べる。

牛肉の脂に天ぷらの揚げ油が混じって汁のコクがます。
食べてるうちに天ぷら衣が汁をすいトロンととろけた感じになってくところがおいしく、口の中までとろけるおいしさ。
ゴクリゴクリと熱々の汁を飲みつつお腹が汗をかく。

そこに冷たい生醤油うどん。
生醤油うどんは讃岐の定番のうどんの食べ方。
高松の大学をでて一時期住んでたタナカくんにとって「準ソウルフード」だったのが生醤油うどんで、この店ができた当時に、それをまともに食べさせてくれるお店は少なくて、それがここを好きだった理由のひとつだったんでしょう。茹でてキリリと冷水で〆たつやのあるうどんに生醤油。搾った大根おろしに鰹節、ネギにしょうがに胡麻、すだち。それらをぐるぐる丁寧にかき混ぜ食べるというのがお作法。

讃岐じゃぁ、生醤油うどんの大根は自分ですりおろさなくちゃいけないのに、東京は親切だねぇ…、っていいながら、上に下に右に左にと一生懸命器の中をかきまぜて、それからズルリ。ここのうどんは確かな歯ごたえ。コシが強くて粘らず歯切れてスルンとお腹に飛び込んでいく。麺そのものに小麦の旨味や塩の風味がしっかりあって、生醤油のシンプルな味を受け止めおいしくなっていく。
おいしいなぁ…、食べながら顔はニコニコ、お腹までが笑うおいしさ。
お店の人はよく気がつく。上着を脱いだら壁におかけしましょうか…、って一声かける。よく気がつくということはよく見ているということでもあり、見守られつつ食べているって気持ちがあったか。オゴチソウ。表に出ると隣の串カツの出目金が閉店したまま。テントのロゴも昔のままで、あの人たちは今どこで、何をしているんだろう。コロナに無縁でシアワセならばいいのだけれど…。

 

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コメント

  1. kana

    サカキさん、こんにちは。
    一滴八銭屋さん、なつかしいです。勤務先が新宿だった2000年代に時々行ってました。
    元気に営業中の様子、嬉しいです。
    かしわ天うどんが好きです。かしわ天がこのように別に盛られて来るので、そこに山椒をかけて、からっと食べた後、うどんに、入れてしっとり食べて楽しんでました。
    二日酔いうどんも美味しいです〜。
    近々、行ってみます!ご近所の三国一も好きです。

    • サカキシンイチロウ

      kanaさん
      一滴八銭屋の男性的でたくましいうどんにするか、三国一のサラダうどんや味噌煮込みとちょっと変わったうどんにするか。
      新宿西口界隈で、悩みに悩んだ時代がありましたよね。
      変化の激しいこの界隈にあって、どちらのお店も変わらずがんばってらっしゃることにありがたさを感じます。

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