雅味近どうで鶏三昧

毎月の岐阜。今日もオキニイリの「雅味近どう」。
座敷に落ち着き床の間をみる。飾り雛の掛け軸がかかり間もなく春の予感をさせる。いつも同じ座敷を使ってて、掛け軸が季節でかわるということを今日ほど意識したことはない。とてもわかり易い季節感。

前菜がやってくるとこれまた可愛らしい。
小さな楕円のお盆の上にはまぐり型の小さな器。奥にお内裏様とお雛様。なんとめでたい。上半分が蓋になっててとると中の料理もかわいい。手前の器にはタコの足のやわらか煮。イワシの梅煮に茹でた芽キャベツ。だし巻き卵にもずくとクラゲの頭の酢漬け。梅色に染めた白魚と春の装い。内裏様の中には青菜のごまよごし、お雛様にはトマトの出汁びたしに胡麻豆腐。お腹をたのしく準備する。

今日は実はテーマがあった。
地鶏を食べつくすコースを仕立ててみましたという。
そのひと皿目はささみを蒸してほぐしたサラダ。
オニオンスライスと明日葉、大葉。トマトをあしらい爽やかに。
本当はささみをたたきにあつらえようと思ったんだという。けれどたたきは控えるようにといろいろ指導があって、それでサラダになったという。
無粋な指導があるものです。
二皿目にはモモの炭焼き。皮目をバリッと焼き上げて胡椒に山椒で風味をつける。地鶏、しかも親鳥なのでしょう…、顎を動かしひたすら味わう。滋味と野趣に溢れた味がする。

メインは鍋です。卓上コンロが用意され、まずは野菜がやってくる。白髪ねぎがメインにどっさり。若竹の穂先ににんじん、しいたけが吹き寄せ風にあしらわれ、水菜に豆腐、エノキタケ。
土鍋にスープ。キレイな脂がキラキラ浮かぶ。試しに一口飲んでみると、これがおいしい。上等にとったチキンスープと鰹節出汁。昆布の甘みで味が整い、これにラーメンを入れて炊いたらおいしいだろう…、って思ったりする。
メインの鶏は地鶏のもも肉。脂がたっぷりのっていて、かなり長めに炊いても肉が縮まずおいしい状態のまま。ポン酢に紅葉おろしにネギでひと揃え。

クツクツ炊いてハフハフ食べる。
途中でつくねがやってきて、それもクツクツ。
鍋の中はにぎやかになる。
野菜の旨味や風味に香り。鶏の味わいが汁にとけ味がどんどん深くなってく。感心するのがあくがまるででないこと。脂はとけて鍋の表面がどんどんツヤツヤしてくるのだけど、スープはキレイなままという。
稲庭うどんをそこにうちこみ、鶏天のせて〆うどん。
スルスル麺が喉を撫で、どっしりとした旨味、甘みをたたえた汁がおなかをポカッとあっためる。
実は鶏肉があまり得意でないワタクシメ。特に癖の強い地鶏は苦手でブロイラーの胸やささみが一番得意。けれど調理の仕方によってはおいしく味わい、食べられるんだ…、と新たな発見。いちごの甘味で〆とした。

 

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コメント

  1. なすび

    なんかものすごっくひっさしぶりにエノキタケをみました、いいな〜!
    おひなさまの器がまあかわいらしいこと!!

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      なすびさん
      これほど堂々としたエノキタケの扱われ方ってなかなかないですよね。日本料理って器の料理。季節を表現する遊びココロもステキですよね。

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