銀座ウエストのハムが主役のキラキラな朝

銀座で人と会う予定の今日。待ち合わせの時間は昼前なのだけれど、なんだかウキウキ気持ちがせいて早めに到着。東京の朝は明るい朝で、空も青くて気持ちいい。
明るい気分に拍車がかかって、銀座ウエストに飛び込んだ。
この時期、お店に入るのにビクビクします。中の様子が無残な感染予防モードになっているんじゃないかと、おそるおそる店のドアを開けることが多くて今日も、ほんのちょっとだけおそるおそる。
店の様子はほぼ変わらずで、レジのところに透明仕切りがつけられてるだけ。検温と手の消毒がいらっしゃいませの挨拶がわりというのが少々難儀だけれど、それも今ではしょうがない。白いテーブルクロスに椅子の背板のカバーも健在。ベートーベン殿の胸像はいつも通りに苦虫顔で、今の世界のムードのようであったりします。オモシロイ。

サンドイッチをひとつたのんで、アイスコーヒーをお供にとった。
テーブルの上は相変わらずキラキラしてます。グラスの上に金箔押しの天使が待って磨き込まれた銀製ピッチャー。中には濃厚クリームたっぷり。お待たせしましたとやってくるアイスコーヒーは下皿付きで、銀色マドラーと細かな水滴もキラキラ気分に拍車をかける。
ほどよく苦く、ほどよく酸っぱいアイスコーヒー。クリームを注ぐと氷の上に浮かんでしばらくずっとそこにいる。乳脂肪分をたっぷり含んだおいしいクリームの証でござる。それもユックリ混ざっていって濃厚味のカフェオレになっていくのがたまらない。

朝のメインが到着します。
ハムトーストサンドを選んでたのんだ。
何種類かあるサンドイッチの中でも独特。
他のサンドイッチは具材とパンのバランス絶妙。いかにも上等なサンドイッチという仕上がりで、けれどこれは薄切りのパンの間に分厚いハムが層なす男前系。
ハムはソテされあたたかく、脂がひんやり唇濡らすほどに自分を主張する。あくまでハムが主役であたかもハムステーキを手掴みで食べているような感じさえする。
トーストは軽く焦げてはいるものの生地の水分がほどよく残って、歯触り、歯応えといった気配をあまりもたぬ状態。だから尚更ハムの存在感がアピールされる。

調味料といえばパンに軽く塗られたバターくらいで、にもかかわらずハムの味わい、風味で十分、味が整い満足できる。レモンを搾ってほどこすと脂の風味が軽くなり、すっきりとした香り、後口がたのしめるのもありがたい。
それにしても丁寧にして入念です。おもてなしの心が形になって溢れる。
例えばレモンの皮はキレイに削がれてギュッと搾っても苦味が酸味を邪魔しないようにしてくれている。ミルクのピッチャーは取っ手が注ぎ口に対して直角に付けられていて小さな動作でタレなく確実に注げるようになっている。背筋の伸びるステキがステキ。
食事を終えてアイスコーヒーをおかわりしました。すると「ストローはお使いになりません…」と厨房で申し送りがされている。さすがにステキでニッコリしました。今日の朝。

 

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コメント

  1. Leocco

    キラキラ素敵です。
    ストローはお使いになりませんの厨房でのコメントも、お客様をちゃんと見守っていて素敵です。

    今度そのキラキラを、味わいに行きます!

    • サカキシンイチロウ

      Leoccoさん
      ここしばらくの銀座はキラキラが行き過ぎてギラギラしていました。
      今回の騒動で毒が抜けて、ただしいキラキラが戻ってくることを願ってやみません。

  2. いにしえ

    サカキ様
    先日、ふと、もう本当にずっーーと、電車に乗って遊びに行ったりなんてしてないな、もう少し落ち着いたらまずどこに行きたいかな?と思ったときに、はっきりと、銀座ウエスト!と思い浮かびました。日常のちょっと先にあるキラキラに包まれたい。ホッとするというよりは凛とした空気が、返って大切な時間を取り戻せるような気がするのですね。
    そして、これまた数日前に、だし巻き玉子が食べたい、行くならやげんぼりだ!と声を出しておりましたら、サカキさんがちょうど行っておられました。何だかシンクロしております。こちらは、先日の美松さんの投稿を読んで、玉子焼きなら私はだし巻きだなーと思ったので、シンクロというよりはしっかり影響受けている訳でございますが。やげんぼりさんもあの空間、空気感も含めてのちょっと特別な場所で、それが恋しいのかもしれません。
    どちらもサカキさんのレポートで、まるでそこに居たような気持ちになることができました。もう少し様子をみてから、早く行きたいです。

    • サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      家の厨房で気軽に作ることができないものを食べたい。ならばデリバリーとか通販を利用すればいいじゃないかという風潮があったりします。
      けれど本当においしいものって、その料理を作ってくれる人の姿であったり、それが出来上がる厨房の気配、そして食べさせてもらう空間があってはじめて成立するもの。
      だから「行かなくちゃ」どうしようもないことなんですよね。
      だから今の「行きたくても行けない状態」が長く、しかも広範に続いているというのが食いしん坊にとっては一番の問題なんだろうと思います。食べたいものがシンクロしているってなんだか心がつながっているみたいでとてもうれしいです。ありがとうございます。

      • いにしえ

        食べたいものがシンクロするときは、胃袋もつながってますね。胃袋メイトです(笑)
        その場に行かなくちゃいけない、本当にその通りなんです。この時期、色んなお店、名店と言われるようなお店もテイクアウトや通販を始められて、家に居ながら普段行けないようなお店のものが食べられる!と嬉しく思ったりもしましたが、もちろんそれはお店でいただくことの代わりにはなりません。それは、メニューが違うとか味が落ちるとか出来立てでないとか、そういった理由ではないなと感じていたのですが、飲食店で食べることは、人や空間も含めてその場で過ごす時間、経験だからなのですね。
        お店の方ももちろんそれは十分に分かった上で最善を尽くしていらっしゃるので、次に伺うことに想いを馳せながら美味しくいただいております。

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