銀座の真田。二軒目だけどなぜかシックス

銀座SIXにやってきてみた。かつて松坂屋があった区画をまるごと使った要塞みたいなガラスと鉄でできた箱。
憐れなほどにガラガラで、吹き抜けに面して置かれたフカフカの椅子でサラリーマンが居眠りしてた。靴を脱いで靴下までぬぎ本格的に寝てるのに誰もとがめず、むしろそんな景色がぴったりするような空虚な空間。
たのみの中国からの観光客からもそっぽむかれはじめてるよう。
にぎやかなのは昼時の蔦屋書店とレストランが並んだフロアくらいでしょうか。
「真田」っていう蕎麦屋にきてみる。ゆったりとしたモダンな空間。座り心地がよい椅子に大きなテーブル。このフロアのレストランの中でも1番人気のようで開店30分ほどでほどよく満席。昼の簡素なコースをたのむ。

前菜料理に野菜の天ぷら、せいろがついてひと揃えというもの。
料理提供は若干スロー。買い物途中にのんびりすごす店なんでしょう。噂話や世間話でにぎやかな女性グループ二組に挟まれ、銀座マダムの気持ちをしばし耳学問。
そば茶をお代わりするタイミングで料理が到着。

四角い大きなお皿に料理が7つ。
野菜サラダの上に大きなマグロの切り身が一枚。
普通の刺し身の切り身2枚分ほどのサイズの刺身がうれしい。揚げたズッキーニに海老芋を出汁で炊いたの。
軽くふかしたじゃがいもに生のきゅうりに紅芯大根。麦味噌つけて味わう趣向。
大根、にんじん、高野豆腐の含め煮や豆の含め煮で味わう豆腐。鶏胸肉のたたきは甘い出汁醤油でわさびと味わう。
赤こんにゃくにアオサのこんにゃく。もろみをのせた刺身風。味はしっかり整って、やっぱりこれは酒を飲みつつのんびり味わう提案なのに違いない。
そばと野菜の天ぷらが続いて到着。「さなだ蕎麦」といえば、池波正太郎の小説「正月四日の客」で描かれる本所枕橋の人気の蕎麦屋「さなだや」で正月4日にだけふるまわれるさなだ蕎麦を思い出す。

辛味大根の絞り汁で味わう辛いせいろ。
あまりの辛さにおなじみさんは正月4日にさなだやに行かぬようになった…、ところからはじまる人情話の小道具。
とは言えここの蕎麦は普通のせいろでござった。

野菜の天ぷらはナスにこごみにしめじ、さつまいも。
さつまいもの天ぷらを食べると父のことを思い出す。さつまいもが好きで好きでしょうがない父。ところが母は戦後に死ぬほど食べたから食べたくないの…、となかなかさつまいもの天ぷらを作ってくれなかったのですね。だから食卓にさつまいもの天ぷらが並んだときには父の手作り。ウスターソースをつけて食べておりました。

蕎麦のつけ汁は2種類。ひとつは鰹の枯れ節、宗田鰹、鯖節などと昆布でとった醤油だれ。もう一種類はくるみをすって混ぜたくるみだれ。わさびとネギが薬味でつく。
天ぷらは塩でと塩がついてくるんだけど、ナスの天ぷらだけは醤油のタレにひたしてしんなりさせる。それと一緒に蕎麦をたぐると口に広がる油の旨味。ゴリッと歯ごたえ強烈な蕎麦に油がのっておいしい。
くるみのタレはゴマに比べて渋みがすくなくどっしりとしたコクをたのしく味わえる。たっぷりタレにひたしてズルリ。噛むのもたのしい好みの麺線。蕎麦湯をくわえて薄めると醤油の影に身を潜ませていた出汁の旨味が顔を覗かす。まず昆布のヌルンとなめらかな甘みに旨味。最後は鰹の酸味で幕引き。良き店でした。オキニイリ。

 

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