高松のおふくろ、汁の店

徳島で仕事を終えて電車にのって、高松につく。
雨でした。かなり強いザーザー降りで、ときおり雷がゴロゴロなるような春の嵐の寒い夜。
まずはホテルにチェックイン。
いつもと違った歓楽街に近い場所にあるホテルで、ウレシイことに好きなお店の近所でござった。
「おふくろ」という店。
地元の人にも観光客にも人気の店で、おなじみさんに混じって食事をしていると「ただいま」って感じがするおがステキなお店。
厨房に面したカウンターに、惣菜類がズラリと並ぶ。それを見ながら注文するのがたのしくて、酒の肴にするも良し。「今日は食事で」ってお願いすると、嫌な顔せずお茶をストンと置いていくとこがアリガタイ。ちなみにテーブルに座った人たちも、口寂しくなると立ち上がってカウンターに近づいてくる。お店の空気がいつも動いてる…、って感じがするのがオモシロイ。

食事にします。早く部屋に帰ってしたいことがある。それで飲まずにいきなり食事。
魚をひとつ焼いてもらって、焼きあがるまでをカウンターの上の料理でのんびり過ごす。アジの南蛮漬けと煮たフキ。ほどよきサイズのアジを丸ごとガリッと揚げて甘酢に漬ける。骨までキレイに味わえて、サクサクとした皮の食感、シットリとした身の味わいにニッコリします。なにより玉ねぎがおいしくて、血をサラサラにしながらパクリ(笑)。
フキの苦味に、春の訪れ感じつつ、それから漬物。お通しじゃなくご飯のアテがやってくるのが気が利いたとこ。一番手前の大きな豆は讃岐名物「しょうゆ豆」。硬めに茹でたそら豆を甘辛醤油に漬け込んだだけ。素朴な味がオゴチソウ。

魚はサワラを選びます。
瀬戸内地方にいた頃には、とても身近でよく食べていた。
関東に行くとサワラはメジャーじゃなくて、粕漬けなんかにして食べるもの。
生をこうしてこんがり焼くのはやはり田舎の贅沢でしょう。
ネットリとした肉の食感。
繊維が強くて肉感的で、旨みが強い。
香り濃密で、焼けたおいしい匂いだけでご飯が食べてしまえそうなほど。

味噌汁が名物でもあり、汁の種類だけでもあれこれ10種類ほど。
今の季節は牡蠣汁だったり、白子汁と、元気の出そうな汁もある。
隣の女性がやってくるなりビールを飲んで、カツオのタタキをつまみに冷酒、グイッと煽り、白子汁をすすって出てった。
かっこよくって気絶しそうになりました(笑)。
実により赤味噌、白味噌あるいはおすましと汁の種類が異なって、ボクは大抵、玉子の味噌汁。甘い田舎の白味噌を使って仕上げるポッテリ味で、これさえあればご飯が一膳、いけてしまいそうなオキニイリ。

大きなお椀にたっぷりとくる。玉子は一個。大きめのモノがゆったり白い汁の中を泳ぐがごとく優雅な姿でやってくる。白身がユラユラ、ワカメにエノキ、ニラにネギと具材たっぷり。玉子を箸で2つに割ると、黄身はほどよくとろける半熟。とろけだしてきた黄身がかたまり、白いお汁に模様を作る。ムチュンと白身、ネットリと黄身。口をおいしくよごして消える。
ご飯はちょっとやわらかめ。できればもっと硬めのご飯が好みだけれど、おそらくお酒で疲れた口にはやわらかご飯がいいのでしょうネ…、これも個性と思って食べる。冷たい雨の夜というのに、お店の中はあったかで、お腹もあったか。さぁ、帰る。

 

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