高円寺。マシタで嘆き、生のフォーで気を取り直す
高円寺はアーケード街のある町。パル商店街の入り口付近が母の実家の高松のアーケード街に似ていて、来るとなんだかホッとする。
タナカくんも高松の商店街近くに5年近く住んでいたから、なつかしいねぇ…、って来るたび言ってた。なつかしい。
中央線のガード下のあやしいムードもオキニイリ。
夜は特ににぎやかでここにしかないいろんな店があるんですよネ。どこも安くてたのしい人たちが集まっていて、こういう東京ってステキだなぁ…、ってよく来てた。
ところが最近、再開発で「高円寺マシタ」っていう施設ができた。
「高円寺」に暮らす人々が紡いできた文化を大切にしながら、「高円寺らしさ」をこれからもつないでいく場所でありたいという想いで、「高円寺マシタ」=「高円寺の文化のもとに」という想いを込めてのネーミングといたしました。
…って名前の由来と開発コンセプトをホームページに書いてある。
線路のマシタだからマシタって名前にしようぜって決まったけれど、線路のマシタじゃまんますぎてカッコ悪いから一生懸命後付けしたに違いなく、しかもテナントといえばケンタッキーにサントリー系のバルにタリーズ。どこにもでもある店ばかり。
企画段階では「ここにしかない場所」を作ろうと盛り上がるけど、高い保証金と家賃を払える会社を探したら結局どこにもでもある店がメインになっちゃいました…、って再開発施設らしい結果に笑っちゃう。
気を取り直して昼ごはん。「チョップスティックス」っていうベトナム料理のお店にきます。
タナカくんが見つけてきた店。
すごい場所にあるんだよ…、って言われてつれられてきたのが駅前の八百屋さんの前。
店を挟んだ真ん中に通路があって、ここを通って行くんだよってズンズン奥に入っていったときにはビックリ。
しかもここネ…、って指さした先には「大一一番」って緑の看板。市場と書いているけど市場のようには一向に見えぬ古ぼけたビル。営業しているのかどうかわからぬ入り口を、かまわず入ると薄暗い通路の両側にお店の看板やネオンが光るあやしい空間。
隠れ家といえばかっこいいけど、よくもこういう場所で商売をしようと思ったなぁ…、って呆れちゃう場所。ちなみに八百屋さんのおじさんがちょっとタナカくんに似ていて今日の写真はそこにフォーカスあてました!
ビルの中はアジア料理のお店やラーメン店。
夜に来ると居酒屋街のような雰囲気にウキウキできる。
ボクが市ヶ谷に住んでた頃には、電車一本で来れたからよく来てた。
四谷三丁目に引っ越してからは乗り換えしないといけなくなって、しかもベトナム料理といえば近所のティンフックって感じになって、来なくなってた。
最後にきたのは2年前。
牛すじとトマトのフォーを選んで食べる。大好きだった一品で、あとで調べてみたら2年前にもそれをたのんで食べていた。
透き通ったスープの上に生のトマトに牛すじ肉。刻んだパクチー、水菜が浮かんで色合い鮮やか。食欲さそう。
生のフォーを使っているというのが自慢でたしかに麺がおいしく独特。
乾麺にはないなめらかさ。噛むとむっちり、歯ごたえがありおそらく表面に細かな凸凹があるのでしょうネ…、スープをたっぷりたぐりよせて口の中が潤う感じがオゴチソウ。
牛すじ肉はよく煮込まれてホロホロしっとり。脂がムチュンと潰れて甘みが口に広がる。五香粉の香りと脂の風味が混じって東南アジアな香りがするのがたまらない。
牛すじ肉の煮込みがタナカくんは大好きで、肉屋さんで筋の塊を買ってきては時間をかけてよく煮込んでた。煮込んだスープもおいしくってよくラーメンを作ってくれた。なつかしい。生のトマトの酸味がスープのどっしり味をさわやかにして、香り野菜もたっぷりでいい。
セットで海南鶏飯がついてくる。スープで煮込んだジャスミンライス。むっちりとし蒸し鶏にここにもたっぷり香り野菜。タナカくんはパクチーが嫌いだったからいつもパクチー抜きでたのんでた。おいしいのにね…、もったいない。
八百屋さんのおじさん、猫背っぷりが田中さんっぽいですねw
めるばさん
ひょこひょこ歩くところも似ていて、しばらく見入っちゃいました。