雲林坊でお勉強

九段下に「雲林坊」という店がある。
ランチ時にはいつも行列。人気の店で、その人気がもう7年近くも続いてる。
最近、とみに人気が増してるようで秋葉原や日本橋と支店が次々できている。
もともと神田の四川料理店の「担々麺の専門店」という位置づけでできた店なんだけど、もしココがただの「担々麺がおいしい店」だったとしたらこんなに繁盛が持続することはなかっただろう…、とボクは思う。
担々麺はたしかにおいしい。けれど厨房の中で一番大きなスペースを割かれ一番ニギヤカに動き続けているのは中華レンジ。そこでできているのは麻婆豆腐。実体などちらかと言えば麻婆豆腐の専門店。
それが証拠にかなり多くの人が担々麺ではなく麻婆豆腐麺をたのむし、担々麺を選ぶ人もミニ麻婆豆腐丼を注文する。

ならば「麻婆豆腐の店」となのればいいか…、というと、麻婆豆腐の専門店の市場は小さい。
今の町中飲食店にとって、安定した売上高を取ろうと思えば、サラリーマンのランチ需要に対応することが一番の近道。
その代表がラーメン店です。
ただラーメン市場は競合激しい。
差別化しないと生き残れない。だからみんな創意工夫に試行錯誤をくりかえす。
工夫の一つに「担々麺」というのがあって、担々麺のお店が増えた。
担々麺のお店は差別化のために担々麺をひたすらおいしくしようと努力する。
でもラーメン世界で商売上手な人たちは、魅力的なサイドメニューを充実させる。例えば炒飯、例えば餃子。ラーメン自体に迫力があれば白いご飯をおいしくするだけでもお店の魅力がましてくる。

ここはそれが麻婆豆腐という具合。だから麻婆豆腐の定食がある。この「定食がある」というのはサラリーマンのランチレストランとしてはとても重要なコトで、今日も結構、麻婆豆腐定食をたのんで食べる人がいた。

ボクは麻婆豆腐の汁そばをえらんでたのんだ。
上湯スープに醤油ダレ。
麺は細めのストレート麺。固めに茹でてザクザク歯切れる感じがたのしい麺をスープに沈めて、そこにできたばかりの麻婆豆腐をとろりとかける。
辛味と痺れを好みで選んでたのめるところがここの特徴のひとつでもあり、辛味ましで痺れは普通にとお願いしました。
ごはんセットっていうのがあって、炊きたてご飯に半熟煮玉子、千切りザーサイでひと揃え。
半熟煮玉子をまず麻婆麺の上にのっけてあっためる。
それにしてもココの麻婆豆腐は本当においしい。まず豆腐そのものがおいしくて、しっかり水が押し出されガッシリとした歯ごたえがある。味がきちんと豆腐の中まで入ってて中国的なスパイスの香りも濃密。今や家でも簡単に作れる料理の代表だけど、麻婆豆腐ほど素人料理とプロの料理の違い激しい料理はあまり他にない。

ご飯がおいしいのもいいとこです。舌をつねるような辛味にヒリヒリした舌が、白いご飯でいやされる。麻婆豆腐をご飯の上にのっけて食べて麻婆丼。ご飯をれんげですくってスープに浸して食べると、麻辣ご飯のようになる。
いろんな食べ方を試せるところも、こういうセットのいいところ。
お店の中は不思議に静か。厨房で麻婆豆腐をつくるため鍋をひっかく音がしきりにする以外、あまり音がしないのですね。
熱々。しかも辛くてみんなおそるおそる麺を持ち上げモグモグ食べる。ズルズルすすることができないで、それでみんな静かに食べる。おそらくいつもは早食い得意なおじさんたちも、ユックリゆったり優雅に食事をしているように見えるところがまたオモシロイ。
汗ダクダクになってお店を出るとそこにはスゴイ行列。空は明るくクラクラしました。オキニイリ。

 

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