岐阜に到着。とにかく暑い。そろそろ夕刻という時間なのに足元の方から熱気が上がってくるのを感じる暑さ。
「雅味近どう」で涼を取ります。
前菜のために用意された器は団扇の形の平皿で、上に料理が6種類。
天の部分に置かれた器の中には豆腐。とうもろこしのスリ流しを使って作った豆腐で甘い。上には出汁のジュレが飾られ味わい、のどごしともに涼しい。
その右側にはのどぐろの肝を甘辛に炊いたもの。反対側にはささげを固めに茹でて胡麻であえたもの。肝はネットリ、ささげはキュッキュと歯ざわり、歯ごたえ対極にある。それから鯛味噌。焼いた鯛をほぐして味噌と一緒に炒め煮。水分をしっかり飛ばして味もギュギュッと凝縮させる。手前の黄色いボールは玉子の黄身の醤油漬け。ネットリとしてほんのひとかけで玉子の旨味を代表している…、そんな濃厚。堪能します。

そして汁。
お椀の蓋に小さな水滴。
霧吹きでふきつけ無垢を表現してる。背筋が伸びる。
蓋を取る。
中からふわりと湯気と一緒においしい香り。
眼に入るのはヤングコーンに小さい球状に削ったニンジン、小さな小松菜。
野菜の下には四角く形を整えたカニ真丈。
白と黒のきくらげそえてひと揃え。
真丈が思いがけずもしっかりとした硬さで、しかも味わい濃厚。きくらげがザクッと歯切れてキュッキュと口の中で暴れるような感じもオモシロイ。
しかも今日は汁そのものの塩気が強め。暑さで汗をたっぷり流した今日の体にうれしいもてなし。
塩梅はその日の気候、あるいはそれを食べるであろう人の体調、状態に合わせて変わってしかるべき。こういう気配りがいいなと思う。鰹節とこんぶの出汁です。塩気に舌がなれると甘みや旨味が塩気の下からやってくる。体に染み入るおいしさに、体ばかりか気持ちも潤う。話もはずむ。

実は座敷に入ってテーブルについた直後に、大きな蓋付きの鉢がやってきた。
蓋を開けると中には鮎。元気でパシャッと尾っぽで何度も水を弾いてテーブル濡らした。それを焼かせていただきます…、と、串にさしてこんがりと焼く。焼き揚がった鮎が届くと煙の香りも一緒にあとをついてくるのが野趣にあふれるゴチソウです。
一人二尾というありがたさ。まだ小さめでだから頭も骨もヒレも尾っぽもみんなサクサク、お腹に収まる。焦げた皮の壊れる感じ。ワタの苦味に緑の香り。小さいながらも脂がしっかり乗っていて、ひと噛みごとに脂がじゅわっと口に広がる。夏のゴチソウ…、ニッコリします。

それから刺身。
カツオのたたきがやってくる。
脂をキレイに取り除き、皮を焦がして焼いて洗って裸にしちゃう。
それを再び表面だけを焼いて仕上げた、だから見た目がマグロの赤身のようでビックリ。
カツオ独特の臭みをほとんど感じることなく、ひんやりとした血のおいしさだけ味わえる。
普通刺身は何種類かを盛り合わせるもの。それをカツオ一種で勝負をするなんて、スゴイ勇気と思っていたら、なんと刺身の二皿目。細長い短冊状が特徴的なお皿にイカとトロが並んでやってくる。
おいしかった…。
トロの脂のとろける感じにイカの甘くてネットリとした食感どちらも上等で、 ひと皿目は季節の料理、ふた皿目は定番料理とたのしい趣向に感心す。

ここの名物のひとつのまんじゅう。里芋を潰して中にカニのほぐし身。そこにぎんあんをかけて熱々を味わうのだけど、今日はあんの中にたっぷり搾った生姜。軽い辛味と生姜の香りでお腹がポカポカ。冷たいものをお供にずっと飲んでいて、冷えたお腹があったまる。
とうもろこしのかき揚げを挟んで〆のあんかけご飯。固めに炊いたご飯の上に生湯葉くわえたあんをかけ、わさびの風味と一緒に味わう。ぽってりとあんが最初にやってきて、ご飯の粒を覆ってすべすべ、口の中を転げ回る感じをたのしむ。
スイカとぶどうでお腹に蓋して夜ふける。満たされました、オキニイリ。

 

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コメント

  1. ボルテイモアのおかず

    わーこの鮎は野趣がありますね、楽しいですね。
    今回は、前菜のうちわのお皿にびっくりです。
    こんなに素晴らしい「雅味近藤」さんですと、暑い中旅していく価値がありますね。でもどうぞくれぐれも、熱中症はお気を付け下さいね。
    (こちらも暫く35℃前後でした。ざるそばや、極細スパゲテイのエンジェルヘアを冷や麦にして、マイケルもお箸でチュルチュル食べてます)

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      ボルティモアのおかずさん
      こんなに暑くても食欲がうせないことに感謝しながらの晩御飯でした。
      こんな暑いときにでも食材を作り、とりはこび、そして料理に作ってくれる人がいることを考えたら、食欲不振なんて言ってられません(笑)。
      ちなみに今日のお昼は岐阜のお蕎麦でした。涼しかったぁ…。
      暑さにもおかわりございませんこと、お祈りしております。

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