飛行場にて鹿児島の蕎麦

鹿児島空港で今度の旅のしめくくり。晩ご飯を空港内の「ふく福」というお店でいたす。

juうどんのおいしい和食店を鹿児島全域に展開している会社のお店。
飛行場の中のお店にしてはしっかり作り込まれたモダン和風のインテリア。できてかなり時間が経っているはずなのに、メンテナンスも丁寧にされてて、商売に対する愛情感じるステキ。

昔、ボクが無謀にも讃岐うどんのお店を博多に作ったときに、九州のうどんは讃岐のうどんとまるで違ったうどん。
コシがなくってなめらかで、出汁の傾向だってまるで違った料理だから、甘くみない方がいいよ。…、と、忠告してくれた人がここの経営者。
料理は文化。
おいしきゃいいんだ…、というような、不遜な態度を戒める一本筋の通った人でありました。
その時は頑固で古い考え方の人だなぁ…、って思ったんだけどやっぱり料理は文化だったと、そのあと気付く。
気づいたところで遅きに失した結果となった。ここに来るたび、そのときのことをいつも必ず思い出す。なんだかしみじみなつかしい。

ju nikusobaうどんがおいしい店ではある。
けれどいつもここではそばをたのんで食べる。それも肉そば。

鹿児島というところ。蕎麦食文化が昔からある。
郊外に行くとそばの大型専門店が結構あって、どこもがかなりにぎわっている。
土地の痩せた山間部が多いということがあるのでしょう。しかも標高高く霧が湧き出る土地も多くて、小麦粉育てるに適さぬところで、育つ穀物はそばのようなモノ。
それでなのかもしれません。
それでこの店。
うどんばかりか蕎麦まで自家製。
自家製の出汁に、黒豚の肉と、まさに鹿児島ならではの蕎麦を食べずに、街をあとにはできますまいと、それでたのんで、ズルリと食べる。

ヌッタリとしたなめらかな蕎麦。風味豊かで熱々の出汁のなかでどんどん粘り気を出す。
ズルンとたぐると味わう口の中で軽く暴れて、お腹の中にスルンとたちまち収まっていく。うどんと異なる情報量の多き細麺。
表面がざらざらしていて、それでたっぷり出汁を一緒にたぐり寄せ、口の中へと運んでくれる。

ju sobaこの出汁がうまいのですね。
昆布、鰹節のバランスほどよく、酸味をほとんど感じぬおいしさ。もともと甘く、そこに黒豚の脂の甘味が混じって体を温める。
脂で蓋して、なかなか冷めてくれぬうえ、しゃもじやレンゲがついてこないから丼持ち上げスープをすすることになる。
空気をたっぷり含ませるよう、ズズッと大きな息を吸い込みスープをすすると、当然出汁が空気を含む。
脂の陰に潜んでた出汁の香りや風味が空気に触れて、はっと目覚めて鼻から抜ける。
あぁ、この味だ。
私的おいしいものでランキングに、肉そば部門がもしあったなら、おそらくこれがチャンピオン候補。今日も味わい、ニッコリします。

ゆずコショウがついてくるのが鹿児島流儀。
豚肉にのっけて食べると、それはまるで豚しゃぶで、塩味、辛み、香りに風味が整い豚の脂をおいしく感じる。ぷるんと脂の食感たのしき、オゴチソウ。

ju omutamaセットでおむすびもらいます。
二個で一組。しかも1個が大きくて、おむすびだけで十分お腹が満たせそうに感じるサービス精神が、南九州的なるおおらか。
具材は使わず海苔と塩だけ。
米粒ピカピカ。ひとつひとつが立っていて、口に含むとはらっとほどけて、ご飯を結ぶ前の状態になっていく。
口いっぱいに散らかるご飯。
塩の風味が控えめで、だから何か一味ほしくなったところで、出汁をごくりとすすって味付け。
互いが互いをおいしくさせるよき組み合わせ。

おかずをひとつ…、と、だし巻き玉子を選んでたのむ。
そばのスープに負けぬ甘くてしっかりとした出汁を加えて焼き上げたもの。固めにキッチリ、几帳面なほどしっかり焼けた玉子焼き。ばっさり前歯で歯切れて卵のうまみ口に散らかっていく。
気がすみました…、さぁ、移動。

 

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と思うまもなく館内放送。上空の天候不良のために搭乗時間が遅れます…、と。確かに空は荒れ模様。ならばとロイヤルホストでしばらくお茶を飲む。

royalroy博多出身の会社であります。機内食にも強い会社でだから空港ロビーの一番いい場所にお店がある。
昔と変わらぬ豪奢な造り。飛行機旅がエレガンスをまとった時代がそのままここに残っているのがいい感じ。

それにしても彼らがかつて夢見た会社。アメリカのマリオットっていう機内食からレストラン、ホテル事業を総合的に経営している、その事業モデルをひたすら一時期なぞっていたけど結局、日本という小さな市場では夢を果たせずシュリンクしちゃった。
かたやモデルのマリオットは、先日ライバル企業を吸収合併。世界で一番大きなホテルチェーンになった。日本一のレストランチェーンなんか目指さず、世界にもしも出ていたら今はずいぶん違っていたかもと思いもします。
あれこれいろいろなやましい。

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