麺よし、タレよし、汁もよければ天ぷらもよし

町は静かになりました。
朝、目が覚めて音がしないのにびっくりし、表にでたら人影まばら。
年末年始の静けさに似て、気持ちがひんやりしてしまう。今日は仕事で赤坂で、通勤ピークをさけて空いた地下鉄に乗る。テキパキ仕事を済ませてそのまま昼食にする。
「観世水」という蕎麦の店。小さなビルの地下一階。入り口は開けっ放しで空気の流れを作ってて、開店直後ということもあり店は静かでホッとする。
近所に娑伽羅という姉妹店があって、そちらの方には天丼をはじめとしたご飯物もある。だからいつもどちらにしようか迷うのだけど、気づけばこちらのお店を選んでる。こじんまりとした空間で、奥に厨房。天ぷらがおいしいので人気の店で調理がはじまるとシュワシュワカラコロ、天ぷら油が爆ぜる音が聞こえてくるのにお腹が騒ぐ。

3色もりをたのんで食べる。シャッキリ、キリリとした冷たい蕎麦がここ数日間食べたくって食べたくって、ここを選んだ理由がこれ。せいろに田舎そば、それに季節のそば切りが一度にたのしめるというここを代表する料理で、今の季節のそばは柚子切りでした。
四角いせいろにツヤツヤとした細い蕎麦。柚子色をして目に鮮やかで香りもさわやか。目にみずみずしく口に含むとツルンと唇撫でてスルンと口の中へと収まっていく。
柚子切りを食べ終わるタイミングでせいろが到着。そして太く仕立てられた田舎そばと時間をおいてやってくる。蕎麦は茹でたて、〆たてをたぐるに限る。だからこのもてなし方はありがたく、しかもそれぞれ香りに食感、歯ざわり、歯ごたえがまるで違って蕎麦の多彩な世界にウットリ。

ここのタレが好きなんです。
醤油の風味がキリッとしている。
甘みは自然で、出汁の旨味が舌の奥からゆっくり湧いてでるような凛々しい味わい。
酸味が強くてスッキリとした後口がよい。

天ぷらの盛り合わせと穴子の天ぷらをお供にします。
盛り合わせにはエビと春ウド、ナスにかぼちゃにアスパラガス。小エビのかき揚げと彩り豊か。衣はサクッと軽い仕上がり。ネタのひとつひとつは鮮度抜群でその持ち味が引き立つ仕上がり。甘めの天つゆがまた旨い。
ここの穴子は朝〆穴子。ふっくらとして分厚くて噛むと樹割と旨味が広がる。茄子とシシトウ、かぼちゃがあしらいとして添えられていて目にもうるわしい。なによりエビのしっぽまで美しくって歯ざわりおいしい。オゴチソウ。

付き合ってくれた仕事仲間が季節の若竹そばをたぐった。
若竹の穂先の部分を皮ごと天ぷらにしてあたたかい蕎麦に乗せて仕上げた料理。穂先の皮がチリチリ揚がって、エビの頭のようにみえるところが面白く、皮を残して前歯でしごくように味わう。キュッキュと歯切れて甘くてそしてほろ苦く春を感じてニッコリします。
わかめたっぷり、粟麩が彩り添えて仕上がる。天ぷら油が汁に混じってどっしりとした味わうを生む。酸味がおいしいせいろのつけダレに対して熱い汁は甘くて、味わいまろやか。せいろのタレにはネギをたっぷり入れて蕎麦湯をぽってり注ぐ。喉越しなめらか、醤油の辛味が薄まって出汁の風味やとろける甘みにお腹もしっかりあったまる。オゴチソウさまと階段あがる。そしたら茶葉をお皿にのせてあっためて青い香りのおもてなし。お店に入るときにはマスクをしてたのでわかりませなんだ。おもてなし。

 

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