頂上麺で頂上麺

東京駅ではじまった今日一日が東京駅で終わる夕刻。
頂上麺で夕食をとる。
東京駅の八重洲側。中央改札口を出て左に向かってひたすら歩くと舞妓ちゃんがお辞儀するブレードランナーみたいなデジタルサイネージがあってその先。
キッチンストリートっていう飲食店が集まった商業施設の入り口部分。
ちょっと背伸びすれば叶う贅沢…、っていうのがテーマで集められたテナントばかりで構成された食堂街です。こういう施設には珍しく開業当初からほとんどの店が変わらずやれている。続かなかったのはイタリア料理のアルポルトがプロデュースした店だけで、そこは何度も店が変わった。みんな苦戦をする場所で、商業施設に限らずどんな町や商店街にもそういう場所があるものです。オモシロイ。

メインは店名と同じ名前の「頂上麺」。土鍋でグツグツ、沸騰しながらやってくるのが特徴のふかひれ煮込みつゆそばで、ほとんどの人がそれをたのむ。今日もほぼ全員が土鍋と格闘してらっしゃった。ボクのオキニイリはふかひれ煮込み焼きそば。煮込みそばにはないシズル感が味わえるのがオキニイリ。
提供方法が独特で、まずお店の人が器をふたつ持ってくる。どちらも熱々。木皿を添えて器用に手に持ち、お待たせしました。
ひとつは熱々に熱した陶器の平皿。中には麺が盛り付けられててすでにバチバチ、焼ける音。もうひとつは柄付きの土鍋。熱々のふかひれスープが入ってる。それを目の前で平皿の麺の上に注いで出来上がり。
ジャーッと湿った音と一緒に猛烈な湯気。平皿の中ではとろみスープがグツグツ、小さく沸騰してる。湯気でレンズが曇ります。

ぽってりとしたとろみの強いスープです。
だから泡は重たく頑丈で、ゆっくりできてゆっくり爆ぜるの繰り返し。
ふかひれスープ独特のおいしい匂いが漂ってくる。
バリバリにやけた麺です。
細くて角張った蒸し麺を多めの油で焦がしながら仕上げてる。
焦げたところは揚げ麺のよう。バリバリ折れて壊れるような歯ごたえがある。
それがとろとろのふかひれスープと一緒に口の中にやってくるとざっくりとした歯ごたえととろけで口が騒々しくなる。オイスターソースで味を整えらたスープはまごうとこなきふかひれスープのそれだから、あたかも麺そのものがふかひれみたいに振る舞うところがなんともおいしい。

ふかひれスープといいながらも、ふかひれそのものは探さないと見つからないくらいの分量。しかももやしの根っこのようなサイズでそれだけ見るとどうしようもないほど貧しいふかひれスープ。けれど食べすすめるとそんなことなんてどうでも良くなる。
パリパリしていた麺がゆっくりスープをすってネットリしてくる。スープがたっぷり含んだゼラチン質がスープの表面にさざなみような模様を描く。なんとおいしい。胡椒をたっぷり、黒酢も注ぎ味に奥行き、深みをたしつつ味わっていく。熱々の器のおかげでずっとスープの温度が下がらず、舌から喉をやけどしそうになるのもかまわずフーフーハフハフ。唇同士が貼り付くようなふかひれあんのゼラチン質と濃厚味を堪能しました…、オキニイリ。

 

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