食べ放題にしなくても…。

岐阜の愛西という地区に新しい焼肉屋さんを作っております。
店はほぼ完成し、現在、サービス、調理の最終仕上げをしている最中。
「焼肉ドラゴン」という名前で、もともととんかつの専門店があった場所。建物の箱だけ残して、お店の中は徹底的に改造し居心地の良い焼肉店に模様替え。
入り口を入ったところにショーケース。
精肉店も兼ねていて、販売用の肉や肉の加工品が並べられる。販売用といってもお店で使う肉を切り分けお皿に並べれば商品になる状態にしておさめる。つまり「在庫が厨房の奥ではなくて手前にある」だけ。明宝ハムが置かれているのが、地域柄って思って笑う。実は噂に聞いているものの、まだ食べたことのない憧れ食品。今日は食べてやるぞと試食の前から手ぐすねを引く。

ショーケースの後ろ側に厨房。厨房の1番目立つところにスライサー。作業用のステンレスのテーブルがそれに続いて、肉屋さんを見ているよう。炊きたてのご飯を収める大きなジャーにスープを炊いた寸胴、それからIHヒーターがいくつか置かれてそれでおしまい。最近なかなか見ない焼肉をおいしく提供するためだけにしつらえられた機能的なる厨房、見事。
4人がけのテーブル4つ。6人がけのテーブル4つ。椅子が4つ並んだカウンターに二人用のテーブル1つ。全部で46席。厨房のどこに立ってもすべての席が見渡せる。だからサービススタッフを呼ぶためのボタンもなしと、先祖返りしたような店の姿が新しいのになつかしい。

ロールプレイングにお客様役でやってきました。
男性スタッフはみんな180センチ越えの体格のいい人たち。
女性スタッフはみんな笑顔が明るくて、もうそれだけでこの店、人気が出るだろうなぁと予感をします。
まだ不慣れなところもいくつかあって、初々しいのがまたいい感じ。

メニューは絞り込まれて、数は少ない。
肉、ホルモン類だけだったら30種類ほどしかなくて漬物、サラダ、スープにお茶漬け、ご飯に冷麺。中でもホルモン類が充実していて、肉、ホルモンをたらふく食べてご飯に汁で腹一杯になって3000円から3500円。酒を飲んで騒いでも4000円くらいで十分満足できる価格にボリューム感。食べ放題に行く必要がないのがウレシイ。試食をします。

食べ放題の焼肉というのは「面」で戦う。
普通の焼肉屋の戦いは「点」の戦い。
圧倒的なバリエーションとどれだけ食べても安心という「壁」で戦う食べ放題は、攻めるというより守りの商売。
たくさん食べられても損を出さないことに一生懸命になるというのは守る戦いに違いなく、一方、普通の焼肉店はひと皿、ひと皿を槍や刀のように使って切り込んでいく。ひと皿分の品質と値頃感を随時突きつけ、お客様との真剣勝負を試み、続ける。攻めの商売に違いない。
発酵させない白キムチ。野菜サラダはパリパリおいしい。肉、ホルモンもタレがおいしくちょっと強めの味付けでご飯やビールをおいしくさせる。明宝ハムもめでたく焼いて肉を食べてるみたいな歯ごたえ堪能しました。間もなく開店。おたのしみ。

コメント

  1. koku

    全品均一料金やオーダーバイキングも、食べ放題と同じことが言えるんでしょうね。
    店は利益が出る商品と赤字が出る商品をどちらも頼んでもらって相殺することを前提でメニューを組んでると思うのですが、客だってバカじゃない。何がお得かなんて主婦じゃなくても私のようなジジイですら直感ですぐに見抜いてしまう。

    そして、これは私が卑しい人間だから思うのですが、「好きだから」ではなくて「お得だから」という理由で、そればかり頼むのが人間の哀しいサガではないかと。
    例えば寿司のバフェで状態のよいウニとトロと小肌が並んでいて、ウニもトロも美味しいけど自分は小肌が一番が好きだから・・・とそれしか頼まない人はかなりデキた人でしょう(笑
    店は相殺できないから値上げするしかなく、値上げしたら唯一のウリがなくなるわけですから客が逃げるのは当たり前。

    結局、食べ放題や均一料金は「好きなものを選んで食える」がウリではなく、「高いものを安く腹いっぱい食える」というハンティング欲、つまり「征服感が付加価値」になってしまう傾向にあるんじゃないかなあと思っています。
    だとしたら、このシステムは「絶対に」限界があるんですよね。だって限界突破したら店が潰れるわけですから(笑

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      kokuさん
      食べ放題が「食べたいものを好きなだけ食べることができる」システムとして受け入れられるか、「得するものばかり選んで食べることができる」場所として認知されるのか。
      大きな違いですよね。
      牛丼やドーナツ一個がただになるからと何十分も並んで平気な人たちって、その時間で他になにかたのしいことができたはずなのに、なんでわざわざ、損するようなことをするんだろう…、と思える人にこそ、食べ放題の店は使ってほしいなぁと思ったりします。

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