鮨いしかわ

土曜日の昼、寿司をつまむ。とびきりの寿司。
場所は新宿の西口の先。エルタワービルっていう超高層のオフィスビルの地下。食堂街の一番奥にあるお店。
入り口のしつらえはこじんまりして小さく見えて、けれど結構大きなお店。個室もあればちょっとした宴会ができる広間もあってほぼ正方形の厨房のL字の二辺がカウンターという造りが独特。
普通、裏方でする職人さんへのバックアップの仕事がそこで行われていて、臨場感が満点。ワクワクします。
カウンターの二ヶ所にガラスの箱が置かれて中には大きな氷のかたまり。仕込まれたネタがそこに並んで寿司になるのを待っている。来週半ばから築地はしばらく盆休み。だから寿司を食べるのならば今だなぁ…、と思ってやってきた次第。

磨き込まれた白木のカウンター。
エッジがみんななめらかに丸まっていて、いつも磨いている証拠。
寿司を並べる舞台になるのが店の名前が刻印された木の板でこれも丁寧に磨かれている。
冷たい緑茶のグラスに敷くコースター。
分厚いタオルのおしぼりを休める器も同じ白木の木の板。
すがすがしい。

まずは貝を一通り。ツーンっと尻尾を立てたように仕上がるミル貝。サクサク歯切れて味わい繊細。
大きく分厚いホッキ貝。これもサクッと歯切れタップリ含んだミネラル分の香りや軽い渋みがおいしい。
煮はまぐりがございます…、と、これは食べずにおれぬ好物。熱の入った貝は歯ごたえ頑丈、たくましく旨味がギュギュッと詰まってる。ツメは甘くて香ばしく、喉の奥へと手渡すことがもったいなくてずっと噛んでいたくなる。
繊維がほどける感じがたのしい平貝。ムッチリとろける赤貝にネットリ奥歯を撫で回すようなホタテの柱とどれもゴチソウ。貝ってなんでこんなにおいしく、貝それぞれに個性があってたのしんだろう…、って思ってニッコリ。

中でも感動的においしかったのが「アワビ」。活きたアワビを殻から外したばかりのモノで、だからやわらか。縁のところがほんのちょっとだけコリッとしたら、残りはネットリ、とろけて消える。もっとたのしんでいたいのに、あっという間になくなってあぁ、どうしよう…、って思っちゃうほど。軽い渋みが最後に残る。それもゴチソウ。
続いて光り物をあるだけひと通り。アジに〆鯖、脂ののったイワシと続く。シンコの季節です。いい状態の酢〆にされてムワッと青い魚独特の香りと一緒にたちまちとろける。それにしてもこのヌンメリとした鈍い輝き。色気たっぷり。一個だけではもったいなくて追加で一個。ヌメヌメ輝くシンコの肌をながめながら、あぁ、あれがボクの口の中に今あるんだなぁ…、と味わいシアワセ。堪能します。

好みのネタをあれやこれやと。
まずはマグロの赤身をもらう。
分厚い切り身。舌にピトッとはりつきひんやりとさせる。
ネットリとした食感に、軽い酸味が後味キリッとひきたてる。
コチがおいしいというのでもらうと、ゴリゴリ、奥歯で音を盛大にたてるほどに頑丈。
そして旨味がにじむ。
パリパリ歯切れて、奥歯でくだける白いかは、ずっと噛み締め味わってるとシャリと混じってゆっくりとろける。
刺身じゃこうはいかないだろうなぁ…、
シャリと一緒に味わうからこそ、甘みも引き立ちなにより食感の変化をこころおきなくたのしめる。
それからシマアジ。
これが身がしまっていてブリブリでなんとおいしい。聞けば活け〆。このゴリゴリした歯ごたえが関東でも味わえるってなんとうれしい。オゴチソウ。

穴子を焼いてもらって一つは塩で、もうひとつはツメであじわう。皮がこんがり焼かれててサクサク壊れてちらかりご飯とまじる。とろけ感と脂の風味がなんとも旨い。そろそろ〆の準備にとウニを一貫。甘い。とろける、磯の風味がとても上等。身悶える。

茹でてもらったエビを一貫。
串をさしピーンッとまっすぐ背中を伸ばして茹で上がり、殻を手早く剥いてひらいて寿司にする。
ムチュンっと歯切れる。甘くて香りゆたかでニッコリします。
頭は焼いて殻から外してパクリ一口。口の中に味噌の香りが広がっていく。

〆で細巻き。トロの鉄火に干瓢巻、それからカッパがその順番でやってくる。いつもはたのむと一発でくる。けれど今日は一種類づつ。まずはトロの脂の風味、旨味が奥歯でとろける感じをたのしんで、それからクニュクニュとした干瓢巻。焦げた醤油の香りがずっしり、お腹を満たす。そして最後にかっぱ巻き。極細に千切りにしたきゅうりとシャリがパラパラちらかり、口をスッキリしてくれる。この順番でたべるからこそのおいしさたのしみ、贅沢ランチの〆とした。

 

関連ランキング:寿司 | 新宿西口駅新宿駅西武新宿駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。