雨の土曜日、峨眉山で昼

ひさしぶりに東京でのんびりする今日。朝から雨でひんやり寒い。体を芯から温めるような昼にしたいと峨眉山にくる。
それにしても四谷三丁目の街は静かで、冷たい雨のせいもあってでしょう。街の景色がよそよそしい。
お店に入ると、ほぼ満席。店に向かう通りには誰も歩いていないまるでゴーストタウンみたいな静かさが嘘のようなにぎやかさ。ちょうど一組食事を終えてあいたテーブルをもらって落ち着く。
お店の壁には真新しい大きな熊手。酉の市も終わってすっかり季節は冬です。
昼のメニューは10種類ほど。定食の定番は麻婆豆腐。麺の定番は担々麺。どちらも四川料理が今のように人気の料理になる前から、ずっとここの名物料理。そう言えば東京に住むようになって初めて家族できた四川料理のお店がここ。なつかしい。

麻婆豆腐の定食をもらう。
ここの麻婆豆腐は豆腐が細かく砕けて仕上がるタイプ。
豚ひき肉がたっぷり入って、かなり強めのとろみがついてスプーンですくうとプルプル震える。
こんなに豆腐がこわれているのに口に含むと豆腐の存在をしっかり感じる。
たっぷりまじるひき肉のホツホツとした歯ごたえが、豆腐のやわらか、なめらかをひきたてる。
ビリッと辛くて強い旨味がずっと持続していくステキ。
粉山椒がついてきて、パパッとかけると辛味にしびれが混じって舌がブルブル震える。たまらずご飯を食べると実際の熱々以上に熱々で舌が焼けるような気がする。水を飲んだら甘くてとろける。山椒の力は魔法的。

友人がたのんだメインは牛肉とセロリの芥子炒め。
太さを揃えた細切りの牛肉、セロリにニンジン。
酸味をきかせてピリッと辛い。
シャキシャキ、サクサク。
歯切れる感じがたのしくて、噛むとジュワッと旨味が広がる。
セロリの香りが鮮やかでご飯がおいしくすすむ味わい。

昼の定食には必ず小さな料理がひとつ。
これがいつも中国料理と縁もゆかりもないものなのがむしろ好き。
今日はかぼちゃのマヨネーズ和え。
ほどよくコツコツ感をのこして茹でたかぼちゃの食感、甘みがおいしい。
細切りの大根の醤油漬けはいつもの定番。コリコリカリカリ食感たのしくみずみずしくて、八角のエキゾチックな香りが大好き。オキニイリ。今日のスープはモヤシとなめこの塩味スープ。軽いとろみとモヤシのシャキシャキした食感が奥歯や喉に心地よい。

五目焼きそばを一つたのんで二人で分ける。
ここの焼きそばは担々麺で使われる極細の麺をむし、強火でパリッと焼き揚げ上にたっぷりあんをかけたもの。細いのだけど力強くて歯切れよく、パリッと焼けたところはザクッと壊れて香ばしい。
醤油風味の強めのあん。豚肉にエビ、白身魚に白菜、ニンジン、たけのこ、小松菜、キクラゲと具材、たっぷり。なにより多彩。あんを具材と一緒に御飯にのせて食べるとまるで中華丼。パリパリサクサクしていた麺も餡をすいこみポッテリとして、徐々になめらかになっていくのがオモシロイ。杏仁豆腐を最後に食べて、お腹に甘い蓋をした。

 

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